REPORT

Mikio Osawa,Dedicate to...MOST 1999

1999年12月19日 1800〜 六本木CORE
大沢樹生

春のライブのときに、「年内にもう一回ライブをやりたい!」と言っていた言葉を実現するべく、年末ギリギリに実現したファンクラブの集いとしてのライブ。

駅から少し離れたビルの地下にあるライブハウス「CORE」。会場時間を過ぎて到着した私たちは、狭く暗い階段を降りていった。並んでいる人がいるのでその後ろに並んでいると、番号で先に入れることになった。ちょうどいい時間に突いたようだ。ラッキー!。チケットを切ってもらい、狭い入り口を入って曲がると、驚きが待っていた。暗がりの中にライトに照らされた一角があって、そこになんと樹生が座っているじゃあないですか。ファンを一人一人握手で緒で迎えしてくれるのだ。そしてその脇にホームビデオを回している男の人がいる。「日本製少年」の及川監督だ。驚いたなんてもんじゃない。(想像してみてよ、ほんと)。階段にいた時に聞こえた歓声は「これ」だったのかと思った。
すっかり凍えていたわたしの手に触ると、「冷たいねえ」と言いながら、なぜか親指の付け根のあたりをグリグリされてしまった(笑)。ダンスの振り付けで、手を握って二人でぐるぐる回る時、メンバーはこういうイタズラをされていたのかと、考えてたらおかしくなってきた。
握手会の恒例なんだけど、終わると振り返りもせずに急ぎ足で(または小走りで)前へといってしまった私に、あとから来た友達が「樹生ちゃんが『コートは大丈夫?』って心配してましたよ。」と一言。はっ!忘れてた。ライブだっていうのに、こんなコート着てたら暑いよね。一旦入り口に戻ってコートをロッカーに預け、飲み物を頼んでステージ前の人だまりへと向かった。
相変わらず、入ってくる人を迎えていた樹生をちらちらと見るともなく見ていたのだけれど、いつの間にか10人ぐらいの女性たちに囲まれてなにか談笑しているようだ。白いドレスシャツに、黒のぴったりとしたデザインスーツ姿は、ぱりっとしていて、なんか最近では珍しいスタイル。ライトを浴びている姿は、とても自然でリラックスしている感じがした。

ステージには白いスクリーンがかかっていて、そこにライブ映像やプロモーションビデオの映像なんかが流れている。それを眺めていたら、後ろから「そろそろやるぞぉ!」というでかい声がした。当然、生声だ(でかかったのよ/笑)。いよいよスタートね、と思ってワクワクしてくる。後ろの階段から2回の通路を通っていく。通路は途中から隠れていてわからないけれど、そのまま前のステージへとつながっているようだ。ステージの脇から一人、樹生が登場する。何の演出があるわけでもなく、ほんとにそのままの登場だった。歓声が上がる。
マイクの前に立ち、大きく息を吸い込んで「歌うぞ」っていうしぐさをするのだが、後ろを振り返り無人のバンドセットを見て「あれ?いない」というお約束のボケで笑いを誘う。この人、一人になってからこういう古めかしいギャグセンス全開じゃありませんか?(苦笑)


MC

怒涛のMCを、記憶の限りメモったので、順不同でお届けします。メモから起こすだけでも、大変なくらいだったけど、こんなもんじゃなかったんですよね、量が。半端じゃないくらいしゃべってました。Deseoのライブのときもそうだったけど。
読む時は、ぜひ「樹生」風に翻訳してください。

●Deseoでの決意を実現するため、自分でプロデュースして今回のイベントをやった。会場で始まる前に流していたビデオは、家で自分で編集して作った。今年はファンクラブのイベントもやってないし(去年もなんだけどね)。

●「みんな座る?」嫌だという声に、「じゃあ俺も立ってる」。ステージにはテーブルといすが2つ用意されているのだが、

●ステージの上で素でいられるのってすんげえうれしい。

●99年を振り返って。

「ケイゾク」
ああ、渡部のあっちゃんとかね。出てたね。あと誰だっけ?(中谷美紀)中谷・・・さん。これ、最初は断ったの。1月15日までロスにいる予定になってて、でもって16日から撮影だっていうから。飛行機のチケットとかもお正月だから、変更とか大変だし。でも撮影を一日延ばしてくれるっていうから、俺も義理人情に篤いからさあ(うっ!)、それで受けたわけ。でも、子供が熱出しちゃったから結局一人で帰ってきたんだけど、その足で衣装合わせで次の日撮影。ねえ、みんな時差ぼけって経験ある?(あるうぅ!)時差ぼけで撮影入って、台詞もその日に入れて、役者人生の中で経験のなかった23テイクとかやっちゃって(つまり、ミスったってことね)。だめだ・・・これはって感じになっちゃって。(どうも役者としての自信をなくしかけてしまったらしい。)

NHK「一心太助」
6月ごろかな、1ヶ月ぐらい空手道場ってところに通ったの。緒方君は柔道をやって、俺は主に剣術をやったんだ。
信蔵くんは、かわいそうなやつなんだよ。(状況を一生懸命説明してくれたのだが、それについてはドラマを見よう。)
結構評判がよくて、予定よりも出番が増えることになって、年内いっぱい撮影。29日が最終。今、14話ぐらいだっけ?来年になると、いきなり1年後とかになっちゃうんだけど、それから信蔵くんは、かわいそうなことになるのよ、ますます。で最後のほうの回で、10分間の長回しの殺陣があるんだ。大島渚監督の「御法度」って映画の殺陣もやっている人が殺陣師なんだけど、厳しい人なんだ。でも、かっこいいよ、そのシーン。夜啼亭の中で大立ち回りになるんだ。

「罠」
あと、今年はなんと言っても「罠」。話が来たとき、始めはこれも断ったんだ。(おいおい、そんなに何でも断っているのか?すごいな。)台詞の量がすごいし、NHKも決まっていたし。だって、舞台主演とNHK全国ネットどっちとるっていったらさあ、やっぱり全国ネットとるでしょう?(笑)。でも、(青木さんかな?)絶対いいよっていわれて・・・・。(結局、避けているかけもちってことになったらしい。テレビもいいけど、主演ってのも、それもパルコ劇場だったら比重高いと思うのよね、結構。)
今でも台詞、忘れてないよ。「やってええ!」(リクエストに答えて、冒頭の部分を一人でべらべらとしゃべる。いつにも増してのべらんめえ、もしくは巻き舌/笑。結局3シーン分ぐらいの台詞を、ものすごいスピードで再現してみせてくれた。)

●一人でずっとしゃべるのも何なんで、今日は特別にゲストを・・・。(といって、脇へ声をかける。)「レイジ!」(キャアア!)
「うそだよっ!」(がっかりムードが流れる。私も「ええっ」と思わず声が出た。)
「見たい?」(見たいよ、そりゃあ)
夏のイベントに連れて行ったんだけど「パパ、パパ」ってうるさくて。(いや、うるさいんじゃなくて、ものすごくかわいかったんだけどな。)
後でファンレターに書いてあってさ、いやな人もいるわけよ。「樹生くんは、家庭の匂いをさせちゃだめです」とかって。(なるほど)

そして、及川監督が登場する。

及川「俺、カメラ回さなきゃなんないんだよね」(ちょっと面倒くさそう)。
及川監督、語る語る。樹生は、口を挟めないこともしばしば。
及川「『日本製少年』のときの借金が、まだ返せてないんだよね。去年の年収は、200万だよ。」樹生「金のこというなよお」(樹生、ちょっと「勘弁してよ」状態)
樹生「あのとき、よく俺を見つけたね、俺、あの当時音信不通に近い状態だったんだよ」(ちょっと日本語が違う。居所不明とか、住所不定とかさ)
及川「ある日、フォーカス見たらさ、なんか見たことある奴が坊主になってててさ。それまでもずいぶん、探してたんだよ。街中で男の子に声かけたりして(そりゃ、そうとうびっくりされるんじゃないの。かなり怪しいよ)でも、なかなかいなくて。そのとき、あれを見て。」
及川「あの時、樹生も即OKだったよね。コピーした台本見て。そうなんだよ、まだコピーした台本しかなくてね。汚いやつなんだよ」
樹生「今の日本の若者の姿そのものって感じだったし、ちょうどあのころの自分の精神状態もそのままって感じだったし。」(つまりタイミングがよかったということか。)
及川「ファンの人から、抗議のファンレターがきたんだよね、あのとき。すごいシーンがあったじゃない。でも役者なんだから、いいじゃない。」
(そりゃ、そうだ。しかし、ファンの間で騒動になってもおかしくはないであろうと思うが。)

及川「大沢くんと映画撮ろうって、いろんな企画あるんだけど。みんなはどんなのがいい?」(いろいろ声が上がる)
樹生「なんか、最近、犯人役ばっかりだし。」
ファン「もっくんがやってる奴」
樹生「ああ、あれね」
及川「あれ知ってる?映画でおんなじのがあるんだよ。『危険な関係』ってのも、映画の『太陽がいっぱい』の話だし。」
及川「奄美大島で、ロケやる企画があってさ。電話したら断られたんだよ」
樹生「だって、3ヶ月ロケで、パンツ一丁で暮らしてた男だろ。断らせてもらいました。」
及川「島で暮らした画家がいてさ。やろうよ」
樹生「いいよ。」
(あとで聞いたら、絵を仕事としてではなく、ただ好きで書いてて、でも若いころから才能を認められていた日本人ぽくない絵を描く人だったらしい。タケシの番組でも取り上げられたことがあると、友人はいっていた。)

及川「大沢くんは、映画撮りたいんだって。」(歓声が上がる)
及川「だから今日は、一人5万ずつだっけ?置いて帰ってくれたら、それで撮れる。今日はそのためのパーティなんだ。50万だっけ?」(必死で否定する樹生)

樹生「真夏の風のビデオ撮影のときも、予算が50万。編集スタジオに30万かかるから、あとはないわけよ。ロケハンにも一緒に行ってね。」 及川「『日本製少年』のときは、予算が500万。」(また金のこというなよおと樹生)
及川「お金なくて、役者やスタッフの送り迎えも、そういうことするんだけど、それも大沢くんにやってもらって」
大沢「これはほんと。」
大沢「一番大変だったのは、車の中で血だらけになるシーン撮った時。川崎の住宅街の中だったんだけど、撮り終わったのが夜中の3時ごろだっけ?予算がないからシャワーがなくて。スタッフは作業が残ってるんだけど、俺は「もう帰れ」っていわれて。仕方ないから、血だらけのままベンツに乗って東名通って帰ったんだけど、あん時は本気で怒ったね。」
及川「怒ってたね。でも次の日出てきてくれたから、よかった。」
及川「『日本製少年』海外ですごく評判がいいんだよ。今でも上映したいって言われるんだ。ドイツとか(後ひとつ言ってたんだが、忘れました。)。CS放送でも今度やるんだよ。」
大沢「へえ、そうなんだ」
及川「ドイツに行ったら、見てよ」(タイミングがよければね。っていってもわざわざドイツまで見に行かなくてもビデオ持ってるんだよ、わたしゃ。)

及川「『富江』にも出てほしかったんだけど、ギャラが高くてさ。(『富江』のヒットでなのか)来年は年収が300万ぐらいになるんだ。でも子供のほうが年収多いんだよね。監督なんてなるもんじゃないよ。」
大沢「(ファンの姿を見渡して)だれもならないって(苦笑)」
及川「でも最近、女性の監督とかADとか多いんだよ。」
及川「『共犯者』は、なんかすごく強そうな感じで登場したのに、すぐに死んじゃったよね。」と言われ、樹生は、ちょっと物足らなかったというようなコメント。
樹生「ヤンガー・ギリヤークってすごい名前だよね。役名ってどうやって付けるの?『日本製少年』の田中大和ってどうやって付けたの?」
及川「『大和』は、日本のこと。『田中』は普通のありふれた苗字だから。いろいろ考えてんだよ。名前付けるの、大変なんだよ。」

及川「あと、『罠』は台詞が多くてすごかったね。とちったりしなかったの?」
樹生「ほとんど、とちらなかった。」
(で、また台詞をばーーっとしゃべってました。今でもちゃんと覚えてるってところを及川監督にアピール。)
樹生「一番すごかったのは小野さん。5ページぐらい平気で台詞とばしちゃったこともある。」(確かにとっても危うい感じでしたね。)
及川「ああ。最後の犯人は誰だっていう大事な台詞飛ばしたんでしょ?で、樹生がフォローしたって。」
大沢「大変だったのは、初日のギター。空調が当たって、なかなかライターの火がつかなくて、焦ったらギターがぼろぼろ。あと、中日ぐらいだったか、浮浪者の人とのシーンで、頭が真っ白になっちゃって、(口をぱくぱくさせて)『助けてよぉ』って。あと、看護婦とのシーンで『俺にはもう一人証人がいるんだ』っていうシーン。『それは、看護婦だ。』っていっちゃって。寿さんもフォローできないじゃん。だからしょうがないから、『もとい、浮浪者だ』って言った。」 及川「『もとい』って言ったの?」
大沢「そう。『もとい』って。」

帰り際に 及川「次、撮るとしたら(また)すごいシーンがあるよ」(とファンを脅すようなことをいう。)「また、舞台挨拶で会いましょう」
と言って帰っていった。
(かなりの勢いで監督はしゃべって言ったわけだが、随所に語られた「またいっしょに映画を撮ろう」っていう意気込みが高まったように見受けられた。純なファンにとってはショッキングなシーンが満載の、マニアックな映画になるんだろうけど、『日本製少年』は私にとっては非常に気に入っている作品なので、次回作への期待感は高い。ミレニアムの間にぜひともクランクインのニュースを聞きたいものだ。)

続いて、また樹生が一人でのおしゃべりを再開したのだが、テーブルに置いたままにしていた水のボトルを取りに、及川監督が戻ってきた。無言でボトルを手にとって帰ろうとする監督に、
樹生「素で戻ってくんなよぉ」(笑)。
あくまでマイペースを貫いた監督であった。そのまままた2階の真中でカメラを回しつづけていたんだろう。

●続いての話

●1月4日に火曜サスペンス劇場の枠で「外科医 有森冴子」に出ます。 ネタばれ
また犯人役なんだよ。二重誘拐の話。誘拐されたこどもをさらに誘拐するっていう犯人。先日、ロケで相模湖へ行って、前田吟さんと、水の中で格闘するシーンがあって寒かった。

●うちのマネージャーはおかしいんだよ。今回も、「菅井きんさんの子供を誘拐する役です」って言われて、行ったら前田吟さんでね。
前も、「Going West」ってあったでしょ。あのときも、「主演は淡路恵子さんです。」って。淡路さんって、あの萬屋さんの元奥さんだった・・・って思って行ったら、淡島千景さんで。

●『罠』をやって自信がついた。(最初は、やっぱりあの台詞の量だし、主役だし出づっぱりだし・・・ということで、プレッシャーがすごかったようですね。でも、やってみたら、できたわけで。)
できないと思っても、必要となったら力が出る。みんなもいろいろ大変なことがあるみたいだけど、必要なときには力がでてできるよ。
今でも台詞は覚えている。一ヶ月も稽古をしたからね。だから3ヶ月か半年は忘れないと思う。

●(来年の仕事のことは)決まっていることしか言いたくない。『罠』効果なのかな、舞台にまた出ることになった。「赤ひげ」っていう芝居で、いい人の役。1ヶ月半やります。
場所は、一箇所。どこでやると思う?
東名阪、さあ、どこでしょう?
東京だと思う人(挙手させる)、
名古屋だと思う人、
大阪だと思う人?
北海道。(ええっ?)
うっそお。名古屋。
御園座っていうところで。8月15日から9月**日まで(忘れました。ごめんなさい)。
主演は「ほくだいじきんや」さん。(きたおおじ!)
え?(きたおおじ!)
違うよ。ほくだいじでしょ?(だから、きたおおじだってば。)
違うよぉ。え?じゃあ聞いてくる。(といって脇へ行って戻ってくる)
やっぱりほくだいじじゃん。(ええええっ。きたおうじだよ絶対。ブーイングの嵐)
ごめんなさい。ってこれがやりたかったの(笑)。

●「みんなクリスマスは何してるの?」(ディナーショー)
「誰の?」(敦啓くんと淳くんの。)
「え?(絶句)」ざわめきながら必死に説明するファンたちの声を必死で聞き取りながら、
「え?アツヒロと山本くんがディナーショーやるの?」
「え?いっしょに?」ここでしばし、ほんとに無言で呆然として驚いている様子が妙におかしかった。ほんとに何にも知らないのね・・・元メンバーの動向。って感じがした。よしよし、インターネットもロクに見てないな、よしよし。
「ジョイントでディナーショウ・・・。何歌うの?」(光GENJIの歌)
「そう・・・」
そして「内海くんは?」とこわごわという感じで聞く。
(連絡取ってないの?)と聞かれ、顔を横に思いっきり振りながら「ううん」。
「敦啓とかってディナーショウって感じじゃないよね」
「俺も昔、やったんだよね、一度だけ。内海くんといっしょに。
メリーさんに一人でライブハウスでやりたいって言ったら、『内海とディナーショウやりなさい』って言われて。」そうか、そういういきさつがあったのか、あのディナーショウは、と、妙に納得できる昔話だ。あの事務所は小さいところで、ライブをやるっていうスタイルは好まないわけね。この瞬間、ここには書けないいろんな思いが頭を渦巻いてしまった(苦笑)。

「俺はクリスマスは、撮影だし、年末29日まで撮影だから。あ、29日にバラエティに出ます。久しぶりだよね。たまにはいいかなと思って。お正月はみんなどうするのかな。年取った人と若い人が組んでクイズやる番組。テレビ東京の。それが、美輪さんとコンビなの。舞台とか見にいってるんだけど、どんな人なのかな?って興味あって。そういう理由で(バラエティだけど、)出ることにしたわけ。だから「あ、出てるな」って感じで見てもらえれば・・・。明日は、NHKでリハーサルだしね。」
「お正月は、2000年だからって特別なことをするつもりはないんだ。」

以上、私的なメモを公開したというものなので、「違う、そんなニュアンスじゃない」ってことがあったら、すべて私の責任です。ですから、ここに書いたことで、決して樹生やMOSTに抗議したりしないでくださいね。ほんとにお願いします。


クリスマスプレゼントコーナー

このあと、一度引っ込んで山盛りのTシャツを担いで登場。一枚ずつサインしたものを「クリスマスプレゼントだ」と言って客席に投げ入れる。当然のように争奪戦が繰り広げられ、盛り上がる。樹生は、手前だけじゃなくて後ろの方へも投げようと苦心している様子。しかし上に投げ上げると、その軌跡を追って女の子達が殺到するため、すごい騒ぎ。臆病者の私は、一歩ずつ後退していく(笑)。樹生は、投げるのも疲れるらしく、へとへと。誰かにめがけて投げるのも悪いなと思うらしく、後ろ向きに投げたりして、工夫を凝らす。何枚あったんだろう。ようやく最後の一枚になると、ぶるぶると顔を拭いて投げ込んだ。
「これはMOSTからのプレゼントだ。これだけじゃないよ。昨日、映画を見たんだけど、『海の上のピアニスト』ってやつ。よかったよ。って、宣伝するわけじゃないけど。そのとき、ロフトとかハンズとかでプレゼントを買おうかと思ったけど、そういうのより私物の方がいいでしょ?」(歓声)

というわけで、いちいち脇へ引っ込んでプレゼントを取ってくる。

最初は、思い出のジャケット。「写真集とかで写ってる奴。けっこう高いんだよ。」ベルサーチの白地に黒のゼブラ風のブチ柄。かなりしっかりしたものだ。派手である。
プレゼントの方法は、樹生とじゃんけん。けっこうてきぱきと決まっていく。最後の一人が決まると、樹生はかなり名残押しそうにしながらもステージを降りて手渡す。

男女兼用のサングラス。しかしかなり特殊な形で、誰にも似合うってもんじゃない気がするのは私だけ?

黒の革ジャン。ロスでグループ時代に購入して、一時とっても気に入って着ていたそうだ。確かに見たことあるような気がする。『独逸旅情』に映ってるやつじゃないだろうか。
友達も「これなら欲しい」着られるもんね、これなら。
「ずっと好きだったんだけど、メタル系なんで、さすがにこの年になると着られなくて、それでも捨てられなくて、引っ越しても持ってたんだけど、あげちゃう。」

「楽しいねえ」「30年生きてきて、こんなにじゃんけんが楽しいのは初めて。」と思いっきり無邪気な笑顔で満足げ。確かに、盛り上がっているし、楽しそうだ。

細長い布に入ったものを持ってくる。開けると出てきたのは木刀。
「一心太助の稽古で道場でずっと使ってた。汗と涙が染み込んでいるから・・・・」しっかし、こんなものもらってどうするんだ?と内心思っていたのだが、会場は思いのほか盛り上がる。じゃんけんも、今回ばかりはすっきり決まらず、最後の二人になると、なぜか二人とも同時に負けるということが3回も続く。最後に決まって前に取りに来た人に「ほんとに持って帰るの?」と嬉しそうに聞く。係りの人にサインペンを持って来てもらい、その場でサインし、袋に入れて手渡していた。

最後は、グレイの小振りのエレキギター。最後のプレゼントらしく、残った6人ぐらいをステージに挙げる。周りの友達が名前を呼んで声援を送っている。「みんなでじゃんけんして決める?」といわれても、やっぱり樹生とじゃんけんして決めることに。声援を受けていた人に決まり、樹生は最後にお別れとばかりにギターをかき鳴らし、やはりサインして渡していた。


ここで一旦休憩タイムが入り(トイレとか飲み物とか・・と言っていた)、樹生が引っ込み、次はいよいよお待ちかねのライブだ。
バンドメンバーに続いて前奏と共に、白の上下に着替えて登場。中は黒のTシャツじゃないかと思う。

曲目(順番が違ってたらごめんなさい。)

  • 魂が揺れていた〜タイトヘブン
    (Rock Food)
  • アウトレジアス
    (M.ISM)
  • Lady On My Mind
    (4CROWS)
  • ジェラシー〜そして殺意のエピローグ
    (Pierrot Pazzo)
  • 風の中の少年
  • 悲しみの華を散らして
    (デビューシングル/Pierrot Pazzo)
  • Naked Heart
    (4CROWS)
  • ガラスの十代
     
    <アンコール>
  • 真夏の風(ちょっと)
  • アウトレジアス

バンドは、ギターとベースとドラムのシンプルな構成。照明もしっかり使って、本格的なライブとの前宣伝は嘘じゃない。途中にMCを適度に挟みながらテンポよく進んだように思う。

「Lady On My Mind」では、コーラスの部分を客席と一緒に歌う。しっかり練習もさせられた(苦笑)そのまま、樹生はちょっとだけ「Gold Finger'99」を織り込み、そしてクリスマスソング「赤鼻のトナカイ」を歌い出す。とたんに客席から大合唱。樹生は適当に切り上げるつもりだったらしいが、客席は結局最後まで歌いきる。「まだ歌うの?」とかなんとかつぶやいて苦笑していた樹生。

この曲と次の「悲しみの華を散らして」を聞いていて思ったのだけれど、ちょいと前の曲調は、ミディアムロックというのか一昔前風の歌謡ロックというのか、こういうのが似合う人のような気がする。聞いていて安心できるし、何より一緒に口ずさめるのがいい。実は、アンコールでちょっとしらける一幕があって、樹生が客席に「何がいい?」ってリクエストを聞こうとしたのだが、どうもリクエストがかからない。曲のタイトルを縮めて「魂がいい人」「ジェラシー?」ってな具合で挙手させたのだがぱらぱらとしか手が上がらないのだ。樹生は「みんないつまで光GENJIの亡霊に取り付かれているんだ」ってちょっとがっかりしているようだったけれど、そうじゃなくて、一曲に決めるには、ソロになってからのアルバム曲、シングル曲にはなじみ感が薄いんだと思う。それに。あの歌を歌って欲しいからという思いでアンコールしているわけじゃなくて、ただまだ去りがたいという気持ちなんだよね。クサイ言葉で言えば、時間と空間を共有する今のまま時間が止まればいいのに・・っていう思いなんだよね。別になんでもいいっていうのは、マイナスの気持ちじゃなくて、「決められない」っていうのもあるだろうし、それにまだ樹生とファンの間に「これじゃなきゃ」っていう決めの歌が存在してないっていうのもあると思う。だから、アンコールで歌う歌は、歌う本人が決めてくれればそれでいいんだ。実際、樹生が「アウトレジアスでいい?」って言えば、それで納得するんだから、客席は。樹生もオトナだから、パキッと気持ちを切り替えたらしく「アウトレジアスって意味知ってる?おったまげたって意味だよ。」とか何とか説明し、歌い出した。

そう言えば、アンコールって書いてあるのは、プログラム上で織り込み済みのアンコールじゃなくて、樹生が一人で再度登場したことを指して書いている。会場が明るくならないのもあるし、前回もあった2度目のアンコールを当然期待しているわけよ、客席は。
樹生は着替えもしないで一人で登場し、どうしよう・・って感じだったのだけれど客席を眺めて、ステージと客席を区切っている境のラインを誰一人越えてないことに気づくと「白線守ってるぅぅ」と感激した様子。
トークが始まった時に、今回のイベントでは、ブロックする柵を設けなかったってことを説明していたのだけれど、たぶんスタッフたちの心配を「俺のファンは大丈夫だから」とかって説得したんじゃないのかな。

ギターを構えて、「覚えてるかなあ」と心配そうに弾き始めた。それが「真夏の風」なのだが、やっぱり途中で歌詞が分からなくなってしまったらしく、「だめだああ」とバンドメンバーにヘルプを要請。残っていてくれたバンドが登場し、それから「何やる?」と相談が始まる。「郷ひろみとかって言うなよ。そういうイメージが付いちゃうから」とか、「ナイトウォーカー」という客席からの声に、バンドメンバーに「できる?」って聞くけど、どうも練習していないらしく、ノーとなる。そして上に書いたような挙手式曲決めへとなだれ込んで、あの一幕になったわけだけれど、歌い出した樹生は、ノリノリで、客席に降りて来てしまった。そのままどんどん後ろの方へと歩いて来て、自然と樹生を囲んで輪ができる。それでも、もみくちゃになることもなく、かといって遠巻きになるということもなく絶妙なドーナッツができているように見えた。一度、しらけた雰囲気も一気に払拭されたわけで、さすがうまいもんだと思う。
ファンとタレントという枠組みを越えての一体感というか絆、信頼感があるんだなということを実感できるのも、こういうシーンがあるからだと思う。お互いの距離が縮まって、お互いに満足感のある終わりを迎えることができてほんとによかったと思う。

記入日 1999.12.27/2000.1.4

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