これは、FE・TS最萌トーナメントの経過を見ながら、「なぜ飛行系キャラは人気が高いか」を大真面目に考察したものです。
まず、予選を勝ち抜いた飛行系のキャラを並べてみると、フュリー、ミネルバ、シーダ、サーシャ、カチュア、フラウ、フィー、ティト、アルテナ、パオラの10名です。予選勝ち抜き全32キャラ中10キャラを、飛行系が占めています。ちなみに、このトーナメントにエントリーされたキャラは144名であり、そのうち飛行系は全部で30名です。平均的には22.2%が突破率であるにもかかわらず、飛行系に限ると33.3%です。これは、とんでもなく高い比率であると言えるでしょう。
予選落ちした飛行系は、エスト、クレア、マーニャ、パメラ、ティートバ、フェミナ、メング、ブレグ、メイベル、カリン、ミーシャ、エダ、マーテル、ヴェーヌ、セオドラ、レシエ、シャニー、ユーノ、ミレディ、シグーネの20名です。結構落ちてるようにも見えますが、よくよく見ると、内9人はNPCですし、ヴェーヌは登場期間が短すぎ、ユーノやミーシャやフェミナは進み方によっては姿も見ることができないというハンデつきです。クレアはそもそも外伝のキャラという時点でハンデのような気がします。というわけで、やはり異常な比率で勝ち抜けていると言えそうです。一体、この人気はどこから来るのでしょうか。
さて、この時点で、どういうキャラが人気があるのか、そのヒントが見えてきたようです。ごく当たり前ですが、自分で使えないキャラは人気が出にくいのです。自分で長いこと動かせるキャラは、それだけで思い入れが出てきます。予想外の成長をしたり、自分の明らかなミスを奇跡的な確率で乗り越えてくれれば愛着も湧くでしょう。それでたまに(どうせ主人公以外はたまにしかセリフはないですが)可愛いセリフでもはいてくれようものなら、コロっといってしまいそうです。
しかし、それは他の兵種のキャラも同じです。飛行系に特別な理由があるのでしょうか。ところで、よく見るとやたらに王女が目につきますね。シーダはタリスの王女、ミネルバはマケドニアの王女、サーシャはウエルトの王女、アルテナはトラキアの王女です。フィーもどっかの王女か公女になる可能性が高いですね。そして予選落ちした飛行系キャラには、王女は一人もいません。「飛行系で王女」の予選突破率は100%です。ということは、飛行系というより、王女が強いというのが正確なのでしょうか。
では、王女の勝ち抜け率を見てみましょう。
予選通過した王女…シーダ、ミネルバ、チキ、セリカ、アイラ、ユリア、アルテナ、ミランダ、サーシャ、ティーエ、カトリ
予選落ちした王女…シーマ、マリア、ニーナ、ユミナ、エリス、ラケシス、ディアドラ、イシュタル、エンテ、ネイファ、エストファーネ、ギネヴィア公女は除外しました。エスリン(王太子妃)もとりあえず除外。イシュタルははっきり王女と言われているのでOK。王妃も除外ですが、ニーナは初出時は間違いなく王女だったはずなのでOKということで。王妹もOKにしました。他にも微妙なキャラがいますが、とりあえずこんなもので。
こうしてみると、ムチャクチャ強いですね。「王女で、自分で長いこと動かせて、最初から武器か魔法かもって戦える」キャラに限定してしまうと、予選落ちしたのはラケシスだけです。それも予選8組の激戦に飲まれた不運を考えると、他の組なら勝ち抜けた可能性は十分考えられます。
というわけで、まず結論1。「王女の人気は非常に高い」。
なお、王女じゃなくて公女になると結果はひどいことになります。えーと…ほぼ全滅、か?ティニーは定義次第では公女かもしれませんが。というか、真面目な話、あの世界でティニーの立場、フリージとしては何になるんでしょうね。
では、なぜ王女は人気が高いのでしょう。単に立場がそうさせるのでしょうか?とはいえ、単に「王女」でくくったときの予選突破率は約50%です(十分高いですが)。やはりここでも、「長いこと自分で動かせる」ことが重要のようです。ただし回復系ではダメっぽいですね。おそらく、前線に出るキャラより、「よくやってくれた!」という印象をプレイヤーに残しにくいことが影響しているのでしょう。
ところで、今「王女」でくくりましたが、これは「ゲーム開始時点の体制における」王女です。聖戦のみ、それに加えて「6章開始時点」も含めてますけど。ところが、ゲーム終了時には、大なり小なり体制は変わってしまっています。紋章が一番極端で、TSが一番小幅ですけれど、変わっていることには間違いありません。つまり、彼女達は、安っぽい言葉ですが、時代の流れに振り回された女性達です。平時ならば働くことさえ必要なかったはずの彼女達が、自ら武器を手に持って戦い、そしてハッピーエンドと限らない結末を迎えるところが、ファンの気持ちをつかんだのではないでしょうか。
ハッピーエンドと「限らない」というところが重要ですね。日本人は、敗れゆく者に対して、並はずれて強い愛おしみの感情を持つものですから。義経の例を挙げるまでもないですよね。FEでの代表例はイシュタルです。プレーオフでアイラに惜しくも敗れましたが、NPCとしては異常なまでに高い人気を誇ります。ちなみに、NPCでの予選通過はイドゥンだけでした。そのイドゥンもそうですが、何らかの悲劇性をもつキャラというのも、人気を集める要因です。
FEでの悲劇というと、悲恋を含める必要がありますね。報われない恋をしてしまった女性に対する人気は妙に高いです。カチュアしかり、パオラしかり。パオラは報われるかどうかしりませんが、恋敵がよりによって妹ですからね。では悲劇・悲恋のキャラの予選突破率を…って定義が微妙すぎますね。一般論的予測として「悲劇・悲恋のキャラは人気がありそうだ」に留めておきます。
他には何があるでしょうか。フラウもフィーも、性格は陽性のキャラですね。飛行系ではありませんが、予選2組ではアイラとイシュタルを抑えてカトリが1位通過しています。一緒にすると怒る人もいるかも知れませんが、「元気/陽気/天然ボケ」系、悲劇に対して喜劇系とでも言いますか、そういうキャラも人気があるようです。現実にも、そういう女性が「比較的近く」にいるとまわりの雰囲気が和みますから、イヤという人はあまりいないでしょう。「すぐ隣」にいるとどうなるかは人次第ですが。まぁ現実はおいといて、ゲームのキャラですから扱いは「比較的近く」です。見てて楽しい人で、自分に被害がくる可能性がゼロ、これは普通に人気がでるでしょう。やっぱり定義が面倒なので予選突破率などはだしませんが。
ところでカトリは、天然ボケに加えて王女でもあります。悲劇性と明るさを同時にもつキャラです。本当は悲しいはずなのに、表面的にはそれを出さずに明るく振る舞っている、そうとらえれるキャラです。これは日本語では「けなげ」といいます。これは人気を呼ぶ要素として、滅茶苦茶に強力です。わざわざ「日本語」と言ったのは、この意味の単語を持つ言語は少ないだろうという予想からです。少なくとも英語には、普通のサイズの辞書には載ってませんでした(All in Oneさんのこのページに解説あり)。「けなげ」には「勇ましい、男らしい」という意味もあるので(広辞苑ではそれが第一義でした)、「けなげさ」の訳語としてmanlinessが当てられたりもしますが、明らかにこの場合の「けなげ」とは意味が違います。わざわざ言葉が用意されている(転用された、かもしれません)ということは、日本人は「けなげ」さが大好きということを表す可能性が極めて大と言えるでしょう。
そういう目で、再び飛行系の予選突破キャラを見なおすと、ホントは辛かったはずなのに、滅多なことでは泣き言を言わなかったキャラが並んでいるではないですか。悲劇には悲恋も含まれることも忘れてはいけません。
これで大体どの系統のキャラが人気があるのかが見えてきました。基本的には、「自分で長いこと動かせるキャラ」で、かつ「けなげ」であれば高確率で人気がでるということです。しかし、まだ「飛行系」には直結していません。「飛行系」には何かさらに理由があるのでしょうか。
「飛行系」は言うまでもなく空を飛べます。地形を乗り越えて最短距離で進めます。遠い村を守りに行ったりできます。作品によっては強力なキャラを輸送できます。つまり、プレイヤーに無茶な使われ方をする場合が、他の兵種より多いと言えます。ところが彼女達は、弓に弱いという弱点があります。HP、守備力ともに鍛え込まない限りは高くない(数名の例外除く)ので、当たれば即死の可能性も高いです。プレイヤーが無茶をさせることが多いにもかかわらず、当たれば一発死。配置には気をつかいます。もしくは、弱点を補いきれるくらい強くしようと、気合をいれて鍛え込むでしょう。…気合をいれれば十分強くなるくらいの成長率がベストです。高すぎても低すぎてもいけません。
配置に気をつかうか、それとも育てきるか。どちらにしても、他のキャラより気をつかわれていることに変わりはありません。さらに飛行系は、その特殊性から、最低一人は一軍として育てられる可能性が高いです。つまり、多くのプレイヤーが、彼女達の誰かに愛着をもつ可能性が高いと言えます。愛着をもってしまったキャラが、これまで述べてきたようにけなげであったり、天然ボケだったり――人によって琴線は違うでしょうが――するならば、そりゃあ強烈に好きになるでしょう。
クレアが予選落ちした理由は、知っている人が少なくなっている他に、これも関係あるかもしれませんね。外伝には飛行系に対する弓の特効はありませんから、配置に関する気遣いは他のキャラと一緒です。あと、トラ7の飛行系キャラは全滅しましたが、これはシューターの配置数が多すぎて安心して空を飛ばせられないとか、徒歩のマップが多いとか、リワープできる杖使いの方が便利であることが関係しているかも知れません。…トラ7の販売本数の問題かもしれませんが。
他に、そもそもペガサスが美しいということも無視できないようです。ドラゴンにはクラスチェンジさせないという意見も、目立っていました。
というわけで、延々繰り広げた考察の結論は次のようになります。
「対飛行系弓特効があり、かつ飛行系ユニットの戦略的価値が大きいゲームシステムとバランスがあるならば、ゲーム初期からプレイヤーキャラとなる飛行系(ペガサスの方が良い)で、かつ王女であって性格がけなげ、さらに悲恋性があるキャラとなれば、ほぼ確実に人気が出る!!」
…サーシャが実は全部兼ね備えてるんじゃないかという気もしなくもないんですが…「天然ボケ」の性質が強すぎるようにも思います。
上記に加えて、「三姉妹の次女でしっかりもの」だと万全ですか。カチュアに「王女」属性を追加すればそういうキャラになりますけど。「カチュアは騎士だからいいんだよ!」という人に対しては、「王女は王女だけど、国は小国であり、隣の大国の意向に逆らいきれない立場にある」という設定を加えれば問題ありません。