ポンポンとワンツーを放ち、相手のお返しがくる前にサッと身を引く。
足がいい。射程内にはいったときの腕の回転も早い。新鬼が1発打つ間に
村田は4,5発打ち込んでいた。まるで小銃と機関銃の戦である。
5回、新鬼がヨロヨロとロープへもたれ込んだ。村田のショート・フックが
テンプルに命中したのだ。
「ここぞ!」とばかりに村田はラッシュ。だが倒せなかった。
手数は出ていても、的中率のきわめて低いラッシュだったからだ。
チャンスに焦って、“1発”のトドメを刺せないのは、若い選手に
よくあること。ましてデビュー以来運もあった(沼田戦は
バッティングによるTKO)が、“4連続KO”と騒がれている身では、
気持ちが先走っても仕方がないことだろう。
ワンサイドに試合をすすめ、何度も倒すチャンスを迎えながら、
とうとう倒せず試合が終わったとき、金子会長は笑って村田の肩を
たたいた。
ゴング
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