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ご紹介するホープ7人の中でも、もっとも新鮮で初々しさを感じさせるのが、この村田英次郎(金子)。
19才。8月号のズームアップでも取り上げたが、その後去る8月23日の後楽園ホールの8回戦では、
中堅どころの鹿内良弘(三迫)を3回KOで仕止めた。
19才の元社会人チャンピオンは、これでプロ入り2戦全KO勝ち。久々のスター候補を抱える事になった金子繁治会長、さぞや笑いがとまらないだろうと思いきや、それが違って、「いやぁ、村田とやってくれる相手いなくてね、マッチメーキングには泣かされますワ。今回は三迫会長に協力してもらって鹿内君とやれたけど、これから先が思いやられます。誰かいい相手いないですかね」
とアドバイスを求めてきた。予想されたことではあったが、相手選びには頭が痛そう。
そんな会長を悩みを知ってか、知らずか、当の村田は、
「うんと試合をやらしてもらって、経験を積みたいですね。スタミナもつけなくては。今は日本チャンピオンになることを目標としています」という。
鹿内は日本J・フェザー級9位と肩書きこそ低いが、プロ生活7年、40戦を越すベテランで、けして扱いやすい相手ではない。そのせいか、村田は「カタクなっていた」(金子会長)そうだが、それでも1、2回とも積極的に攻め、3回に右フック、ストレートなどを力強く決めて3度のダウンを奪った。ガードが下がりがちなのが気になったが、スウェーバック、ダッキングなどでかわす防御のカンは素晴らしい。
スター選手の育て方には、ラクな相手との対戦を積み重ねて自身をつけさせ、あわせて人気をあおっていく方法、あるいはいきなり強豪とぶつけて、ハードな経験の中で鍛え上げていく方法など、いろいろある。だが、今の村田のようなケースだと、とにかく相手を選んでいる余裕などないのだから、ハッキリとした計画など立てようもない。
「新日本ジムの木村会長が沼田剛(=日本チャンピオン)君とやってもいいといってくれたんですが、よかったら実現させたいですね」
ちょっと冒険すぎる気もするが、つぶされるほど危険な相手でもないから経験を積ませる意味からも、勝敗を度外視してやらせても面白い。
ボクシング マガジン 1976年10月
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