012/ガードレール
「どうしたの?」
「ガードレール、あそこ、どうして壊れてるのかな?」
「え、何処?」
「ほら、そこだよそこ」
「んー……? ああ、あそこかあ、」
「事故でもあったのかな。U字路だし、危ないよな」
「そうだねー、危ないねー」
「事故…かあ、」
「? どうしたの?」
「何か引っかかるんだよな、」
「何が?」
「事故って言うことばが」
「どうして? 変なの」
「変だよなあ」
「でも、変じゃないかも」
「?」
「だって、ねえ?」
「ねえって言われてもね、」
「わかんないの? そんなに鈍かったっけ?」
「何が」
「…あそこで死んだのってあんただよ?」
「………はあ?」
「そんな顔しないでよ。ぶさいく」
「うるせえよ。っていうか、え、そうなの? 俺死んでるわけ?」
「うん、」
「うんじゃないってば。」
「じゃあなんて言えば良いの?」
「もっと、こう、オブラードに包んでだな」
「そういうのってよくないんだよ、勘違いするんだから。言うときはさっぱりすっきり宣告しないとね」
「…マジで、俺、あそこで死んだの?」
「そうだよ」
「何で?」
「さっき自分で言ったじゃない。U字路だし、危ないよね」
「スローガンは安全運転なんですけど」
「そんなの知らないもん。御愁傷様。あ、ご臨終です?」
「いや、どっちでも良いけどさ。……はあ、そういえば、何か変な気もするもんなあ、妙に納得だもんなあ」
「納得、した?」
「微妙に」
「じゃ、ちゃんと成仏しようね」
「うん、て、どうやって?」
「それは企業秘密だから」
「あ、そ」
(2003/09.28 608文字)
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