030/通勤電車
満員電車と書いて「せんじょう」と読む。
朝のクソ忙しい時間に、みんながよってたかって電車に乗るもんだから、乗車率は200%超。そんなの当たり前。おかしいぞ日本やばいぞ日本。こんな息も出来ないような空間では叫ぶことすら出来たものではない。
男など特に。
「ちょっと…!」
前のOLににらまれようものなら寿命が年単位で縮まる。いや、本当に。本当に怖い。目つきとかそう言うの以上に、冤罪というものが。
齢35にもなると、いちばん疑いがかかりやすいものだ。世間の女性はみんなそんなに中年男性はお嫌いですか?
なので、私はいつも両手をあげて、万歳ポーズで電車に乗っている。肩がこる。もしこれで四十肩にでもなったものなら冤罪の嵐だ。違うんです! 無実です! 信じてください! 言ってもみんな白々しい目で見るに決まっている。
実際、つい先程の駅で引っ張られていった大学生らしき青年を、8割方白目の部分で軽く流していた。白目に視覚としての認識能力があるかどうかなんて知ったこっちゃないが。
彼の目はあり地獄につかまった憐れで無抵抗な昆虫そのものだ。昆虫に表情があったかいなかは私も良くは知らない。
『電車ァ〜カーブのためぇ、あ少々揺れます〜』
万歳の状態で揺れられると倒れそうになるのを我慢するのに足がつりそうになる。先日攣ったばかりだ。死ぬかと思った。降りるまで拷問だ。先進国はコレを拷問に取り入れてみるべきだと進言する。
「…!」
ぎろり、また睨まれた。
気疲れで、会社に行ったら既にアフターファイブな気分になってしまうほど。
ああ、マイカー欲しいなあ、マイカー。
そうすればこんな満員電車とも…あいたた、スイマセンスイマセン、―――おさらばできるのにぃたたたたたた…。
(2004/07.12 705文字)
男の人って、こういうとき立場が弱くて大変ですね。
やった、なんて、言われたらおしまいですもんねー。
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