034/手を繋ぐ
「手、繋ごうよ」
「…どうして?」
顔をそむけて、彼は照れたように。いや、実際照れているのかもしれない。
「どうしてって…繋ぎたいからだよ。駄目?」
「………別に、」
「駄目じゃないんでしょ?」
言うと、彼は私を見下ろしながら少し赤らんだ頬を片方だけ膨らませた。困ったときの、彼の癖。
かわいい。
「ね、繋ご? 寒いし」
今は2月。1年でいちばん寒い時期。
「仕方ないな、」
彼はぶっきらぼうに手を伸ばした。顔は真っ赤だ。
伸ばされた手に手を重ねると、最初は冷たかったけど、すぐにじんわり温かくなった。
「寒いから、だからな」
「うん、わかってるよ。温かいね」
私の手を握り締める彼の手は、ほこほこと温かい。やさしいぬくもり。
「ねえ、」
「うん?」
「そろそろ手繋ぐだけで真っ赤になるのなおさないとね」
言うと、彼は更に赤くなって、小さく頷いた。
(2003/08.21 354文字)
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