039/オムライス


 目の前に置かれたオムライスに、俺は至福の喜びを感じる。
 もちろん、ただのオムライスじゃない。俺の彼女がつくったオムライスだ。
 無類のオムライス好きの俺は、ありとあらゆる店のオムライスを食べ歩いた。「美味いぃいい…」と思わずうなってしまうような店もなかったわけではないが、俺は何よりも美味いオムライスを見つけてしまった。
 それが、彼女。
 彼女がオムライスを作ってくれて、それを食べてからというもの、もう他の店のオムライスなんか目に入らなくなってしまった。
 彼女がつくったのがイチバン。最高!
 何より愛情がこもっている。注文が入って量産されるものとは違う。
 俺のために彼女が作ってくれる、そのオムライス。それが何に勝るというのか。
「なにニヤニヤしてんの?」
 怪訝そうな表情で、彼女が言った。
「いいやー。俺は倖せモンだなーってかみ締めてるだけ」
「…」彼女はやがて、融けるようにわらって。「変なの」
「はい、いただきます」
「いただきますっ」
 銀のスプーンで一口たべたオムライスに、俺は最高に笑顔になれる。


(2004/08.27  438文字)



愛情って味するのかな?
半熟オムライスを作ってみたいけどアレは難しいヨ。



100text