085/コンビニおにぎり


 あじけない。
 包みを開けると、細かいのりがぱらぱらズボンに落ちる。
 払うと、床にひらひら。掃除のおばちゃんゴメン。
 就職して3年半。彼女も居ない生活が長く、仕事は休みがなくって労働基準局に訴えてやろうかって言う冗談じゃない冗談が飛び交う毎日。
 あじけないな。
 学生時代に彼女が出来ないやつはずーっと彼女が出来ないって誰かが言ってた。そんな。でも職場の独身野郎はみんな学生時代から彼女がいないって言う。いわゆる、年齢=彼女居ない歴になるわけだ。
 俺もそんな予備軍なわけで。
 25かぁ…。学生時代に彼女が居たやつらはそろそろ結婚し始めた。男なのに行き遅れた感を感じるのが嫌だ。
 25といえば、うちの両親が結婚したのも24のときだっていう。ああ、俺、もう親になってもいいような歳なんだな…。
 口の中でもそもそ、米と具がせめぎあう。狭い口の中で領土争いか、どうせ胃の中で仲良く消化されんだぜ。
 麦茶で飲み下す。吐いた息は重い。
「おいしくなって」とか「種類も豊富」とかいうけど、コンビニおにぎりはやっぱり手で握ったものには勝てないと思うんだよ俺は。
 自分で握ろうかな。でもなんかそれも情けないような。
「どないせぇっちゅーねん」
 ひとりツッコミしながら、2個目のおにぎりに手を伸ばす。


(2005/12.13 517文字)



25で行き遅れは早すぎた。ごめん。そんな私も5年後には25。ぎゃふん。



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