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 卒業式。
 別名、釦大売出し。

「先輩、第2釦下さい!」

 なんて、共学ならではのイベント。幸い此処は共学。
 公立万歳!
 そういうわけで、釦をアピールしながら頑張ったわけですが。
 式が終わって1時間。ちらほら卒業生の姿がなくなり始めても、釦はしっかりすべてそろったまま。
 ちらりとみる。
 あいつは釦がない。
 あいつも釦がない。
 あ、あいつも。
 あんなやつまで。
 ………。
 俺はそんなにモテなかったのか。常々非モテだとは思っていたが、此処までだとは。
 だがしかし。そうとはいっても。
 卒業式に釦をすべてつけたままなんて絶対に回避しなければならない状況だ。これは確か。
 どうしようか。
 でも売り出すのは非常に気が引ける。
 この人切羽詰ってるのね、なんて思われたくない。わらわれたくない。
 悶々と考えた結果、俺は釦を自分で取った。
 こんなモノがあるからいけないんだ、感動的な卒業式が余計な感情を抱かせてしまうんだ!
 こんなモノ棄ててしまえ!
 こんなもの、こんなもの、こんなもの! こんな――――――………。
 ………。
 虚しくなってきた。
 釦、家に帰ってからつけよう。自分で。

 小説とかなら、こうやって帰り際に、突然後輩女子が話し掛けてきて、ハッピーエンド。とかになるのだろうけど、そんなものは所詮フィクション。
 フィクションなのだよワトスンくん。

 という、まあ、そんな話なんだよ。これは。オチとかないんだ。絶対。


(2003/10.31 572文字)



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