097/アスファルト
安心しろよ、
とんとん、足裏で地面をたたきながらわらう。
誰もお前のことには気付かないから。
この先ずっとずっとずぅっと、お前はいろんなものに踏まれつづけていくんだ。
散々俺を莫迦にしてきた報いだ。
安心しろよ、俺は罪をかぶることはないからな。
永遠に近い暗闇へ、長いツアー、存分に愉しめよ。
とんとん、足裏でたたいた地面。
「おいそこのバイト! ぼさっとしてないでちゃっちゃ働け!」
「スイマセン」
呼ばれて振り返って。申し訳なさそうにわらう。気弱な人間。10年以上かけて培われて染み付いた処世術。
黄色いヘルメットをかぶりなおして、指示されたとおりにアスファルトを流し込んでいく。
青黒い液体は、やがて地面を覆う石になる。
安心しろよ、誰もお前が此処にいるなんて気付かないから。
(2004/03.21 327文字)
いじめられっこの逆襲。
ま、見つかるときは何しても見つかりますけどね。
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