ピアノの周辺―はじめてのレッスン21-30    

ピアノの周辺

【はじめてのレッスン】
21〜30回(99/10/08-00/01/24)

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10月8日--グレン・グールドのビデオ

CDでグールドの演奏を聴いてからというもの、(私は"images"が導入部とな っていますが)つまり、自分の中で何かが、ストンと落ち着くところに落ち着い て、すっかり心地良くなってしまって以来、ご多分にもれず集められるものは CDでも書籍でも全て集めて、とにかく聴いてみたい、読んでみたいというこ とを、折々すすめているのですが、今回やっと映像で見る・聴くチャンスがめ ぐってきました。LDでは相当数の映像も見ることが可能なようですが、そこま ではまだ手が回りません。今回のは、いわゆるバッハ・シリーズの3本です。

@ THE ESSENTIALS OF BACH'S KEYBOARD OUTPUT
A BACH AND THE FUGUE
B THE GOLDBERG VARIATIONS

@とAはグールドが一緒にこのシリーズを作った映像作家ブルーノ・モンサン ジョン(もともとはヴァイオリニスト)との二人の対話を通して進行していくもので、 二人が実に楽しそうに、そして真面目に<ここは、こうでしょ。だからこうなって。 こう弾くと、こう表現されるし。>なんて言っていて(たぶん)見る人が見れば非 常におもしろいものだと思うのですけど、なにしろ何て話しているのか、悲しい かな今のところ理解できません。やっぱり英語は必須ですね。Bのゴルトベル ク変奏曲は二人の対話は、始めにほんの数分あるだけで、あとは演奏シーン です。これはとびきりの音楽作品ですね。いま、浸りきっています。


10月11日--グールドの指の動き

この3本の音楽作品は、番号順に79年、80年、81年と制作されたようです。 グールドの晩年の47歳から49歳にかけてということになります。ピアノを弾く 時は、眼鏡をかけ、あの低い椅子に腰掛けて背中をまるめて、時に鍵盤に 顔を埋もれさせるようにして(鍵盤との距離は10cmもないくらいにまでなり ます)まるで、ピアノに向かって話しをしているように弾いています。また特長 的だと感じるのは、カメラがグールドの指に、とても接近していることで、手を 伸ばせば、グールドの手に触れることができるのではないかというくらい。そ れこそ間近に指の動きを見て取ることができます。曲のゆっくりしたところで は、指の腹で鍵盤の上を滑らせるようにして弾いたり、あるいは音の行方を 確かめるかのように指の腹の一点を軸にして、円を描くように押さえの駄目 押し、という感じで撫でたりしていて、ああ、グールドはこういうふうにピアノを 弾いて音を作っていたんだなと、映像はやはり如実に見せてくれます。こうい う指の動きをみていて、実に俗な発想で、我ながら怪しからんことですが、グ ールドがモウ牌しているみたい、などと思ったりもしたのです。


10月15日--グールド映画情報

次のレッスンまで時間があるので、打鍵の練習を念入りにやっている。5月 から自分で始めたハノンは、8月末に20番まできたので、9月は20番までを 毎日弾いて、指慣らし?をしていた。10月に入ってからは、また、一週間に 一つずつ進めていくという方法で、やっと23番まで。1番から弾いてここまで 今のところ約20分。それから、教室で使用しているものを、注意された点を 確認しながら、こちらは少し時間をかけて練習。使っているのは、バーナム ピアノテクニック2(全音楽譜出版社)。子供向けに書かれたものだけど、私 には面白いし、難しい。ブルクミュラーの練習曲、9番の“狩”は、なんとか形 になってきた。<指使いを気を付けて>なんて注意があるだけで、とにかく 最初は自分なりに弾けるところまでを聞いてもらうので、リズムが狂っていた りしても平気で弾いたりしている。なんだかしっくりしないな、ということだけは 分かるのだけど。

そこで、楽譜を写すことを、はじめてみたけど、この作業が なかなか楽しい。音符って面白い。高音部と低音部の関係もよく見えてくるし。 ま、時間の余裕があるのはいいことです。ビデオもたっぷり見たし、そこで、 映画の情報です。
《グレン・グールドをめぐる32章》 11月13日〜11月19日。
《若き日のグレン・ グールド》 11月20日〜未定。
共に21:20からのレイトショウ。土・日のみ10:00からの上映もあり。
銀座テアトル西友


10月19日--タマにボウね

楽譜を写しているだけでも、けっこう新しい発見がある。一体、小・中学校の 時、何やってたんだろう、すっからかんに忘れている。音符の部分について もタマにボウにハタと言うなんて。ハタのことは、この間まで“ひげ”なんて呼 んでいたんですから。まぁ、これは罪がないとして。縦線にしても、線の右は 強拍、左は弱拍なんて意味があったんだし、二本の縦線=複縦線にしても、 拍子や調号が変わるときに使われるのは分かっていたけど、段落が変わる 時という意味もあったんですね。どうも、恥を曝しているようですが。今まで、 楽譜上の言葉の意味ばかり調べて、<軽く>と<弱く>はどう弾き分けたら いいのか、なんて思っていたりしたけど、やるべきことは他にもあるようです。 まるで、取説(一部業界の人は取扱説明書をこのように言います)を読まず に運転を始めてしまったみたい。楽譜を取説なんて言ったら、叩かれそうで すけど。ネコでも弾けるって、このことだったのかも。それにしちゃ、前足に、 いやに力が入っているドラですが。


10月21日--お父さんのための・・・

今、毎週水曜日に教育テレビで「お父さんのためのピアノ講座」を放送して いますね。一回目は見逃してしまって、先週から見ていますが、今後どんな ふうに、レッスンが、進められていくのか楽しみです。昨日見てた範囲では、 ピアノを弾くとき、曲から物語りを読み取り、自分なりにその物語りを考えな がら弾くことが大事で、何も考えずに弾いては駄目。つまり音符どおりに指 を動かすことでは音楽にはならない、というようなことがレッスンされていた ように思います。それで、ふと考えてしまったのですが、演奏する側は確か にそうですけど、聴く方はどうなのでしょうか。純粋に音だけを楽しむという 聴き方もありますよね。例えばその音楽の背景や物語りなどを知らなくても、 聴いている内に自分の中に感情が湧いてきて魅了されてしまうということも。 これは、音楽を聴くときのことで、ちょっと次元が違うことかもしれませんが。 それにしても、あのパイプ椅子で横一列、という形は、お行儀良くてびっくり。 “私はこういうふうにピアノを弾きたい”っていうお父さんが登場すると見応え あるかも。だって、お父さんて大人でしょ。


10月25日--あわてない、あわてない

レッスン21回目。久しぶりだから、スキップして行きました(まさか!)。指の 練習はスタッカートとレガート。その違いをはっきりと弾き分けて両者をうま くからませる。スタッカートは、ポンポンポンと軽く軽く。極端かなと感じるくら い指を上げて弾いてみると、それらしい音が出てくる。そうは言っても、たい して指は鍵盤から上がっていなくて、まだまだおとなしい弾き方をしている。 それから、レガートの方は小節の最後の部分は、音色を柔らかくするという こと。これは、この間、譜を写していて頭では分かったことだけど、指の方は 元気一杯で、まったく抑揚の無い弾き方をしてしまう。練習曲の“狩”も、スタ ッカートが沢山でてきて、問題点は同じ。右手は八分音符をスタッカートで、 左手は付点四分音符で弾くところがあるけれど、右手は一オクターブ離れた 音を弾くこともあって、つい気持ちが焦ってしまい、つられて左手の方も気が つくとスタッカートのような、そうでないような、間の抜けた音になっていたりす る。落ち着いてやればいいものを、そのスピードは加速するばかり。この曲 は“狩”。馬からこけないようにね、なんて注意されちゃった。


10月30日--なんてきれいな音色

千葉県の佐倉市民音楽ホールで、ハンガリー出身のアンドラーシュ・シフさん のピアノ演奏会があった。プログラムはオール・ベートーヴェンと題されて、ピ アノソナタの5番、6番、7番、8番。(5,6,7、もいいですね。)10月15日にテレ ビで放送された<ショパンを語る>という番組で、この人のピアノ演奏と、その 穏やかな語り口が素敵だったので、機会があればと思っていたら、運良く一番 後ろの補助席が空いていて、直にその演奏を聴くことができた。このホールは、 一階席、二階席合わせて638席。こぢんまりとしていて音がきれいに響いて音 楽を楽しめる。シフさんのピアノの音色は、本当にきれいだった。ピアノはこう いった音色をだす楽器だということを再確認させられた感じがする。こうした音 楽を聴いていると、作曲者やピアニストって、全くすごい才能を持った人たちだ とつくづく思うし、なんだか感謝したくもなってくる。アンコールで弾かれた、ハン ガリー民謡も味わいがまた違って楽しいものだった。音楽って不思議だな。


11月1日--全く自己管理が、、、

レッスン22回目。ピアノ教室に通い始めて、もうすぐ半年になる。一回一回を 大切にしなきゃと思っているのに、つい油断してしまった。昨晩、大幅に夜更 かしをして、今日は朝から頭がぼんやり。レッスンは夕方からだけど、教室に 行く時分から猛烈に眠くなってきた。一週間いつも通り練習していたのにその 努力も水の泡。ウーム、全くなっとらん。「今日はどうしちゃったの?」なんて言 われる始末。睡眠不足で集中力ゼロ、指はヨレヨレ。全く失礼極まりない生徒 なわけで、こんな姿勢でのぞんじゃいけません。睡眠不足を気合で乗り切ろう なんてことが出来ない年齢になったことを十二分に自覚して、今日は、とっとと 眠ります。次回は“狩”と“やさしい花”の仕上げ。


11月×日--二人ほしい

ちょっと忙しくなってくると、もうお手上げ。コンスタントに練習をしたいのに、な かなかそれも出来なくなる。まぁ、この間までピアノには全然関係のない生活 をしていたのだから、2時間近くを確保しようというのが土台無理なのかもしれ ない。ああ、私が二人いたら、一人は思いっきりピアノの稽古をして、もう一人 は家事もアルバイトも、そつなくこなして、とここまで考えていたら、おや待てよ、 二人いたら連弾っていう手もあるななんて。こうなると本当にアホやね。


11月8日--脱力?

レッスン23回目。指の練習は、両手で和音を2拍ずつ(4オクターブ分)ペダル をつけて弾いていく。ソシレ、ソドミ、ファラドレ最後はソシレ。鍵盤を叩いたら、 一旦脱力して(その時、手は鍵盤から高く上がっている)、そしてまた力を入れ て鍵盤を叩く。また完全に脱力して、という具合に次に進んでいく。全部の動き に力が入っていると最後まで来た時にかなりヘトヘト(経験者ですから)。鍵盤 を叩いていない時は脱力。あぁそうか、力を抜くってちょっと解ってきたような。 しかし、この練習、とても音が大きいので、近所迷惑じゃないかと心配になる。 練習曲の“狩”と“やさしい花”は一応終わり。“やさしい花”は弾くのと聞くのと では少し印象が違う。弾いてみると思っていたほど手応えが無い。うーん、何 と言ったらいいのかな、こういう感じは今までなかった。次回は11番“せきれ い”。この曲が流れてくると、私は反射的に頭をメトロノームのように左右に振 る癖がある。この間、食事の時注意された。相当みっともないらしい。可愛い 女の子というのにはほど遠いですから。でも何が悪いのよねー。この開き直り、 やっぱりヤバイかな。


11月15日--皆は出来てるのよね

レッスン24回目。曲に合わせて頭を振ってなんて暢気なことを言っている場 合ではなかった。今週の練習は肉が盛り上がるほど肩が凝ってしまった。そ れほど何を練習していたかというと“せきれい”の始めの2小節、右手はソミド、 ミドソ、ドソミ、ソミド。左手は対照的に、ドミソ、ソドミ、ミソド、ドミソと弾いて下 降してくるところ(三つの音の始め二つは16分音符、三番目は8分音符でス ラーがかかって最後はスタッカート、拍子は4分の2)19、20小節にも同じパ ターンで今度は上昇していくところがある。まず指が動かない。リズムがとれ ない。もう何も考えずに、ただただ鍵盤の上で指を動かす。3日目位から時々 まぐれのように指が動き出す。それ以外のところは難しくない。ここは音楽を 忘れてひたすら指のトレーニング。他の人は自然と出来てしまうことなのかな。 もう半ば自棄になっている。練習が終わると何故か膝がガクガク。クロールで 500メートル泳いだときのようにぐったり。レッスンでは、まだまだ先生にみて もらうまでに到達していないことは承知の上なので、これといった進展はなし。 でも注意点をよく頭に叩き入れて、来週にはなんとか目処をつけたいな。ドリ ンク剤を飲んじゃおうかな。身体には悪いかもしれないけれど肉体疲労には 本当に効く。何しろ回らなくなった首が一発で回っちゃたのだから。昔ね。


11月16日--同情します

大人になってピアノを始める人の切っ掛けは様々だろうけど、自分の中でい ろんな折り合いをつけながら、それでもささやかな喜びのために、エイッと始 めるのだと思う(大人は自分でね)。ピアノ教室にはお母さんに連れられたま だほんの小さな子供が沢山来ている。少し大きくなると一人で来ているみた いだけど。お母さんの中に、顔見知りの人がいたので話しをしていたら、「子 供が5歳の時から教室に通わせていて、初めは嫌がっていたけど5年経って、 この頃、漸くレッスンが好きになってきたようだ」と言う。それは良かったわね と言いながら、今何を弾いているのと聞いたら、「さぁ、よく分からないわ、詳 しくないから」と言う意外な返事。へぇー、そんなもんかなと思ったけど、更に 次の話しの展開で、考え込んでしまった。「もう、辞めさせようと思っているの、 男の子は、やっぱりスポーツが出来なきゃね」というものだった。私には何が <やっぱり>なのか分からないけど。この場合、子供に同情しますよ、ホント にね。ピアノが弾ける男の子だってかっこいいし、第一、好きに成りはじめた というのでしょ。それにもう10歳。この子は大人になったらピアノを弾くかな。 ギャラリーをぶっ飛ばせ!なんて、過激でしょうか。


11月24日--忘れ物をしたような

この4、5日、いろんな事が重なってピアノの練習が碌に出来なかった。今週 はレッスンにも行っていないし、一回もピアノに触っていない日も2日ある。毎 日毎日していることをしないというのは、おかしな感じがするもので、忘れ物を した時のように気持ちが不安で落ち着かない。それでもグレン・グールドの映 画(Off the Record/On the Record)だけは、土曜日の朝一で見に行ってきた。 朝から大勢の人が並んでいたのには驚いたけど。40年も前に制作されたも のなのに、とっても瑞々しく、グレン・グールドは若さに満ち溢れている。本当 に素敵です。笑い顔なんかたまらない。しかし、パンフレットには少々不満。ス タインウェイCD318が319なんて誤植されているし、すでに何処かで読んでし まっている文章が多いし、有名人の一言は要らないと思うし、これで1000円 は高いぞ、なんてね。さてと、今日からは、やっといつも通り練習が始められる。


11月29日--練習は楽しい

レッスン25回目。銀杏の落ち葉で黄色くなった坂道を降りると教室につく。指 先が少し冷たく感じる。季節は廻っていますね。いつのまにか初冬です。いつ も通り打鍵の練習から、右手は3,4の指、左手は3,2でミ、ファを(音をださ ずに)押さえて、残りの指でドレソレとレガートで弾いていく。これも手首を柔ら かくする練習。こういう練習はまさしく訓練という感じ。でもこの頃は指がフラフ ラすることもなくなった。練習曲は11番の“せきれい”と15番の“バラード”。“せ きれい”は、まだスタッカートを強く押え込んで弾いてしまうことと、それにやは り油断すると親指が強くなってしまうこと。テンポは「とにかくゆっくり」と注意さ れる。“バラード”は、ドラマチックでおもしろい。展開するところでは、「歌わせ て」なんて注意もある。では思い切り歌いましょう。「ピアノって練習している過 程を楽しむものでもあるのよ」なんていう意味のことも言われる。本当にそうだ なーと思う。帰り道、教室から仕事場に向かう時は、すぐに頭が切り替わっち ゃうけど、まっすぐ家に戻るときは色んなことを反芻しながら、成果はイマイチ なのだけど、満たされた気持ちになって帰ってくる。空を仰いでみると星が出 ていた。目を凝らしていたら数が増えていく。ひとつ、ふたつ、、、楽しいね。

今、バッハのパルティータ第六番にハマっています。もちろんグールドのピア ノで。なんだかこの季節にぴったりなんです。


12月6日--連符

レッスン26回目。今日の指の練習は連符の弾き方。4分音符の3連符、ドレミ、 レミファ、ミファソ、、、これは大丈夫。ところが5連符になると、リズムが狂って くる。ドレミファソー、レミファソラーと最後が長くなってしまって、あれま、これが 直ぐには楽譜通りには弾けない。なんというか世話がやけます。その上、左の 指は小指と薬指が、グニャっとふらついたりして、メリハリなんてありません。 時々、まだ足の覚束ない幼児の手を、大人が引っ張るようにして歩いているの を見かけることがありますが、強いて言えば、あの時の子供の縺れた足のよう な感じです。今後の成長を願うのみです。練習曲の2曲は「まぁ、いいでしょう」 なんてことで放免となりました。どの部分が上手く出来ていないのかは、よーく、 分かっているのです。けれど、それには、今しばらくの時間が必要です。なので 上がりという訳ではありません。でも考えてみたら今まで習った曲も、素敵に出 来たなんていうのは無かった訳ですから、お楽しみが又一つ増えました。という ことです。でも、今回はちょっと悔しいな。この土日は、閑があればピアノに張り 付いていたので、今日あたり教室に行く前からグッタリしちゃって、本番で役立 たず、というパターンです。何をしているのだか。次回からは19番の“アヴェ・マ リア”。ゆっくりとした静かな曲で、年の瀬に練習するのには良いかもしれない。


12月10日--視覚から

ピアノの奏法については実に多くの書籍がでていますね。借りてきたり又は買 ったりして読んでみますが、なかなか理解できません。写真が掲載されていて も、やはりいまひとつピンときません。教室ではこういうふうに弾けば良いとい う先生の指の動きを、目を皿のようにして見ていますが、一瞬のことなので身 体全体の動きなどは把握できません。指の動きと音との関係、難しいなーと感 じています。曲の表情などはCDを聞く方法もありますよね。でも速すぎません か?ブルグミュラーの25の練習曲も、吟味して聞こうにも、あれっ、もう終わっ ちゃったのなんて。いま、習っているものとは別のものがそこからは聞えてくる といった感じです。CDをテープに録音して回転数を遅くして聞くという空しい抵 抗をしたりしています。まぁ、こうすると、安心出来ると言いますか。ナンセンス なことなのかもしれませんけどね。今、欲しいのは基礎的な奏法を映像にした ビデオです。指だけでなく肩や腕の動きがよく分かるもの。子供用ではなくて大 人のための。こういうビデオ有ったらいいのだけどな。


12月13日--各声部の弾き分け

レッスン27回目。指の練習は先週からの持ち越し、連符。5連符は左手がまだ 安定せずもたつく。音が五等分にならずにやはり最後が伸びてしまう。メトロノ ームを使って練習してみたのだけど、上手くできない。もう一週間の課題に。練 習曲の“アヴェ・マリア”は、いままでの練習曲とがらっと変わって、うーん、集中 力が要る曲です。各声部の音量を弾き分けること。四声の4分音符と8分音符 をきちんと弾く。これは、19、21、25小節に出てくる。特に21小節目では右手 の5の指では4分音符を、1と2の指で8分音符を弾くところがあるけれど、指先 に神経を集中させて耳をすませて弾かなくちゃならない。それに、大事なペダル の使用。ペダルは今まで、結局のところ、音を繋げるものとばかり思っていたけ ど、初めて柔らかな音色を出すのに効果的なものと今回で自覚できた。だから といって上手く踏めているわけじゃないけど。そして曲の表情を豊かにするのに は、それぞれのスラーの出だしを意識して澄んだ音色にすること。どひゃー!! 静かでゆっくりな曲って手強いな。でも、この曲好きになったから、心に染み入 るように弾いてみたい。よし、頑張るぞ。


12月17日--蝶々が海峡を

学校での音楽の時間は、これっといって楽しいものではなかった気がしていま す。特に中学生の時の聴音は好きになれませんでした。一つの音でも分から ないのに、和音を聞き取れる人がいて一体あの人の耳はどうなっているのか しらと思ったものです(今も状況は似たようなものですが)。高校時代は将来そ の方面に進学しない生徒には音楽も美術も選ぶことを許されず、一般生徒? は男子は体操、女子は料理でした(これ、どういうんでしょう)。唯一楽しかった 思い出の授業は、小学六年生の時先生が丸々一時間ピアノを弾いてくれたこ とです。確か世界各地の民謡だったかな、私たち生徒はただウットリ、ボーッと して聞き惚れていました。さておもしろい本がありました。題名を見た時はそん な訳で思わず二、三歩後ろへ引いてしまいましたが、恐る恐る手に取って読ん でみるとこれが本当に楽しい本でした。『大人のための教科書の歌』川崎洋著、 いそっぷ社。蝶々が海を渡る話しから始まります。実際に、もんしろ蝶が渡った 記録があり、ちょっと引用させてもらうと「青い海の上に白い敷物を敷いたよう にもんしろ蝶がたくさん浮いていて死んだ蝶々と思っていたら、船を近づけると 飛び上がった。一方の羽を海面にぴったりくっつけ、もう一方の羽をヨットの帆 ように直角に立て、そうやって休んだり昼寝をしたりして、長旅の疲れを癒して いる・・・」ね、少し視点が変わるといいますか、あくせくする事はないんですね。


12月20日--ペダル

レッスン28回目。3週間続けてた5連符の指の練習は、3日前に気が付いたら 出来るようになっていた。出来てみると、あれ、どうしてこんな事ができなかっ たのだろうと思う。モタモタしていた左の指も右手についていく。指はいずれ動 くようになるだろうと思っていたけど、基本的なリズム感が悪いのかなーなんて 悪い方向に考えていたから、とりあえず、めでたしなのです。諦めなくて良かっ た。練習曲の“アヴェ・マリア”は、ぺダルの踏み方に問題あり。打鍵直後に踏 むのに打鍵と同時に踏んでしまう事。癖になる前に治して仕舞いましょう、とい う事で今日はペダルの踏み方の練習に大半を費やす。先生が「こんなの簡単 よ。ホラ!」なんてやってみせてくれると、ああ、これは簡単なことなんだと気が 楽になって出来るようにもなる。言葉の暗示にかかりやすいタイプの生徒なの です。もう少しペダルの練習を続けることになりました。この曲はペダルをつけ ないと全く様にならないので練習もしやすい。それにこういった短い曲でペダル の使い方をマスターしていくことが大切らしい。という訳で、今年のレッスンは、 これでおしまい。次回は“アヴェ・マリア”の仕上げと13番の“コンソレーション”。


12月20日--満一歳

一年前の今日、家にピアノがきました。あの前後ワクワクしていたことを昨日 のように思い出します。そのささやかな記念にベートーヴェンの“喜びの歌”を 弾いてみました。大きなオタマジャクシの楽譜を見てみると、<スラーはどう弾 けばよいか>なんて記入してあって、こんなことも分からなかったんですね。あ れから一年、いろいろありましたが速いものです。そして今年はまたとんでも ない20日を迎えています。来る日も来る日も夜中に、グレン・グールドのピア ノを眠りに就くまで聴いていて、また時にはバッハを演奏するグールドを飽き もせず見ています。それで十分に満足していたのです。でも、ここにきて多分 見れないだろうなと、諦めていたグールド・コレクション(LD6枚組み)と巡り合 ってしまったのです。LDデッキを急遽、中古で買ってきて見始めています。バ イオリンのメニューインとのセッションは、ゾクッとするほど素敵です。眠ること さえ忘れてしまいそうで、もう気絶するほど嬉しいのです。という訳で、しばらく グールド三昧の冬籠りをします。お立ち寄り下さいました方、そしてお便りをく ださいました方、ありがとうございました。お礼を申し上げます。一月中旬に再 開いたします。どうぞまたお立ち寄りください。それでは良いお年を。


1999
2000

1月14日--降っても晴れても

ピアノの練習も2年目に入って、練習内容を少し見直す時期に来たようだ。今 まで習った曲も、確実に何時でも弾けるようにしておきたいけど、全部頭から おさらいをしていると、当然時間はいくら有っても足りない。これは、一週間毎 に一曲というようにして、練習曲の練習と平行して弾き込んでいくことにする。 せっかく習ったのに、次から次と忘れていって結局弾けるものがない、なんて ことにならないようにしたいから。それと、まだまだピアノそのもの(えーとえー となんて言いながら目指す音の鍵盤を探している状態など)や、譜を読むこと に慣れていないので、毎日10分程度、本当に簡単な曲の楽譜を全体を通して よく見て、それからゆっくり、間違えても止まらずに最後まで弾くことを始めた。 これは、集中できてすごくおもしろい。初見練習の前段階といったところかもし れない。また、指の練習も今の私には大切なことだ。ハノンを練習していて効 果があるのかどうか、まだ私には分からないけれど、現在37番まできた。一応 最後まで練習するつもり(今年中に60番までは難しいと思うけど)。こんな具合 に今年も練習を始めています。目立った進歩は得られないかもしれない。でも 一歩一歩、前へ前へ。上手く出来なくても気にしない。それもこれもみんな楽し いことだから。♪降っても晴れても、なのです。


1月17日--魔法の一言

レッスン29回目。指の練習は指回し。高音部はソ、ソ(四分音符、スタッカート) ソ、ド、ミ、ド(八分音符、スラー)拍子は四分の四、指は3,3,3,1,2,1.こ の繰り返し。1の親指を軸にして、3と2の指を回して弾く。低音部はドとミを一 緒に弾いて四分音符(スタッカート)と二分音符で伴奏。多分、子供は手が小さ いから、これは結構効果のある動きかもしれないけれど、大人には簡単。でも 小指と薬指がまだ筋ばってしまう。「そんなに力を入れちゃ駄目。力を抜く!」ま たまた、この一言で力が抜けて普通の手の形になった。あらあら不思議。もう、 これは魔法の一言としか言いようがない、なんて。分かっていることでも側で言 ってもらうことで始めて本当に効き目が現れるのだから。練習曲の“アヴェ・マ リア”は今日で終了。“コンソレーション=なぐさめ”は、最初の5小節は1の指で 全音符を弾きすぐに4と5の指で八分音符のトリルを弾くけれど、この全音符の 役目をフィンガーペダルと言うらしい、なるほど肯ける。来週までのこの曲の課 題は、メロディーラインとそうでない部分との二声部の弾き分け。高音部、低音 部交互にでてくるので、まず片手ずつ練習して被せていくことにする。あと20番 の“タランテラ”が始まる。約一ヶ月ぶりのレッスンで気分は朝からハイ。帰り道 の雨上がりの冷たい風も思いのほか心地がよかった。


1月24日--背筋がゾッゾッゾ

レッスン30回目。うーん、まずい。今日は朝から布団を被って眠ったふりをして いたい日だ。全く気分の問題で、ほっとけばそのうち機嫌も直るのだけど、コン トロール出来ずに、内へ内へと向かってしまう時がある。まぁ、しかたない。こん な日もある。低気圧の影響かもね。指の練習は右手はド♯ラ♯ファ♯の3連符 (八分音符)、左手は和音でファラド(二分音符)、拍子は四分の四。まず、左で 和音を弾いて、右で3連符、また左で和音。簡単そうだけど、この黒鍵が意外に 弾きにくく指がすべる。来週に持ち越し。練習曲の“コンソレーション”は二声部 の弾き分けの練習を、しっかりやったので、メロディーラインが際立つようになっ た。先生は隣で静かに聴いてくれる。少し緊張して弾きはじめたら、しばらくぶり に背筋がゾッゾッゾとした。たまーに上手くいった時、もちろん聴いてくれる人が 居る時だけ。背筋に緊張が走るというのか、これは、ピアノを始めてからの独特 な興奮。一人で弾いている時は、こんな身体的な反応はまだない。しかし、気分 が冴えないときに上手くいくのも皮肉な感じだ。“タランテラ”は、まだ形にならな い。毒グモに噛まれるには、もう2,3週間経たないと。CDで聴いてみたら、あま りの速さに耳?が回ってしまった。さてと、気持ちを切り替えて練習をはじめよう。