ピアノの周辺―はじめてのレッスン61-70    

ピアノの周辺

【はじめてのレッスン】
61〜70回(00/10/16-00/12/18)

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10月16日--重心の移動

レッスン61回目。指の練習は、スタッカートに3連符。スタッカートの方は、高いミ(全音符) を5の指で、低いミ(4分音符)を1の指でスタッカートで3回。拍子は4分の4.この1オクターブの 間隔を維持したまま、ファ、ソ・・・と上がっていく。この時、5の指にあまり重心をかけない。自分で 練習しているときは、5の指で全音符をドーンと強く弾いてしまった方が安定する感じだったのだけど、 そこにいつまでも重心を置いているとスタッカートを弾く1の指が硬くなる。1オクターブは手を思いきり 広げなくても届く範囲だけど、届いて安心してちゃいけなかったのだ。軽やかに軽やかに、無駄な力を入れる ことなく、しなやかに指を動かさないと、きれいな音に繋がらない。

次は4分音符の3連符。4分の4拍子で、一小節の中に3連符が2つ、4分音符が2つ。音はシャープが 2つで、ファソラ、ファソラ、ファ、レ、つぎは、ドレミ、ドレミ、ド、ラ。3連符を目にすると、何故か気持ちが 焦ってしまうけど、ゆっくり拍を数えて弾けば大丈夫。メトロノームを使えば、簡単に合わせていくことが できた。ただ、黒鍵から始まるので、指が滑ってしまう。

練習曲の“つばめ”は、結局、もたついたままだったけど、大分曲らしくなってきたということで、 今日でおしまい。出来ないまま終わってしまった。なんだか気持ちが残ってしまうな。この辺りでも春になると、 燕がやって来て、巣を 作ったりするのを見かけるけど、来年になって、また見るようになったら、恨めしくこの曲を思い出すのかも しれない。最後の曲“乗馬”は、曲の真ん中辺り(23小節目)、右手の旋律が1の指でドを弾いて、 5の指で、1オクターブ高いドから駆け下りるところがあるけど、ここでもやはり、直ぐに重心を5の 指に移動させないとその先スムーズに行かない。あとは、最後の部分、16分音符で2オクターブを、やはり 駆け下りるところ、左右の音の粒がそろわない、最後に来て台無しという状態だ。でも、“つばめ”に 比べれば、まだ何とかなりそうで、少し希望が持てる。来週には、めでたく終わりということに なるといいのだけど。

「それで、今、何を弾いているの? 僕はこんなのが弾けるよ。バイエル程度だけどね。」 受話器の向こうから 2曲もハミングが聞こえてきた。話しの流れの中で、ピアノの話しになっても、何を弾いているの?と尋ねて くれる人は少ない。まして、歌ってまでくれるなんて。だから、その日は一日、ホンワカしてしまった。それは、 大先輩の方からだったのだけど、まるで少年からの電話のようでした。

*9月に続いてグールド関連の本がまた出版されました。『グレン・グールド演奏術』 ケヴィン・バザーナ、サダコ・グエン訳、白水社。4200円。 それにしても、高いですね。でも、やっぱり読みたい。


10月23日--新しい練習曲

レッスン62回目。指の練習は、和音の弾き分け。今回の和音は、ド、ミ(♭)、ソ(♭)、ラ (減 7度の和音)とド、ミ、ソ(3和音)、それにソ、シ(♭)、レ(♭)ミとソ、シ、レ。両手、同時に 3オクターブ上行していく。減 7度の和音で、問題提起、3和音で解決。問題提起では、強く、解決のときは 柔らかく弾く。和音の練習のときは、いつものことだけど、指がなかなか安定しない。それに今回は音の雰囲気を 聴き分けるということもあって、ちょっと難しい。それに、この和音、分かっていないことばかり。いつか 本当に真面目に勉強しなくちゃ。

この間から続いている“乗馬”は、やはり見落とし部分の注意を受けて、もう一週間、練習をすることに。 そう簡単には、めでたく終わりとはなりませんでした。注意を受けたのは、休符で音を切っていなかったり、3連符の 指がもたついたりして、そこの部分だけ、ちょっとテンポが遅くなったりするところ。自覚はしていたのですが、 もう少し練習が必要でした。実は今回は、この“乗馬”は、あまり熱心に練習せずに教室に行ってしまいました。 練習していれば、できたはずなんて言うつもりではないのです。しかし、その練習の仕方は、かなり雑でした。 楽譜を確認せずに、弾くことだけで終わらせていたのです。一応、楽譜は譜面台に置きはしますが、まず見ていませんでした。 やっぱり、おさらいをする時には、教室で教えてもらったことを、ちゃんと意識しないと駄目ですね。 取り組み方に問題ありでした。

というのも、新しい練習曲に時間を割 いてしまったからなのです。次ぎに練習 していくのは、 「ブルグミュラーの 18の練習曲集 」 と 「ピアノ・スプラッシュ」 という練習曲集です。25の練習曲集も本当に可愛い曲や、きれいな曲が 多くて、練習 していくのは、実に楽しいことでした。それに比べると 「18」 の方は、ちょっと大人っぽいムードですし 、より深さが感じられます。ですから、やはり嬉しくて、期待に胸が膨らむというところなのです。 その1番の“ないしょ話”、簡単そうに見えて、やっぱり難しいですね。いつもは一週間で、だいたい覚えてしまう音符も、 まだまだ覚えきれていません。なので、形にもなっていません。もう一つの 「ピアノ・スプラッシュ」 は、 デニス・アレクサンダーとデイヴィッド・カーブという人が作曲しているもので、 後の方には、ジャズやラグタイムもでてきます。こちらで練習するのは、やはり1番の“トルコ石(青緑色)” という曲。題名にあるように、色の雰囲気を感じさせる曲で面白いものです。これから先は、この二つを 併用していくことになりました。どちらも、楽しく始められて、嬉しいのですけど、時間には限りがあって、 この先、どうなることやら・・・


10月30日--ご飯を食べるように

レッスン63回目。指の練習は、ドシラソファ、ファミレドシ、シラソファミ・・・ 前の4つは16分音符、最後は4分音符。右手の指は54321の連続。左手は12345.それで、 左右同時に4オクターブ下降する。ゆっくりと、音を確認しながら練習して、徐々にスピードを あげていく。左右のずれを感じたら、リズムを付けて練習してみる。教室では、指の練習には、 いつも10分くらいは時間を使う。3分の1ということは、かなり比重は大きい。家で練習する時も 疎かには出来ない部分です。

さて、練習曲の“乗馬”。先週、苦い思いをしたので、今週は気を入れて練習したつもり。しかし、 最後の16分音符で駆け下りてくるところが、残念ながら、イマイチ。しかたないので、全体を ゆっくりめに弾いてみたけど、ここに来ると、何故かラスト・スパートっていう感じになってしまって、 縺れに縺れて、ゴールした時は、息も絶え絶え、ってわけでもありませんが、まぁ、よろしくない 結末です。それでも、楽しいものでした。そんなこんなで、今日でおしまい。これで曲がりなりにも 25曲、全部終了しました。先生が書いてくれた注意点や、自分の書き込みを、ページごとに 見ていると、その時々を鮮やかに思い出します。これは、はじめて教室に通うようになって使った最初の練習曲集です。 私の記念となり、小さな宝物になりました。

「スプラッシュ」の“トルコ石(青緑色)”は、4分の3拍子、ヘ長調、シ(♭)ファソラソファで始まり、 少し幻想的なムードのする曲で、雰囲気が掴みやすいものです。段落では、間を取ることを意識すること。「18」の “ないしょ話”は、3連符の頭が4分音符になっているので、メロディラインを引き出すようにして 弾くようにする。この曲、何故か私には、お坊さんが木魚をたたいているように聞こえてしまいます。 ありゃりゃ、これでは、曲になるまでほど遠いかも。このところ、なんだかんだと忙しくなって きました。しかし、忙しいからと言って、食事を抜くことはありませんよね。ピアノのも同じ。 毎日ご飯を食べるように、練習していきたいなと思います。


11月6日--高音部と低音部

レッスン64回目。指の練習は例によって、2本の指で音を出さずに鍵盤を押さえて、 残りの指で打鍵 していくもの。今回は、右手は4と5の指でファ、ソを押さえ、左手も同じ指で 低音部のラ、シを押さえる。3 の指は使わずに、ドレミレを1,2,1,2の指で打鍵する。 これも力を抜く練習、なのに音を出さずに鍵盤を押さえているだけの指に、 えらい力を入れていたことを発見。それだけで、すでに手は筋張っています。音を出さない訓練では ありませんでした。これは、本末転倒 というもので、全くズッコケています。

練習曲は、まず“トルコ石”から。曲の雰囲気は掴んでいるはずなのですけど、いざ教室で弾いてみると、 指の動きに気を取られて、まだまだしっとりとしたものになっていません。この曲は、全体としては、水底に漂うような 幻想的な感じのする曲です、とそこまでは、自分で弾いてみても理解できるところです。しかし、そのような曲に 弾けているかというと、まだまだです。

問題点は二つです。一つは、始めにも書きましたが、指の動きが練れていないのです。 そして、先生の指摘を受けて二つめの問題点が分かりました。先生の指摘はこうでした。楽譜を 縦割りで見ているということなのです。高音部のこの音と低音部のこの音が合ってと、そんな風に目で追って、 指をその通りに動かしていたのです。それで間違いはないのですが、それぞれが独立した音の流れとは、 なっていませんでした。それぞれのパートでの、広がりが弾けていないのです。 水のイメージは、私も感じることができるものでしたが、具体的にどう表したらいいのかは、分かっていない ところでした。低音部は、高音部を活かすために、弱く弾くという固定観念が強すぎたようです。 しかし、それすらも今日は出来ていなかったのですが、、、しばらく低音部だけを取り上げて、水のイメージを 練習してみるつもりです。それぞれが独立して絡み合って、仕上げていくものだと、またまたの再確認でした。

“ないしょ話”は、お坊さんの木魚から脱出。最後の6つのドミソの指使いが、スムーズにできるようになれば なんとかなりそう。これ、思っていたより、ずっときれいな曲です。


11月13日--方向が違ってる

レッスン65回目。指の練習はアルペジオ。ドミ(♭)ソ(♭)ラ、ドミソラ、ソシ(♭)レ(♭)ミ、 ソシレミ、ソシレファ(16分音符、4分の4拍子)左右の手を交差させて、それぞれ4オクターブ 上行する。最後は、左手は 2 と 5の指で ド、ソ、右手の指は 2 と 4で ド、ミ ( 同時に打鍵、4分音符、 右手の 3 つめだけ 2分音符 )で3オクターブ降りてきて、一番最後は、ピアノの最も低いドでおしまい。いつも 云われていることだけど、用が済んだ手は素早く次ぎに移動して準備をする。ちゃんちゃんと準備しておいて、 慌ててキーを探して音の流れを中断させることがないように。そして、始めの音にアクセントをつけて頭の中で 1、2、3、4と拍を数えながら弾いていく。この練習は、たくさん鍵盤を使えるし、伸び伸びしていて本当に 好きだ。ピアノが来た当初は、88鍵を端から順番によく叩いたものだけど、最近はしてないな。時々は叩いた 方がいいかもしれない。

「スプラッシュ」の“トルコ石”は、今日でおしまい。先週は左手が問題だったので、水のイメージを 頭に浮かべて、左手のパートだけを繰り返し練習した。それにメロディーを被せていくようにしたら 少しはましになった。見えてきた見えてきたという感じで、弾いていても嬉しくなってくる。次回は、 ヴィオレッタ(すみれ色)、これは 8分の8 (3+3+2) 拍子で、ちょっとジャズっぽい曲。リズムが うまく取れるだろうか、、、

「18」の“ないしょ話”は、練習のやり方を完全に間違えた。スピードを上げ過ぎて、指が 縺れるようになってしまった。CDを聴き過ぎたのが、いけなかったのかもしれない。相手はプロ だというのに、影響されて、どんどん速くなってしまって、挙げ句の果ては、私は下手だ、なんて 滑稽にも落ち込んだりしたのだ。これは、全く無意味なこと。下手なのが当たり前なのに。そういえば、 「スプラッシュ」の方は、先生が一回弾いてくれるだけで、お手本がないから、手探りでゆっくりゆっくり 弾いていって、曲の感じを掴んでいくようにした。この“ないしょ話”は、指の動きにばかり気を取られている。 これじゃ、やっぱり方向が違っている。よーく考えないといかん、ということですね。さ、仕切り直し、 ゆっくりゆっくり自分の為に練習をしよう。


11月20日--ステップ踏んで

レッスン66回目。レッスンを終えて表に出ると、まだ雨は止まずに降り続いていた。 自宅まで徒歩で15分、バスに乗って帰ろうかなと思ったけど、今日は嬉しくて少しばかり上気して いるから、冷たい風に吹かれて歩いた方が気持ちがいい。坂道ではヘッドライトとテールライトが、 雨に滲んで綺麗に光りの列を造っていた。心の中でステップ踏んで、音楽って不思議で面白いなー なんて思いながら帰ってきた。

指の練習は、右手は5、4、3、左手は1、2、3で 3連符の 練習。左右ともソ(全音符)の音を、それぞれ 5 と 1 の指で弾いて、高いミレドの3連符を 3回続ける。(拍子は4分の4)。次ぎは全音符はファ、3連符は、レドシ。以下、同じようにして下がって いく。一見簡単そうだけど、始めの内は指はぎくしゃくする。慣れるまでは、それなりの時間がかかる。こういうのは 日頃、繰り返し練習するしかありません。

「スプラッシュ」の“すみれ色”、8分の8拍子(3+3+2)は、頭では分かっているのに、身体は 保守的といったところ。リズムは123、123、12なのに、長年の習性なのか、身体の方は、 最後の12に続いて、ジトッと、来ない 3 が来るのを待っている。あーあ、いつの間にか身についたものを 振るい落とすのはやっかいだ。先生が弾くと、チャーミングに聴こえるこの曲も、私が弾くと、ミステリアスな ものになっている。解決方法は、声を出して数えながら弾くこと。とりあえず、声を出すことから始めよう。

「18」の“ないしょ話”は、今日でおしまい。気負わずに自分のペースで、ゆっくり練習したら、気持ちのいい曲にでき上がった。 こんなことは、めったに無いことだから、正直に嬉しい。弾いている時に、しみじみとした気持ちに なっていくことも、またいいものだ。次回は、“真珠”。


11月27日--粒をそろえる

レッスン67回目。指の練習は、半音階。両手を使って反対の方向に進む練習。 レの音から始めると、左右が同じ指使いで進んでいく。これは、難しくないのだけど、途中 何回もトチッてしまった。では、リズムを変えてやってみましょう、とのことで、やってみたのだけど 行きはヨイヨイ、帰りはガタガタ。実はこれ、簡単だからって練習をさぼっていたのです。こうやって、 直ぐに結果としてでてしまうから、恐いものです。来週に持ち越し。

「スプラッシュ」の“すみれ色”。声を出せば、リズムを取るのは、割と楽です。 教室で時々、先生が右手、私は左手のパートを弾く練習をしますが、これが私は苦手です。 両手で覚えているので、「ハイ、何小節目からを左手だけで」 と云われても、これが悲しいかな、 すぐにパッとできないのです。あーン、また置いて行かれちゃったなんて、そればっかりです。

この“すみれ色”、イメージがどうも掴み難いけど、花のすみれの濃い色ではなくて、朝、 太陽が昇る前、長い夜が終わって、空の色がだんだん白っぽく、薄明るくなってくる前の ほんの一瞬、薄い薄いすみれ色が広がりますよね。どうも、あの時間、あの色を思い浮かべます。 そんな透明感のある、軽い感じをだすのには、山場になっている一番高い音を、やさしく 軽く弾くといいようです。この場合は、高い音を強く長めに弾いて盛り上げるのには当てはまりません。 現代曲は、こういうところが違うのかなと感じます。面白いものですね。

「18」の“真珠”、この曲は始めから終わりまで、音階の上り下りで曲ができています。上行も 下行も 2 オクターブが一つの単位。一週間の単位で考えてきたところを 2 週間で考えるような 気の長いところがあります。例えが変かも。指使いは、1 オクターブの最後の5 の指になったら、 素早く1 の指で続きを弾いていく。伴奏は和音のみなので、こちらの方は問題なし。音階の 方は、2 オクターブの音の粒をそろえていくのが、なかなか難しいものです。真珠が海の底で、 眠っているような感じですが、どうやって、空間に繋がった音として、ちりばめていくか、 欲を言えば、光さえも感じさせて、と、イメージは膨らみますが、暫くは、耳を傾けて ひたすら、鍵盤の左右を行ったり来たり、するのです。でも、これは楽しい練習です。


12月4日--楽譜鞄

レッスン68回目。楽譜を持ち歩くのに、何か適当なバッグはないかと、 押し入れの中を探していたら、でてきた、でてきた。あんまり、懐かしくて25年も前の 昔のことが、一挙に蘇ってきます。当時、私は四谷近辺で、昼間は小さな会社に勤めていましたが、 このバッグは、同じ課の五つ年上の先輩が、あの頃、流行っていた毛糸のボアを使って、 器用に作ってくれたのです。今でも、まだどこも傷んでなくて、優しくしてくれた その人の温もりさえ感じるような気がします。こうやって楽譜を入れるのに、ピタリの大きさです。 長い年月を経た後の、不思議な邂逅といったところです。感謝です。

さて、レッスン。今日の指の練習は、先週はさっぱりだった、半音階。気合を入れて 練習しました。ムムッ、半音階って実に綺麗な音色ですね。この練習は気に入りました。

「スプラッシュ」の“すみれ色”は、リズムをつかめば、なかなかムードが有って 面白い曲でした。それに、雰囲気を出すのには、ちょっとしたコツが必要なんだなーと いうことも、うっすら分かってきました。 少し、音をためてみたり、フッと息を抜いてみたり、でも、それぞれの小節を本当に 丁寧に弾いていくことが大切なんですね。だからって、できてる訳ではありませんが。 今日で、“すみれ色”は、おしまい。次回は、“ジンク ピンク”。これは、メタリックな、 ピンク色ってことかしら。

「18」の“真珠”、光り輝く粒にするなんて、まだまだ無理。でも、弾いていると、何故か 気持ち良くなってきます。ついでに眠たくもなってきて、困ります。

新しい練習曲集に入って、 まだ2曲ずつですが、レッスンが今までよりも更に楽しいものになってきています。以前は、 指が動かないことが、とても気になっていましたが、焦っても仕様がないし、自分のペースで やっていこうと思ってから、気持ちが楽になりました。こんなに愉しい時間をもらっているのに、 できない、できないと言っていても、何の足しにもなりませんから。


12月11日--夢うつつ

レッスン69回目。今日は体調が最悪。睡眠不足と風邪気味で、レッスンに行くのが 、ちょっと億劫になってしまった。だけど余程の事が無い限り、当日の欠席はしたくないから、 だましだまし一応練習もして、出かけることにした。でも集中力は、やっぱりなくて、汗はタラタラ かくものの、変な音ばかりでてがっくりしてしまう。傍目には、いつもと同じなのだけど、本人だけは、 これは体調のせいなんて、言い訳しているのです。今日は、レッスンの大半を“真珠”に費やす。2オクターブ 上行していくのは、なんとかそれらしく弾けるようにはなってきたけど、下行のほうが、まだまだ。 それでも、何回か繰り返し弾いている内に、「ハイ、これは上がり。」 なんてことになって、夢現のうちに 終わってしまった。こんなことで、果して良いのかしら。「弾いていて、気持ち良さそうですよ。」 と云われて、 「 いいえ、お蔭様で。」 なんて、返事をしている。 なんだか、今日は受け答えまでトンチンカンです。 次回は、3番の“家路につく牧童”、 これは、好きな曲です。どうも、のんびりと踊っているような曲がでてくると嬉しくなります。

“ジンク ピンク”は、拍子は 8分の5、ほぼスタッカートで出来ていて、ピ・ポ・パ・ピ・ポといった ような曲です。これは、ガンガン鍵盤を叩いていいらしくて、変に歌わせない方が、さまになるようです。 弾いていると、コンピュータが作動を始める時の音を連想しますが、媚び売るマシンなんて、気味悪いですからね。

まるで、全編、音楽が奏でられているような、なんとも不思議な本に出会いました。『 ゲーデル・エッシャー・バッハ、あるいは 不思議の環 』 著者は、ダグラス・R・ホフスタッター。白揚社。この本はバッハの 「音楽の捧げもの」 を めぐる物語で幕を開け、また、この物語で幕を閉じます。入りやすい内容なのですが、途中はあまりの難解さのため、 しばし空を見つめることがありました。で、結局理解できないところも多々あったのですが、不思議と、ここで打ち切り、 というわけにはいかなくなる本なのです。生命の解剖を見る思いでした。そして、ただただ、著者と訳者に驚嘆してしまうのです。


12月18日--日だまりの曲

レッスン70回目。指の練習は、両手が10度違うスケール。注意するところは、左手の 指先がグニャっとつぶれてしまわないように、安定させること。これが私には意外に難しくて、 もう、2週間ももたついている。練習方法としては、スタッカートで弾いてみること。その時に 指先は鍵盤を叩くだけで、自分の方向、つまり内側に滑らせないようにする。取り敢えず、スタッカートで 弾けるようになってから、レガートで弾いていこう。ゆっくり、ゆっくり。自分で練習している ハノンも、やっと音階の最後まで辿り着いたけど( 1月から始めて、なんと1年もかかってしまった。)、それでも こうやって、いろいろ注意を受けていると、ただ弾けばいいってものでもないですね。でも、弾いておくと、ちょっと 安心するのですけどね。

“ジンク ピンク”は、リズムの3+2が、イマイチ。しかし、これは音の並びが面白く、鍵盤を弾くというより、 ボタンを操作しているようでした。勢いで弾いて、今日でオシマイデス。来週は、“ダーク キャラメル こげ茶色”。

「18」の“家路につく牧童”は、イントロ、A、B、A、C、A、コーダの形式で 4 分の 3 拍子、ト長調。短い ながらも変化に富んでいて、弾いていても楽しくなってきます。ただ、装飾音の処理が問題。本当に軽く弾いて、曲に のせるように、心しないと、そこだけ不自然に重くなってしまいます。全体が、弾んではいるのだけど、のんびりしていて、 穏やかで、日だまりの暖かさを感じさせる曲です。最後の部分は、指使いがちょっと難しい。こなれるまで練習する しかありません。

ルーマニア出身のオイゲン・キケロ(1940−1997)のCD、“ロココ・ジャズ”を聴いています。クラシックを ジャズ風にした曲は、沢山あって、割と好きですが、その中でも、この人、一味違うなーなんて思ってしまいます。 このCDには、6曲入っていて、エマヌエル・バッハのソルフェジオ・ハ短調。スカルラッティのソナタ・ハ 長調。クープランのクラヴサン曲集から。バッハのトッカータ。モーツァルトの幻想曲・ニ短調。マタイ 受難曲・アリア。中でも、クープランの曲とマタイ受難曲・アリアが気に入りました。これは、24歳の時の 録音とのことですが、若さが眩しいような、実に魅力的なピアノです。