年に数回は地元埼玉の山を歩いてみたいと思っている。
奥秩父となると石楠花の季節が素晴らしいのだが、
その時期は山スキーもピークの時期で
なかなか秩父の山には足が向かない。
盛夏は暑くて、そのうえ虫が多いので嫌だし。
そういうわけで、地元の山はほとんど秋が
私の定番となってしまった。
2007年は南天山〜滝谷山〜帳付山周回、2008年はヒルメシ尾根から
和名倉山(白石山)と、自分としては意欲的な山歩きをしてきたが、今年は
以前から興味があった古(いにしえ)の
「甲州往還(秩父往還)」と雁坂峠(かりさかとうげ)から黒岩尾根を
現国道140号の豆焼橋まで歩いてみることにした。
あくまでも埼玉にこだわっている私としては、いずれ秩父基点で県境の稜線を縦走したいと
思っている。その為の偵察という意味合いもある。
国道140号線(秩父市−山梨市)は、1998年に雁坂トンネルが開通するまで
「開かずの国道」と呼ばれ、現黒岩尾根道の一部が国道として記載されていたという
いわくつきの道路である。残念ながら私は、その頃の雁坂峠を歩いてはいないだが。
日帰りで周回するため、今回は自転車を持ち込んだ。
朝、正丸峠(しょうまるとうげ)を越えて、秩父市大滝を目指す。
5時半に豆焼橋手前の「出会いの丘」へ到着。車をここの広い駐車場にデポし、
自転車に跨り黒文字橋の登山口へ向かう。
下り一辺倒なのでひとこぎもすることなく黒文字橋に到着した。
6時05分、自転車を公衆トイレ裏にデポし、ゲートを越えて林道を歩き始める。
本来の登山口は、もっと川又寄りあるが、車で周回するには
こちらの方がすこぶる効率が良いのだ。

登山口(黒文字橋)、秩父市は右方向。
しばらくは簡易舗装された林道を歩くが、朽ち果てた標識のところで林道を左に見送り
スギ林をジグザグに登り始める。とても歩きやすい道で、落ち葉をラッセルして進む。
正確なことは知らないが、この一帯は東大の演習林だそうだ。
6時38分、小屋と百葉箱の脇を通過。
7時、雁道場(がんどうば)で川又からの道と合流。
ここから稜線沿いに突出峠(つんだしとうげ)へ向かう。
先日歩いた、白泰山(はくたいさん)とのぞき岩が見える。
7時50分、標高1,500m突出峠着
突出峠には標識やら説明板などにぎやかだ。カラマツのほかブナの巨木が点在する。
地形的には「峠」ではないのだが、どうやら秩父の人たちは、
登りが一段落した処を「峠」と称しているようだ。
8時20分、コメツガに囲まれた樺避難小屋(かばひなんごや)に到着。

樺避難小屋
入川渓谷にある柳避難小屋と全く同じ構造の小屋だ。違うのは薪ストーブがあること。
内部はとてもきれいだった。
水場を確認する為、小屋を背にして右側の沢を下る。踏み跡は判然としないが、5分ほど下ると
細いながら水は流れていた。水を汲むにはコップを持参した方が良いだろう。
水場も確認したので、2,018mのピークを巻いて地蔵岩へ向かう。
地形図では標高で300mほどの登りになるが、それほどの急登ではなかった。
途中、和名倉山が見えたり、アセビの街道があったり、「だるま坂」なる看板が出てきて
あきないが、それらを過ぎると9時25分、地蔵岩の分岐に到着した。
地蔵岩にかけ登ってみると、甲武信ヶ岳が見えた。
この辺りは春になるとシャクナゲがきれいだなと思う。

途中、和名倉山が見えた。

地蔵岩から見る甲武信ヶ岳
地蔵岩から雁坂小屋まではほとんど水平道になる。
豆焼沢の手前から黒岩尾根に立つ雁坂小屋が見え隠れするが
豆焼沢を大きく巻くので、結構時間がかかる。

雁坂小屋
10時25分、豆焼沢通過。
水が豊富に流れており、上部から小屋へ黒い水ホースが伸びている。
10時30分、遂に雁坂小屋到着。管理人は不在だったが中を覗かせてもらう。
人の匂いがぷんぷんの小屋内。泊るには快適そうだ。

雁坂小屋の内部、冬季はここが解放されるようだ。
峠へ直登せずいったん水晶山の方へ向かい、稜線に乗ってから峠へ向かうルートを採った。
11時14分、コメツガの疎林にチシマザサが林床を埋め尽くす明るい雰囲気の雁坂峠に
到着した。「三大峠」とか「雁坂峠の説明」「峠周辺の植生」とか看板の類がウルサイ峠だ。
看板の内容は他のサイトで紹介されているので省略。

雁坂峠から雁坂嶺方向を見る
雁坂峠でコンロを出して昼食していると、3組ほどのグループが
雁坂嶺の方から降りてきた。みなさん、山梨側から登ってきたようだ。
峠から富士山が見えるが、今日は高曇りできれいとは云い難い。
昼食後雁坂小屋へ直接下り、そこから黒岩尾根へ向かった。
雁坂トンネルが1998年に開通するまでは、このルートが国道として記載されていたというから
驚きだ。このルートに入るとすぐ道をふさぐようにある建物が建っている。
ネット上では「便所国道」とかまびすしい。興味がある方はネット検索をどうぞ。
このルートは概して広く、歩きやすい道だが、出だしに数ケ所立派な桟道がある。
桟道がないとかなり危険な道だが、頑丈そうな桟道のおかげですんなり通過できる。
おかげで「黒岩」といわれるビュー・ポイントを見過ごしてしまった。
このルートの楽しみとして、私のこだわりの山、和名倉山(白石山2,036m)を真横からしげしげと
観察してみたかったが、終始樹林にはばまれすっきりとは見えなかった。
和名倉山と並んで唐松尾山(2,109m)が存在感を示していた。
おおむね長い水平移動が続き、なかなか高度が下がらないのだが、
あせみ峠(豆焼橋まで3.3km)からは、急激に高度を下げ始めた。
豆焼橋まで1.8kmの標識がある地点は、登りの時は要注意である。
下の写真のように分岐で、水平路と斜め上へ向かう路がある。
右の斜め上方が正解である。

要注意な分岐
14時14分、鼻歌交じりで歩いていると突然広い林道に出た。ここが豆焼橋側登山口である。
豆焼橋まで1.5kmの標識が立っている。逆に雁坂峠までは6.7kmである。
ここで雁道場以来私を支えてくれた杖を奉納し合掌。見ると他にもたくさん
同じような用済みの棒がブロックに立てかけてある(下の写真)。
私のはとても使い勝手の良い棒で、折れることもなく最後まで重宝した。
こちらから登られる方、是非お供に加えてあげてください。
私向きなので少し小振りですが。

豆焼橋側登山口の役目を終えた杖達(私のは一番右)
14時35分、国道140号に架かる豆焼橋に出る
歩いて対岸にある「出会いの丘」駐車場へ向かう

トンネル入口左に登山道へ通じる林道がある。先が雁坂トンネル。
駐車場で着替え、自転車を回収に黒文字橋へ向かう。
無事自転車を回収し、午後6時に帰宅した。
総括すると、今回も含めてかなり地元埼玉の最深部について状況を知ることができた。
残っているのは中津川林道からの三国峠を絡めた長野県境だけである。
いずれ、偵察山行きを敢行したいと思っている。
(完)
【タイム】
05:55 出会いの丘(P)発
06:05 黒文字橋登山口発
07:00 岩道場(雁道場)
07:43 突出峠
08:20 樺避難小屋→水場往復→発08:40
09:25 地蔵岩分岐→地蔵岩→発09:42
10:25 豆焼沢
10:30 雁坂小屋→発10:47
11:14 雁坂峠→発11:50
11:56 雁坂小屋
12:59 ふくろ久保
13:30 火打石尾根
13:43 あせみ峠
14:14 林道終点(登山口)
14:35 豆焼橋
14:45 出会いの丘(P)着
総行動時間: 8時間50分
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