詳しい経緯(いきさつ)は、いつか別コーナーで詳しく報告しようと思いますが、今日はある用事があって楽美術館へ行ってきました。前にも一度、お茶の先生に招待状を頂いて展示会を見に行ったことがあって、これが2度目の訪問でした。今回は2階でお茶碗を焼くときに使われる鞴(ふいご)が展示されていました。
1階に展示されているお茶碗を眺めて2階へ行くと、その鞴が正面にありました。展示物には珍しく、「お手を触れてみて下さい」とあるので、何をどう触ればいいのだろうとあちこちから眺めていると、60・70代くらいのおじいさんに声を掛けられました。
「私がここを押しますから、そこに手を当てて見てください」。言われるままに手を当てて、おじいさんが鞴の横に付いている取っ手付の棒を押したり引いたりすると、私が手を当てている所から風が吹き出てきました。これを繰り返して、お茶碗を焼く窯の中に空気を送って、窯の温度を上げるということでした。
ウロウロしていると、館内アナウンスでビデオを上映するということだったので、1階へ降りてビデオを見ていました。楽焼きが作られる過程を紹介したもので、知らないことばかりだったので見入っていると、ちょうど私の横にあった入り口のドアが開いて、人が入ってきました。
何気なしに目を遣ったものの、何気なかったのでどんな人が入ってきたかまでは確認せずに画面に目を戻しました。すると隣で声がしたんです。「歩美さん!」
びっくりして見ると、なんとお茶の先生でした。みんな静かにビデオ鑑賞しているというのに、驚きのあまりガタンと音を立てて立ち上がって、「先生!」と叫んでしまいました。さすがに先生は状況がよくおわかりのようで、「どうぞごゆっくり、上を見てきます」と言って行かれました。
ビデオが終わってから上へ行くと、先生はさっき私が鞴を教えてもらったおじいさんに捕まって、展示されているお茶碗について色々と講釈を聞いているようでした。挨拶をすると「こんないいお茶碗を見てしまったら、うちにあるお茶碗なんて恥ずかしくて出せませんね」とご謙遜。申し訳ないことに、どれも同じに見えてしまう弟子でした。
次の日のお茶のお稽古で私が鞴の話をすると、先生も使い方がわからず触らなかったそうで、「普段は『触らないで下さい』と書いてあるのに、『触ってみてください』なんて言われても困りますね」と笑い話になりました。
思いがけないところで知っている人に会ったりすると、なんだか「ただならぬ縁」を感じてしまう単純な私です。
※「趣味の話」を更新しました。料理ネタだけどね。