| 市比売神社(いちひめじんじゃ) |
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京都新聞を読んでいたら、最近「京都駅周辺ぶらり探検マップ」というのが作られて、
京都駅の観光案内所などで配布しているということだったので、
新しいもの好きの私としては放ってはおけず早速もらいに行ってきました。
なかなか見やすくきれいなマップで、表は地図、裏は写真付きでおすすめルートが5つ紹介されています。
「ぶらり」というだけあって駅から歩いていけるところがほとんどなので、
学生時代からこの辺を徘徊している私としては「知らないところはないはず」と自信満々だったのですが、
地図を広げてみると目からウロコの未知の世界が広がっていたわけです。
というかこの地図、駅前に限って作られただけあってかなりマニアックだと思うんですけどね。
そんなわけで行ってみることにしたのがこの「市比売(いちひめ)神社」でした。
写真に載っていた「姫みくじ」というおみくじがあんまり可愛かったから。
◆ ◆ ◆ ◆
「市比売」の名前の由来は、平安時代にこの神社の境内が平安京唯一の官営市場だったからだそうで、
市場、商売の守護神として現在でも京都の丹波口にある「中央卸売市場」をはじめ、
全国に「市姫神社」の分社があるそうです。だから名前を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
市比売神社は以前紹介し損ねた東本願寺の別邸「渉成園(しょうせいえん)」の裏手にあり、
辺り一帯は一般公開されていない小さなお寺がひしめいています。
5・6歩東に歩けば河原町通りだというのに、静かな住宅街に観光客の姿はありませんでした。
注意深く見ていたからこそ「市比売神社」の看板を見つけましたが、矢印をたどってビックリ!
神社はなんとマンションの1階にあったのです。
初めて目にする奇妙な光景に、お参りをする前から写真撮影開始。
あちこちからアングルを変えて写真を撮っていると、
向こうから来た散歩中らしいおばあさんが足をとめて言いました。
「お水お飲みやす。」
マップにも書いてありましたが、この神社には「天の真名井(あめのまない)」という井戸があって、
そこの水は京都七名水のひとつに数えられているということで、
おばあさんはカメラ片手の私を観光客と見て、そのお水のことを教えてくれているようなのでした。
先に写真を撮ってから頂こうと思っていたのですが、おばあさんは何度も「お水お飲みやす」を繰り返し、
私が中に入るのを見届けるまでは散歩の続きができない様子。
写真はまた後で撮ることにして、お参りすることにしました。
◆ ◆ ◆ ◆
マンションの1階が社務所になっていて、
そのまま南へ通り抜けると外に鳥居があって、奥に井戸があります。
神社は普通南向きに建てられているので、北から入るなんてヘンだなと思っていると説明書きがあり、
平安時代から井戸のお水が皇族の産湯として使われたことから皇室とは深いご縁があり、
皇室守護の意味で御所のある北の方を向いているということでした。
また、女神ばかりが奉られていることから「女人守護」の神社でもあり、
女性の厄除けや子授け、安産にご利益があるらしく、今でも皇后に御守りを献上しているとのことです。
そんな説明を読んでいる間にも、ポリタンクを持ったおじさん、おばさんが自転車でやってきては井戸へ向かい、
カメラを持った私を珍しそうに眺めながら水を汲んで帰っていきました。
遅れ馳せながらいよいよ私も井戸へと向かい、置いてあった柄杓でお水をいただきました。
おいしい。クセのないサラリとしたおいしいお水でした。
学生時代に、やっぱり名水で有名な伏見の御香宮(ごこうのみや)神社へ行ったとき、
まるでワインか何かのように「ここの水はカタいな」と言った人がいて、特に感想もなく普通においしく頂いた私は
「水にカタイとか柔らかいとかあるんだろうか」と密かにその人を疑ったものでしたが、
いろいろ飲んでみるとやっぱり其処此処で水の質が違うものなのです。
人が来ないのをいいことに、2回、3回とゴクゴク飲んでしまいました。
◆ ◆ ◆ ◆
それから社務所に戻って、来る前から気になっていた「姫みくじ」を頂きました。
普通のおみくじならぱっと開いて結果が分かりますが、
赤いダルマさんの形をした張子のなかに、細く丸められたおみくじが入っている「姫みくじ」は、
取り出すまでにドキドキが倍増していきます。
そしてやっと開いた瞬間、目の前が真っ暗になりました。「四十九番」。
見た目にも縁起の悪いその数字は、しかも少し前に長野県の諏訪大社で引いた「凶」のおみくじと同じ番号でした。
「あああっ!やっぱり今年は「凶」なのか・・・。」と重い気分で続きを開くと、そこには意外にも「吉」の文字が!!
去年は引けば必ず「大吉」だった私ですが、さすがに「凶」のあとの「吉」には満足しました。
◆ ◆ ◆ ◆
おみくじを頂いたあと、社務所の方に「上がマンションというのは変わってますね」と余計なお世話を言ってみると、
「全国に信者さんがいて、進学なんかでお嬢さんを京都に出すときに心配だというので、
数年前に女性専用のマンションにして、ここでお預かりすることにしたんですよ。」とのことでした。
ナルホド、ナルホド。知らない大家さんのマンションでのほほんとお預かりされているお嬢さんもいるというのにね。
マンションの前に停められた自転車には「市比売神社」のステッカーが貼ってありました。なんかカッコイイ。
その社務所の方も、観光客風ミーハーの私が真っ先にお水をいただきに行ったとは思いもしなかったらしく、
「どうぞお水飲んで行って下さい。有名な御水でね・・・、」と説明をして下さり、
先のおばあさんと同じく私が飲みに行くのを見届けるまでは奥に入れないという感じだったので、
「もう頂きました」といい損ねた私は、お礼を言ってまたまたお水をいただいたのでした。
おかげで帰るときにはおなかがチャポンチャポン。今度は私もペットボトル持参で来ようと思いました。
京都駅から近いので、京都に何度も来ている方はもちろん、京都に住んでいる方も、
「姫みくじ」と「天の真名井」を目当てに一度行ってみてください。
その辺をウロウロしていると、おばあさんにお水をすすめられるかも?!