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自省挑戦    

 10月1日は大抵の会社が半期の変わり目に当たる。以前にも同様なことを書いたが、9月30日が来ると上半期が終わったという安堵感と、どうであったかという回想と反省の念が湧いて来る。そして、日が明けて10月1日を迎えると、上期のことは一瞬の内に過去の帳(とばり)の中に仕舞って、新たに下期に対する挑戦心がむくむくと湧いて来る。しがないビジネスマンの業であると言ってしまえばそれまでだが、本来、人間が持っている最も人間らしい向上心と挑戦心の顕われだと思えば、また新鮮な活力の喜びでもある。

 回想と反省の中には悔悟の情念も無いことはないが、これから更に長い人生を歩むことを思えば、済んだ事は詮無き事と割り切って明日からの事を考える方が余程生き甲斐もあろうというものである。所詮、人生とは挑戦失敗との繰り返しで、挑戦することで新しいことを経験し学び、そして失敗しても悩み苦しむという過程を経ながら、それを乗り越えることによって新しい知識と対策を学ぶ。そうすることによって、新たな自信を得て新たなる挑戦心を湧き上がらせて来た。

 中には失敗に打ち拉(ひし)がれて自分自身に自信を失う人もいないではないが、彼らに共通する原因は自らを悩み苦しむという過程の中に置くことから逃避し挑戦という意欲を失っていることが大いに関係している。むしろ、失敗を得難い経験であることと得難い勉強の機会を授けられた試練であると前向きに考えた方がよい。

 そうすれば人間というものは、何事に対しても真剣に思索し行動するように変わる。パスカルの「人間は考える葦である」という有名な言葉があるように、か弱い人間も「考える」という能力によって強くもなれるのである。人間は、失敗という経験の中で学び、発想し、そして再度、検証し試してみようと立ち上がって大きく成長し、自らと社会を発展させて来たことを忘れてはならない。

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