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代 議 士
郵政民営化に反対した自民党造反議員の復党問題が、11月27日、中川秀直幹事長宛に復党願いと誓約書提出という形でほぼ決着を見そうである。誓約書を提出しなかった平沼赳夫氏だけは復党は認められないようであるが、野田聖子氏外10名は目出度く?復帰になる。記者会見で、平沼氏は自分の事を「代議士である私としては・・・」と表現していたが、久し振りに聞いた「代議士」という言葉が新鮮に響いた。
メディアにおいてはいつの頃からか、代議士という言葉に代わって衆議院議員という言葉を使っているようである。代議士という分かりやすい名称を何故使わないのだろか?そもそも衆議院議員は選挙区の国民の意見を代弁して議論する役割であるところから「代議士」と呼ばれて来た。代議士とはその言葉通り、「他人に代わって議する人」あるいは「国民を代表して政治を議する人」という意味である。これに対し、参議院は良識の府(近年は大分怪しくなって来ているが・・・)と称されるように、参議院議員は地域事情に左右されることなく、より専門的な識見・立場から個人の良識で判断し議論するということが期待されている。そういう理由から「代議士」とは呼ばれない。
では、代議とは「誰」に代わって議するのか。「誰」とは、言わずと知れたその地区の住民で、住民の声を代弁し議論する役目を負っているのである。代議制度とは、「議会を設け、国民を代表する議員が政治を行う制度」、即ち個々の議員が独自の意見を述べ議論する制度である。政党とは、「共通の原理・政策をもち、一定の政治理念実現のために、政治権力への参与を目的に結ばれた団体」、即ち原理・理念の基に政策を実現する団体である。従って、政党は政策実現のためには内部で大いに議論がなくてはならない。これが民主議会政治の大原則であることを銘記していただきたい。
一法案を巡って政党内で議論が分かれることぐらいは当たり前のことであって、民主的政党ならば、むしろ議論を期待されている「代議士」が議論をすることは大いに歓迎しなければならない。にもかかわらず、郵政民営化法案のような一法案に反対する代議士は離党させるというやり方は、代表民主制の典型である議会制民主主義を否定するものであり、自民党らしからぬもっての外のことであると言わざるを得ない。
従って、一法案に賛成か否かで党員資格を云々するというのは、政党としての是非を問われる重大な問題と言っても過言でない。今の自民党はこのことを全く自覚していないように見える。一法案に賛成か否かを問うのであれば、国民投票によって問われるのが筋であろう(郵政民営化は否決)。にもかかわらず、郵政民営化法案に賛成したものだけを党員と認定した小泉政権は重大な誤りを犯していることになる。
更に、それによって突然誕生した「小泉チルドレン」は果たして「代議士」と呼べるのだろうか?「誰」の意見を代弁するのかが見えない。極論すれば、本当に代議士の資格があるのか、という疑念さえまとわりつく。最近の自民党の動きを見ると、政党政治には言われた通りに挙手する衆議院議員が重宝なだけで、意見を言う「代議士」は何かと運営に困るのだろう、と穿(うが)った見方をせざるを得ない。それとも、小選挙区制度になって「代議士」は要らなくなったのだろうか?それで、真の民意は伝わるのか、疑問である。
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