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宮澤喜一氏の逝去に思う  

 6月28日宮澤喜一元総理大臣が亡くなった。87歳という天寿を全うされての逝去で致し方ないが、憲法改正を前に亡くなられたのは惜しまれる。宮澤喜一氏は目に見える派手な功績こそ無いが、中庸で高い見識は戦後の政治家の中でも名宰相の賞賛に値するだろう。三木武夫、福田赳夫、大平正芳、宮澤喜一と続いたリベラルなハト派総理大臣に共通するのは「日本と日本国民のための政治」を司る謙虚な人間性と私利私欲とは無関係な大人的な古武士の風格である。

 しかし最近の政界は、一見、荒武者のように居丈高な風体の政治家や、目先の利に敏(さと)い商人のような政治家ばかりがのさばっている。彼らは、何かと言えば「粛々と…」とか「真摯に…」とか「国民のために…」といった言葉を頻繁に口にする割には、その口調や態度からは微塵の謙虚さも伝わって来ず、ただ傲慢不遜さだけが目に付く。残念ながら、真の政治家に必要な高い見識も、国民の声に耳を傾ける真摯な謙虚さも、正義と安全に対する毅然とした使命感も見出すことは出来ない。

 小泉総理が郵政民営化の賛否だけで自民党を分断した後、最近の自民党議員は発言にまで党議拘束が掛かっているのかと見紛うばかりの有様で、自分自身の正体(主義・心情・信念・生き様等)を余り表わさない議員ばかりになった。その中で時折り、自分の考えをあからさまにしている議員がいるかと思えば、彼らは大抵タカ派議員である。概してリベラルなハト派と思われる議員ほど歯切れが悪い。自論を堂々と展開できない国会議員など国会議員たる資格がないのではないか。昔の自民党には揺るがぬ信念と使命感に支えられて悠然と振る舞い毅然と立ち向かう古武士のような魅力的人材が溢れ、堂々と正論を発言し、敢然と過ちを諫(いさ)めたものである。この流れを継ぐ議員が早く現れることを期待している。それは誰だろうか?

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