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速いものだ。あっと言う間に2007年の師走を迎えた。思えばこの一年、年初から年末まで日本のあちこちで偽詐事件が勃発し明け暮れた。まるで、日本欺瞞(ぎまん)列島そのものである。そして、その度に、人間の薄汚く醜い一面ばかりを嫌と言うほど見せ付けられた。昔の日本人には「恥を知る」という心があったが、最近の恥知らず振りには呆れるばかりである。「我利」ばかりを追い求め、それを許容したように見える社会的価値観の変化が、日本人の心に占める「恥を知る」部分を狭くしてしまったのかも知れない。ある意味ではそれ以上に、日本人が如何に「人を疑わない人種」であるかを証明しているとも言える。
美辞麗句という嘘で塗り固めて作り上げたブランドを餌に暴利を貪る企業と経営者、材料を偽り期限を欺き鮮度を騙る食品や菓子の企業と経営者、人の生命や財産を保障せず利益を貪ろうとする生保・損保企業と経営者、日雇い派遣労働者から違法に搾取する派遣会社の経営者、悪事を従業員の所為にして責任逃れに走る経営者、公私の区別を付けようとしない経営者、殺人自動車や殺人エレベーターや殺人ガス湯沸かし器等を作りながら白を切り続ける企業と経営者、贈賄に明け暮れる利権企業と経営者、賄賂に手を出す官僚、利権に群がり「口利き」料を要求する政治家、政治資金を私腹を肥やすために利用する政治家、不透明政治資金を説明しようとしない政治家、不正請求で私腹を肥やす医療法人と理事長や不良医師、甘言を弄し無知なる人々を騙す詐欺企業と詐欺師、性犯罪を繰り返す大学教授、殺人を犯しながら白を切り続ける親方、銃器を取り上げる法律を作らない政治家、麻薬を切れない芸能人、正義の仮面を被って悪に手を貸す弁護士、…。
世の中には挙げ切れないほどの様々な醜い事件が起きている。これらはいずれも欲望に負けた、虚しい「偽、詐、怨、恨、淫、脅、横、嘘、飾、驕、傲、慢、虐、妄、疑、欺」の姿である。これらの、人間として最も恥ずべき情動は、多かれ少なかれ、人間に普遍的に備わっているもので、往々にして一瞬にして「喜び」と感じる危険を人間の心は孕(はら)んでいる。いわゆる、「サディズム(他虐趣味)」や「マゾヒズム(自虐趣味)」の存在である。それらを切り替わらせる鍵は様々な「欲望」そのものと言え、それは支配欲であったり、権勢欲であったり、物質欲であったり、性的欲であったり、幻想であったり、差別欲であったりする。
ごく普通の人たちはこれらの欲望を抑えることで、これらをコントロールしている。ところが、知性も理性も正義心も奉仕精神も持ち合わせているように見える、一見立派な人たちの中に抑制の利かない者や、あるいは意識してそういう見せ掛けの行動を採っている者がいる。インチキを知恵に見せ掛けて尊敬と高名を手に入れようとする悪人どもの姿である。
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