∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 以久遠氏の Beauty,Business & Favorites 巻頭 <118号>VOL. '0810/ 2008.10.01号 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
麻生政権が誕生した。世襲議員とタカ派議員で固めた内閣に「期待できるのか?」という一抹の不安を感じるが、麻生総理は日本を何処へ導こうとしているのだろうか?29日の所信表明演説を聞いていて、もうひとつハッキリしなかった。それでも、所信表明で「官僚は敵ではない」と述べた後、麻生総理は9月30日事務次官会議において「麻生四訓」なるものを指示したらしい。
1.スピーディーを旨とせよ 2.悪い情報ほど直ぐ上げよ 3.省益を捨て国益に徹せよ 4.「これは自分の仕事ではない」と決して言ってはいけない。むしろ、自分で仕事を探せ
この麻生氏の言葉は、企業経営者としての言葉でもあるのだろうと思うが、20年ほど前、中曽根内閣の官房長官であった後藤田正晴氏が内閣五室制度(内閣内政審議室長・内閣外政審議室長・内閣安全保障室長・内閣情報調査室長・内閣広報官室長)発足式典で五室長らに行なった、所謂「後藤田五訓」と呼ばれる訓示に正に瓜二つである。その言葉とは、
1.省益を忘れ、国益を想え。(出身省庁の省益を図るな、省益を図ったものは即刻更迭する。) 2.(私が聞きたくもないような)悪い本当の事実を報告せよ。 3.勇気を以て意見具申せよ。(「こういうことが起きましたが、どうしましょう」などと言うな。「私が総理なら、官房長官ならこうします」と対策を進言せよ。) 4.自分の仕事でないと言う勿れ。(「オレの仕事だ」と領海侵犯をし合って、お互いをカバーせよ。) 5.決定が下ったら従い、命令は実行せよ。(大いに意見は言え。しかし、一旦決定が下ったら、とやかく言わず、今直ぐやれ。)
後に、内閣安全室長であった佐々淳行氏が『わが上司 後藤田正晴』の中で紹介したことによって有名になったが、流石は「カミソリ後藤田」と呼ばれていただけのことはあって、官僚の悪い面を見事に指摘し行動を指示している。それでも、佐々氏自身が自ら喋っているように日頃は「五訓」のことは忘れていたらしい。
官僚の保守保身性の原点を見るような思いがするが、最近の若手国会議員を見ていると、このようなひ弱なタイプの人間が増えて来ているように思う。戦後の成長期は、官僚にも、国会議員にも、企業経営者にも、野人のような逞しさを持っている者が大勢いて、彼らが日本や企業を繁栄に引っ張って来た。使命感というのは野人にしか宿らないのかも知れない。
しかし、野人というのは時代の寵児であって、後藤田氏は正に野人であったが、成熟社会を迎えた今は昔のような使命感に溢れた野人が育ち難いのかも知れない。しかし、育ちが良いだけに果たしてどうだろうかという不安感もあるが、麻生氏にも野人の香りがする。小泉総理も、安倍総理も、福田総理も、誰一人官僚向けに行動規範の訓示をした人がいなかったことから思うと、麻生総理には宰相としての野人的使命感があるように感じている。
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