∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 以久遠氏の Beauty,Business & Favorites 巻頭 <123号>VOL. '0903/ 2009.03.01号 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

独りではなかなか上手く行かないことも、二人で力を合わせてやったら思い掛けなくもスムーズに苦労なく上手く行った、という経験をお持ちの人は多い筈である。一人より二人の力、毛利元就の「三本の矢」のような話だが、単に誰かと組めばよいということではない。「組む」ということは概して「役回りの分担」を意味し、「力を合わせる」こととは若干意を異にする。
「力を合わせる」ということは「一致協力する」ということで、相互に全力投球で信頼しながら対等に相談を重ねて達成感を共有するという意味である。このことを中国古典の易経は「二人が心を同じうすれば、その利、金をも断つ。心を同じうする者の言は、その臭(かお)り、蘭の如し(二人同心 其利断金 同心之言 其臭如蘭)」と書いている。
この意味は、「二人の人間が心を合わせて一致協力すれば、硬い金属をも断ち切る程の力を発揮する。そして、心を合わせ一致団結している二人が放つ言葉は、蘭の花が周りに香るように周りの人達に強い影響を与える」となる。独りより、心と志を同じくする者(同志)の集合体の方が何倍もの力を発揮し影響を及ぼすことを教えているのである。
日本人は概して、何でも独りで成し遂げようとする傾向があるが、これは「思い込み」というドツボにハマる危険が多く、何に付け相談でき忌憚の無い意見が聞ける信頼できる人を持つことが成功の大きな要因となることを知らねばならない。出来れば、その人が同志として参加して呉れるように働き掛ける積極さも欲しいものである。
言行不一致ほど信用と信頼を失うものはない。権力者であればあるほど、その弊害は具体的な損害として表に現われる。それだけに権力者には「知行合一」哲学が求められる。何事も、やると発信した以上は成し遂げなければならぬ。そのためには、「徳は事業の基なり(徳者事業之基)」というように、同志も「有徳の人」と組まねばならぬ。
しかし、途中で過ちに気付いたら、過ちは速やかに改め正さなければならない。「可を見て進み、難きを知りて退く(見可而進 知難而退)」という見識と果断なる実行力が大切で、「前事(注:体験、経験、歴史上の事実)忘れざるは後事の師(前事之不忘 後事之師)」の謙虚さと「徳は才の主、才は徳の奴なり(徳者才之主 才者徳之奴)」という言葉を噛み締めたい。似た言葉の「徳本財末」という言葉も併せて、才を求め、才に走りたがるは危険の兆候と知るべし。
成就の目的が「良からぬ事」であるとき「徒党」と言い、「良い事」であるとき「同志」と言う。概して、善人や才人ほど徒党を組むことを厭い、悪人ほど徒党を組みたがる。徒党集団は、表面的にはそう見えなくとも、始めから「同じて和せず」の集団であるが、同志は相互に「和して同ぜず」の関係を維持する。ちなみに、夫婦の絆の強さを示す言葉として使われる「金蘭の交わり」という言葉は上述の「二人同心…」の言葉から生まれたそうであるが、本来は「男と男の固い友情」について述べた言葉だそうで、私は敢えて「金蘭の力」という言葉に変えた。
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