以久遠氏の Beauty,Business & Favorites   VOL-11 [1999.7.1号 毎月1日頃発行]

 

青春とは、

人生の一時期ではなく、心の状態だ。

薔薇色の頬や紅き唇、しなやかな四肢のことでもない。

それは意志の問題であり、想像力の質であり、力強い感動のことなのだ。

それは深い人生の春の新鮮さなのだ。

 青春とは、

勇気が臆病を凌駕(りょうが)し、冒険への意欲が安易な愛を凌駕する時だ。

こういう気質は、しばしば二十歳の青年よりも、

六十歳の男に顕著に現われる。

人は単に歳の数だけ老ける訳ではない。理想が枯渇する時、人は老いる。

 歳月は皮膚に皺(しわ)をつくるかもしれないが、

熱中を断念すると、魂に皺が寄る。

 この詩は、ドイツ生まれのユダヤ人で、「幻の詩人」と呼ばれているサミュエル・ウルマンの、「人は歳と共に老いるのではない。理想を失った時老いる」という言葉で有名な「青年」という詩である。人は、「冒険への意欲」と「熱中する心」と「感動する心」と「理想を追求する心」が弱まったとき老いるというのはまさに至言である。

 ビジネス界で、詩が持て囃(はや)されるということは極めて稀である。というより過去においても殆ど例がないのではないだろうか。この詩ほど利害得失に明け暮れるビジネスマンの心の琴線を揺り動かした言葉はないだろう。仕事人間への警鐘でもあり、目的や使命感を失った人への伝道の言葉でもある。

 この詩は、ダグラス・マッカーサー元帥が座右の銘としたものらしく、占領時に初めてわが国に紹介されたと言われているが、経営の神様、松下幸之助氏も座右の銘としていたそうだから、松下政経塾の教師や経営コンサルタント達が津々浦々の講演会で紹介したことによってビジネス界に広まったのだろう。

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