以久遠氏 Beauty,Business & Favorites   ビジネス(3)   VOL. 29/ 2001.4.1号
---トップセールスマンに学ぶ---

普段の付き合い 

 再び「日本のトップセールスマンに聞く」からの分析データを紹介しよう。トップセールスマンと言われている人たちは、顧客と普段どんな付き合い方をしているのだろうか。

 顧客との普段の付き合い方については、トップセールスマンの全員が「定期訪問」を挙げている。「営業とは訪問なり」といわれるように、人間関係は Face to Face から始まる。人は誰でも、しょっちゅう顔を出してくれる人に対しては、徐々に情がほだされて行くものである。逆に言えば、訪問なくして営業はあり得ない、という訳である。

 定期訪問とは、しょっちゅう顔を出すということではない。週に一度の訪問もあれば、月に一度の訪問もある。あまり間隙を空けることはお勧めできないが、三月や半年に一度という訪問もあるかもしれない。人間というのは習慣化しやすい動物であるので、要は「もう、そろそろ彼が来る頃だな」というようにお客さんの頭に浮かぶようになれば立派なことである。従って営業マンは、どういう言動をとれば、そういう印象をお客さんに植え付けることが出来るかということを考えて行動しなければならない。

 訪問が全て商談になるとは限らないが、定期訪問をする際に重要なことは、必ずお客さんが喜ぶ「お役立ち情報」を最低ひとつは携えて行くということである。必ずしも仕事に関するものに限定する必要はない。趣味の情報でも何でもよい。情報のサービスだけでも、営業マンの存在感を意識させる効果がある。

 これは「言うは易く行なうは難し」でなかなか難しい。お客さんが、今、何を知りたがっているのかが分からなければ出来ない。そのためには相手の情報も的確に掴んでおかなければならないし、多方面の情報通にならなければならない。これが出来るようになれば一人前である。そのためには、業界の知識や情報ばかりでなく、幅広い話題に対応できるように情報武装をしておく必要がある。ただ訪問さえしていればよいという訳ではないのである。お喋りだけの訪問ばかりだと、忙しいお客さんであればあるほど、終いには「邪魔な奴が来た」と嫌がられるようになる。お客さんの頭の中では、招かれざる客の方に仕分けされてしまうのである。

 定期訪問の次に挙げているのは「筆まめ」と「電話まめ」である。両方とも利用の仕方次第で、定期訪問と同じくらいの効果が期待できる。例えば、訪問した日の翌朝に必ずお礼の電話を入れるのも有効である。お礼であるから、「昨日はお忙しい中、あり難うございました」の一言だけでよい。相手が電話中であれば、「昨日のお礼の電話ですので、その旨、お伝えください」でよい。たったこれだけで、名前は覚えて貰えるし、顔も思い出してもらえる。親しくなる最も手軽な方法である。

 訪問お礼の葉書を出す人も、結構、増えて来た。葉書や封書には「自分は特別な人」という印象を相手に抱かせる効果がある。最近は逆に、「わざわざお出でいただき、ありがとうございました」という逆お礼状さえある時代である。営業鞄の中にいつも葉書を用意していて、まめに出すのである。電話は相互コミュニケーションであるが、葉書は一方通行であるので、逆にそれを利用して電話では言えないようなことを書き足すのである。これは、出張の途上や忙しくて電話をかける時間がない人に有効な方法である。


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