以久遠氏の Beauty, Business & Favorites VOL. 35 2001.10.15号 【毎月15日更新 since 1998.12.15】

達成欲、征服欲、財産欲、独占欲など人間には沢山の欲望がある。人間は欲望を持っているために成長し続けるとも言えるが、この欲とは一体何だろうか?しばしば、上司が部下に向かって「達成欲を持て」と言うのを耳にする。ビジネスの世界でこの言葉は至極当たり前な言葉で、一見まともな言葉に聞こえる。しかし、なかなか部下は上司の思うようには動いてくれない。何故だろうか?
そもそも、欲とは、個人が自らの目的を達成するために自発的に発する積極的な意識である。言い換えれば、自らの目的と意識したときにはじめて自発的な積極的意識が欲となって湧出するということである。従って、他人の目的を達成するために自発的に意識が発することは極めて難しい。他人の目的を達成するためには、その目的が自らの目的に置換されることが必要となる。いわゆる、共感もしくは目的の共有ということが必要になる訳である。
従って、「達成欲を持て」という言葉が、冷静に考えれば、上司は自らの目的を達成するために他人に自発的な意識の強要をしていることに外ならないことに気が付かなければならない。また、欲が己の利益に走るとき、正しい判断が出来なくなる。いわゆる「欲呆け」である。欲呆けは他人の心を白けさせるだけで、共感とは程遠いことを知らねばならない。
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