以久遠氏の Beauty,Business & Favorites      ビジネス      VOL. 40 / 2002.03.15

マーケットシェアを獲る 

 ビジネスにおいて、マーケットシェア(市場占有率)というのは企業に利益を安定的にもたらす大きな要素である。マーケットシェアが高いということは、その商品がユーザーから受け入れられていることの証明であり、見方を変えればユーザーが高い評価を与えているということである。即ち、その商品がプロダクトアウト的に生み出されたものか、マーケットイン的に開発されたものかという開発経緯がどうであれ、結果的にはマーケットインの商品となっていると判断できる。

 企業の販売量が全需要量に対する割合をマーケットシェアと呼んでいるが、全設置台数に対するある企業の商品の占める割合を見るシェア、いわゆる一般的にマーケットシェアと呼ばれているものと、1年間の総需要量に対するある企業の商品の販売量で捉える販売シェアとの二つがある。

 通常的には「シェア率が10%」を境に上位をブランド品、下位をノーブランド品という捉え方をする。これについてはVOL.27でも述べているので参照して頂きたいが、ブランド品とはユーザーに高い評価で認知された商品ということであり、ノーブランド商品とは大多数のユーザーがその存在を未だ知らない商品か評価が低い商品ということである。

 マーケットの規模がどのくらいか、ということも大いに気になるものだが、マーケットの規模は商品の耐用年数、即ち買い替え年数を考慮に入れて推測することになる。その中で「何年間で何%のシェアを押さえるか」によって新商品の開発コストを幾ら掛けられるか、あるいは製造コストを幾らに見るか、という面にも影響する。

 しからば、どうやってマーケットシェアを上げるか、ということになる。特許品などのような新製品の場合は、大抵、その商品のマーケットはこれからのマーケットで徐々にあるいは急激に膨張する成長マーケットであると見てよい。この場合、成長マーケットには1年か2年以内に必ず競合商品が雨後の筍(たけのこ)のように現れるので、強力なPRと販売戦略が重要となる。いわゆる、一番店商法とかNO.1商法と言われるものである。

 しかし、既に同様な商品が市場に流通している場合はそのマーケットは成熟マーケットと見て間違いない。そこへ機能・性能・価格などが画期的である商品を投入することは後発商品としてのブランドハンディを背負って戦うことになる。販売戦略を立てる上でこれが重要な要素となることを念頭に置いておかなければならない。このような成熟マーケットの場合、一気にマーケットシェアを獲ることは不可能で、日常の地道な営業活動の積み重ねが出来るか否かが成否の鍵となる。

 例えば、買い替えサイクルが10年の商品ならば、「年間の買い替え数量の70%を獲る」というような戦略を立てることになる。買い替えの70%を押さえることが並大抵なことでないことは勿論であるが、販売店やユーザーを対象にインセンティブな販促戦略をとユーザーに対する新商品の認知度を深めるPR戦略を営業活動に並行して行うことが肝要となる。これが功を奏すれば、5年間で35%のマーケットシェアを押さえることが出来る訳で、10年経てば70%シェアの商品となる訳である。


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