家庭電気製品からの電磁界に関する情報を紹介 研究概要トップへ戻る
1. ヘアドライヤからの磁界
2. 電気(交流式)シェーバからの電磁波
2A.電気(交流式)シェーバからの電磁波 その2
3. 過去の報告書にみる家電製品からの電磁界漏洩の実態
4. 国民生活センターで受け付けた相談の内容
5. IH調理機からの漏洩磁界の例
5A.IH電磁調理器からの電磁界漏洩がICNIRPの規定を超えていると明記してあるWEBの例
6. 産業労働衛生の観点から見たペースメーカ着用者への電磁調理器からの電磁界の影響
7. 電気毛布の使用と乳がんリスクのLaden研究
8. 電気毛布の使用による乳がんリスクを否定するMcElroy研究
9. 電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係
9A.2007年のAbelらの電気毛布と子宮がんの関係を示唆する研究
9B.電気毛布の電磁波と小児脳腫瘍の関係の症例対照研究 1996年
10.電気温熱ベッドと妊娠 Leeの2000年研究
11.電気温熱ベッドと妊娠 Leeの2002年の研究
12.電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩
13.Hatchの家電製品と小児白血病疫学1998の研究
14.Htachの論文に関連するNIH Release
1998 家電製品
14A.Kauneの2000年の研究 TV受信機からの磁界と白血病
15.2003年 家電成製品からの電磁界報告書
15A.家電製品からの電磁波測定結果 2007年度報告
16.欧米でIH調理器が普及始める?
16A.中国でもIH調理器は普及
17.電子レンジに関するWHOの見解
18.IH電磁調理器も問題?
19.IH調理器の関する工業会のWEBの疑問
20.IH炊飯器は大丈夫?
21.ガス関係会社もIH調理器を製造・販売?
22.Yahooの掲示板にあったIH調理器不採用の事例
23.IH調理器に使用されている20KHzなどの中間周波数磁界の発がん性評価結果
24.床暖房システムからの漏洩
25.IH調理器からの磁界による人体誘導電流の研究
26.IH調理器の磁界のワースト条件は?
27.IH調理器用電磁波防護エプロンの効果?
28.IH調理器の電磁波が怖くて、オール電化をやめて、ガスにすれば、安全か???
29.もうひとつのIH調理器からの磁界による誘導電流の解析
30.今 ひとつ正確ではない ガウス通信81号のIH調理器の記事
31.市民科学研究室からの報告「業務用IHクッキングヒーターからの電磁波 ICNIRPの基準値を超える強さ 」
32.宇都宮大学のIH調理器に関する研究
33.2007年のIH調理器に関する芳賀研究
33A.IH調理器からの電磁界漏洩 スイスの報告
33B.スイスのITIS財団の2007年報告書
34.電球型蛍光灯から高い高周波電界強度が測定、本当?
34A.インバータ蛍光灯照明器具の近傍の電磁界の実測
34B.経産省委託の報告書に見る省エネ電球の電界漏洩
35.北里大学によるテレビの電磁波による花粉症増悪の1994年研究
36.ホテルにあった空気清浄器の磁界
1. ヘアドライヤからの磁界
以下に紹介する引用文献のP49に掲載されていた内容です。
ヘアドライヤは頭部に密着して使用しますので、電磁波(磁界)を気にする人もいるでしょう。
この文献によれば、ドライヤからの磁界によって頭部にどの程度の誘導電流が流れるかを計算した論文が紹介されています。
ドライヤからの磁界は距離で急激に変化がするので、磁界の大きさを測定しても、その結果が頭部にどのように影響を与えるか判定が困難です。 そこで、頭部に誘導する電流を計算した研究が行なわれました。
ドライヤからの磁界は、頭部表面で最大23.5マイクロテスラ(235ミリガウス)とした。 周波数を50HzyとしたときのICNIRPの参考ベルは100マイクロテスラです。 この状態で誘導電流は局所的に、脳表面で0.13mA/m2という値が得られた。
ICNIRPの基本指針によれば、この周波数の磁界に対しては最大2mA/m2であるので、十分に規定を満足しています。
ここから筆者のコメント:
磁界の値で考えると100マイクロテスラに対して局部的に23.5マイクロテスラと、規定の約25%に相当しているが、 誘導電流を計算してみれば規定値の6%程度となる。 機器からの磁界が距離によって急激に変化する場合は、磁界の評価では正確に評価できないことになる。
引用文献; 「電磁界の生体影響に関する現状評価と今後の課題」 :電気学会平成10年発行(入手済み)
この引用文献に紹介されていたドライヤの研究論文:( 原著は未入手)
P. Baraton et al: Magnetically Induced Currents in the Human Body. IEC
Technology Trend Assessment.1995
電気シェーバに関しては、以下の論文がある。
研究者: 中村英樹ら
論文名: 電気シェーバによる体内誘導電流の検討
掲載雑誌: 電子情報通信学会論文誌B−U 1996年12月
概要は:
交流式電気髭剃りの距離ゼロでの磁界は14mT(140ガウス)と大きく、10cm離れた地点でも30μT(300ミリガウス)という報告がある。研究者はこの数字を基に、磁界源が14mTで距離の3乗に逆比例して減衰するという磁界条件を設定して。これによって体内に誘導する電流を計算した。
平板と球を想定したモデルで計算を行なった。 体内の誘導電流は体の誘電率に依存するが、ここでは誘電率を0.5S/mとした。
結果は、最大で平板モデルでは電流密度のピーク値は約0.63μA/cm2(図の表記では0.0063A/m2)、球モデルでは約0.53μA/cm2であり、IRPAの指針の根拠値(1μA/cm2)を超えなかった。
よって、交流式電気シャーバの使用時に明らかな健康障害が発生する恐れはないと推察される、と結論。
そのデータの一部を引用します。

さて、ここからは筆者のコメントです。
ここで論拠として取り上げられている体内誘導電流1μA/cm2 = 10mA/m2という数値は、ICNIRPのガイドラインでは50Hzの磁界に対する職業的な曝露の基準値になっています。
従って、この値を超えなければ「明らかな健康影響」はないといえますが、ICNIRPでは一般公衆に関しては、さらに安全率をみて、2mA/cm2になっています。
そうすると、単純に考えて、一般公衆の規定値を超えている、といえます。
興味のある方は、原著を読んでください。
記:2010−1−15
交流式電気シェーバに関しては、研究の続報がありました。
掲載誌;電子情報通信学会論文誌 B Vol.J85-B No.5 pp.706-714 2002年
タイトル:交流式電気シェーバの磁流源の同定とそれによる頭部内の誘導電流の計算
研究者:上村佳嗣 小島勝哉 山田芳文
あらまし:
日常,我々が使っている電気機器にはかなり大きな磁束密度を生じているものがある。
特に,交流式の電気シェーバの場合,局所的に10mT(100ガウス)を超える。
それらから発生する磁界による人体への誘導電流を評価するには,電気シェーバ内にある磁界の発生源を特定しなければならない。
本研究では,交流式電気シェーバの内部にある磁流源の向きと位置の同定をSPM(Sampled Pattern Matching)法を用いて行った。
その結果,磁流源は一つの磁気ダイポールで近似でき,それは電気シェーバの中心に位置し,使用時の向きは体表と平行に置かれることがわかった。
また,人体頭部を平板モデル,均質球モデル,多層球モデルで模擬し,磁流源から発生する磁界による内部の誘導電流密度を解析的に計算した。
更に,SPFD法,インピーダンス法の計算結果と比較し,相互の妥当性を検証した。
その結果,通常の使用状態ではICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドラインの一般人に対する限界値である2mA/m2を超えないが,ワーストケースでは職業人に対する限界値を超える可能性があることもわかった。
関心のある方は、この論文の全文を入手して読んでください。
3−1.平成3年の電気協会の報告書から
平成3年5月、日本電気協会発行「電気用品の漏洩電波の安全性に関する調査研究報告書」がある。
この報告書は1990年の郵政省(現在総務省)の電波防護指針の発行をうけて、資源エネルギー庁電気用品室が、家電製品からの電波漏洩が電波防護指針に合致しているかを見定めるために行った調査研究結果を纏めたものである。
この報告書の概要を紹介する。
この報告書では、4種類の製品が測定されている。超短波治療器と高周波脱毛器に関しては紹介を割愛する。
電子レンジからの電磁界漏洩は、使用した測定器の測定限界以下となっている。
興味のあるのは電磁調理器のデータである。
電磁調理器に関する調査概要:
*3社5モデルを測定、ともに動作周波数は22KHzで1200Wタイプ
*電磁調理器の外殻から、使用者が立つと予想される25cmのところで測定
(直径5cmの磁界プローブを使用。プローブの中心までの距離)
*直径20cmの鍋を使用した。
*機器から漏洩する22, 44, 66kHz成分を測定した。88 kHzのスペクトラムも測定したが88kHz成分は十分に小さかった。
そして、判定結果として、報告書では
「電界は指針値が最大275V/mであるので、電波防護指針値を十分に満足する。
磁界は、2.8cmの距離であっても電波防護指針値を満足する。」となっている。
確かに、この報告書を見れば、すべての測定値は、電波防護指針に合致している。
しかし、これらの公表されたデータを最近のICNIRPの一般公衆への曝露限度値と比較して見ればBEMSJの目には疑問が発生した。
以下は複数のモデルの測定の中から、最大のものと最小のもののみを取り出した。
表1:測定結果の例1: 25 cmの距離で(通常の使用状態)磁界測定した結果
|
|
測定値: |
報告書 A/m |
|
μTに換算 |
|
||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
実効値 |
|
最大 |
1.870 |
0.344 |
0.151 |
2.349 |
0.432 |
0.190 |
2.396 |
|
最小 |
1.000 |
0.201 |
0.061 |
1.256 |
0.252 |
0.077 |
1.283 |
表2:指針への適合:規定値に対して実測値の割合を計算
|
|
電波防護指針値 μT |
ICNIRP 指針値 |
||||||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
|
規定値 |
91.4 |
62.2 |
41.4 |
|
6.25 |
6.25 |
6.25 |
|
|
最大 |
0.026 |
0.007 |
0.005 |
0.037 |
0.376 |
0.069 |
0.030 |
0.475 |
|
最小 |
0.014 |
0.004 |
0.002 |
0.020 |
0.201 |
0.040 |
0.012 |
0.254 |
注:複数の電磁界(電磁波)に同時に曝露する場合は、それぞれの周波数の基準値に対する割合を求めて、それらの総和が1を越えないことになっている。
表3: 電界 周波数範囲では周波数によらず曝露基準は一定の為に 実効値で測定
|
|
測定値 |
電波防護 |
ICNIEP |
||
|
|
V/m |
指針値 |
割合 |
指針値 |
割合 |
|
最大 |
19.9 |
275 |
0.072 |
87 |
0.229 |
|
最小 |
11.5 |
275 |
0.042 |
87 |
0.132 |
表2と表3の結果では、25cmの位置で通常使用状態でICNIRPの規定に適合している。
22kHz以上の磁界だけを考えればICNIRPには適合している。しかし、この調査で行なっていない商用周波数の電界と磁界も総和に加えると、どうなるか?特に磁界に関しては、空間分布も考慮にいれた詳細な検証と判定が必要となる。
表4:結果の例2:25cmより筐体に近接し、近距離2.8cmまで測定を行っている。
その結果2.8cmでの測定値は
|
|
測定値 |
報告書 A/m |
|
μTに換算 |
||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
|
最大 |
28.6 |
7.14 |
2.89 |
35.922 |
8.968 |
3.630 |
|
最小 |
11.2 |
2.35 |
0.668 |
14.067 |
2.952 |
0.839 |
参考までに10cmの距離(センサの先端と機器の外殻の距離は7.5cm)での22kHz磁界で、最大のモデルでは、8.09マイクロテスラが報告されている。
表5:指針値への適合 :規定値に対して実測値の割合を計算
|
|
電波防護指針値 μT |
ICNIRP 指針値 |
||||||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
|
規定値 |
91.4 |
62.2 |
41.4 |
|
6.25 |
6.25 |
6.25 |
|
|
最大 |
0.393 |
0.144 |
0.088 |
0.625 |
5.747 |
1.435 |
0.581 |
7.763 |
|
最小 |
0.154 |
0.047 |
0.020 |
0.222 |
2.251 |
0.472 |
0.134 |
2.857 |
となり、電波防護指針には適合しているが、22kHz以上の磁界成分だけでICNIRPには適合しなくなっている。機器に2.8cm(機器の外殻とセンサの先端までの距離はわずか0.3cm)まで近接することは、実際上考えなくてもよいのかもしれない。
表6:測定の例3: 鍋の位置をずらし、鍋検出回路が動作直前の位置で測定。
調理器の外殻から20cmの距離で測定
|
|
測定値 |
報告書 A/m |
|
μTに換算 |
||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
|
最大 |
8.41 |
3.03 |
1.27 |
10.563 |
3.806 |
1.595 |
|
最小 |
4.23 |
1.13 |
0.27 |
5.313 |
1.419 |
0.339 |
表7: 指針値への適合: 規定値に対して実測地の割合を計算
|
|
電波防護指針値 μT |
ICNIRP 指針値 |
||||||
|
|
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
22kHz |
44kHz |
66kHz |
磁界総和判定 |
|
規定値 |
91.4 |
62.2 |
41.4 |
|
6.25 |
6.25 |
6.25 |
|
|
最大 |
0.116 |
0.061 |
0.039 |
0.215 |
1.690 |
0.609 |
0.255 |
2.554 |
|
最小 |
0.058 |
0.023 |
0.008 |
0.089 |
0.850 |
0.227 |
0.054 |
1.131 |
電波防護指針には適合している。しかし、20cmの距離で鍋検出器の動作寸前という条件では、高周波の磁界成分だけを考えてもICNIRPには適合しなくなっている。
これらのデータは10年前のものである。 その後の10年間で、電磁調理器から漏洩する電磁界を抜本的に少なくする技術が開発されているかもしれない。
これらのデータにある古いタイプから、最近では、よりパワーがアップし、1.2kWではなく2.4kWのものや、さらに大型のものもある。
動作周波数が22kHzから高くなると、ICNIRPの参考値はさらに厳しくなっている。
機器も小型化により、相対的に人体がより調理器の中の電磁界発信源に近接するようにはなっている可能性もある。厳密な再検証と判定が必要と考える。
3−2.誘導電流の計算
ICNIRPも電波防護指針も、電界強度や磁界強度での規制は、あくまでも参考レベルとしての評価である。これらの測定が可能な電磁界による評価結果が、規定に適合していればそれで「よい」とする。仮に超えたとしても、基本制限に立ち返って誘導電流密度で再評価すればよいことになっている。
ICNIRPの基本制限は、一般公衆の頭部及び体幹(胴体の部分)に誘導される電流密度で規定されている。四肢(手足)には臓器などがないので、対象からはずされている。)
誘導電流密度は 1KHzから100KHzに対して、最大f/500(単位:mA/m2)(fはkHzで表した周波数)となっている。
すなわち10KHzでは 10/500=0.02
mA/m2 22kHzでは0.044mA/m2となる。
誘導電流密度Jは、J=πRfσB で計算される。
R:誘導電流の流れるループの半径、 f:周波数 σ:人体の導電率、B:曝露する均一な磁束密度
体の導電率は、研究書によれば、人体を一様な物質とみなして大まかな推定を行なうときは 0.1S/mとしたり、0.2S/mとしたり、0.5S/mとしたりしている。研究者や研究機関によって異なっている。 導電率を0.5S/mとした報告もある。こちらへ
臓器によっても異なり、脳では0.06から0.75S/m、心臓では0.1から0.70S/m、 その他の部位では0.11から0.52S/mとなっている。
今、例として、22KHzの磁界10マイクロテスラに均等な磁界に曝露したとする(実際のIH調理器からの磁界は距離によって大きく減衰しており、この計算には厳密には即しない)。体を直径40cmの円柱と仮定する(半径R=0.2m)、導電率を0.2S/mとすれば
誘導電流密度J=3.14 x 0.2 x 22x103 x 0.2 x10x10−6
=0.024A/m2 となる。
ここで導電率σを0.5S/m とすれば、 誘導電流密度 J=0.060 A/m2となる。
すなわち、ICNIRPの参考レベル(22kHz対して最大6.25マイクロテスラ)を2倍近くに越える10イクロテスラに曝露したとしても、誘導電流密度を計算すれば、基本制限に合致しているということができることになる。
但し、その時に、計算する体の大きさや、人体の導電率σをどのように見積もるか、非常に難しい、議論を呼びそうなポイントがある。
3−3.平成7年度の日本品質保証機構の報告書より
平成8年3月日本品質保証機構発行の「平成7年度 製品事故未然・再発防止調査報告書 カラーテレビ等の家電製品から発生する電磁波に係る調査」という報告書がある。
これは、「電子レンジからの漏洩電波などにより耳鳴り、動悸がするなど体調をくずしたとの事故通知があり、また電磁波等に対する不安を訴える声もある」ことから、通産省製品評価技術センターからの委託で日本品質機構が調査を行なった報告である。
カラーテレビ、電気冷蔵庫、電子レンジ、電磁調理器、ヘアドライヤ、電気毛布が対象として調査されている。
この報告書の測定では、10Hzから5kHzの磁界測定における距離は「機器の外殻と測定センサの先端部分の距離」となっている。上記1の平成3年の報告とは異なっている。
その概要は:
1)カラーテレビジョン受信機 3社6モデル 14インチから29インチまでを評価
*10kHz−5kHzの磁界:正面10cmでは1.50マイクロテスラから3.68マイクロテスラ
筐体から10cmの距離でその他の面では、上面や背面で大きく、最大で12.78マイクロテスラである。
(この測定では60Hzの垂直偏向回路からの漏洩が主要な要素と思われる。ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。)
*10kHzから30MHzの磁界: 測定は1mの距離で実施
最大は15kHzの水平偏向回路からの漏洩で、3mA/m程度である。
(1mの距離での測定ではなく、もっと近距離で測定を行ない、確認すべきである。 磁界が距離の3乗に逆比例するとして、30cmの距離で1000倍となったとしても、3A/m、3.6マイクロテスラとなり、ICNIRPの6.25マイクロテスラは超えない。)
2)電気冷蔵庫 3社6モデルを測定
*10kHz−5kHzの磁界:距離10cmでは最大16.67マイクロテスラであった。これはモータからの漏洩と思われる。(ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。)
*10kHzから30MHzの磁界:測定は1m距離で実施。ほとんど検出されず。
3)電子レンジ 3社6モデルを測定
*10Hz−5kHzの磁界:距離10cmでは最大44.2マイクロテスラであった。
(ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。)
距離ゼロのところで、最大213マイクロテスラという磁界漏洩が大きいモデルがあった、
*10kHzから30MHzの磁界:測定は1mの距離で実施。
35kHzとその高調波が観測され、35kHzの磁界は最大のモデルでは6.7マイクロテスラであった。
|
周波数 kHz |
35 |
70 |
105 |
140 |
実効値 |
|
磁界測定値μT |
0.00675 |
0.0012 |
0.000038 |
0.00038 |
0.006866 |
ICNIRPの参考レベルは、3kHzから150kHzまでは6.25マイクロテスラである。従って測定で得られたデータの実効値ICNIRP値と比較すればよい。
1mの距離のデータから、磁界は距離の3乗に逆比例するとして推定すれば、10cmのところでは1000倍となり、6.9マイクロテスラとなる。ICNIRP値を超えるかぎりぎりの恐れがある。この周波数帯の磁界も、厳密な検証が必要と考える。
*2.45GHzの電界 距離3mで測定
最大のモデルで約2V/mの電界が漏洩していた。
このデータから電界は距離に比例するとして30cmの距離では20V/m、10cmの距離では60V/m(電力密度換算では1mW/cm2)となり、法的に規制されている限度値にぎりぎりとなる。
4)電磁調理器 3社6モデルを測定、それぞれ1300Wから1400W。
*10Hz−5kHzの磁界: 距離10cmでは最大28.8マイクロテスラであった。
距離ゼロでは最大312マイクロテスラと大きい。
このデータから10cmではICNIRPの参考レベルに適合するが、近接すると低周波磁界だけで適合できなくなる恐れがある。
*10kHzから30MHzの磁界: 測定は1mの距離で実施。
この測定では動作周波数の約20kHzから7倍の高調波まで観測されている。
20kHzにおける最大は、20mA/mである。
このデータから、磁界は距離の3乗に逆比例として10cmの距離での磁界を推定すれば20A/mとなり、24マイクロテスラとなる。距離に2乗として考えれば2.4マイクロテスラとなる。
10cmや20cmといった人が近接する恐れのある場所での再評価(実測)が必要となる。
5)ヘアドライヤ 6社6モデル 1200Wクラスのものを評価
*10Hz−5kHzの磁界:距離10cmでは最大3.66マイクロテスラであった。距離ゼロでの最大は17.8マイクロテスラであった。(ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。)
*200MHzなどの高周波電界のノイズを漏洩している。3m離れて3mV/m程度のノイズであり、これは他の電気通信に妨害を与えたりするかもしれない。
6)電気毛布 3社6モデル
*10Hz−5kHzの磁界: 距離ゼロでは最大6.82マイクロテスラであった。
(ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。)
3−4.電力中研報告T90054「家庭内電気製品からの磁界強度とその周波数分布」 平成3年
この報告では50Hzだけの磁界と、10KHzまでの広帯域測定を行なっている。
1)テレビ
画面から10cmで50Hz成分磁界は0.85マイクロテスラ。
2)シーズヒータ
真上30cmの50Hz磁界は1.97マイクロテスラ。
真横を広帯域で即定すると11.6マイクロテスラ。
50Hz以外の周波数成分が漏れている。
3)VDT
画面から10cmでの50Hz磁界は1.1マイクロテスラ
3−5.纏め
以上の過去のデータはかなり古く、再確認が必要であるが
少なくとも電磁調理器に関しては、かなり厳格な評価を行なわないと、現行の電波防護指針には合致していても、最近話題になっているICNIRPには、対応しきれない恐れがある。
電子レンジも、ちょっと重点的にチェックをする必要がある。
こうした家電製品からの電磁界漏洩に関して興味のある方は、上記3件の報告書を入手し、じっくり読みこんでください。
BEMSJからの依頼:
以上の報告は過去の報告に基づいています。 最新の機器はどうなっているのか、もし公開でできる情報がありましたら、教えてください。
関連する最新の情報がありましたら、このWEBを修正して、紹介しますので、開示願います。
作成:2004−10−27のログ
WEBで公開されています。相談受け付けのデータベースとして「電磁波」というキーワードが設定されています。
http://datafile.kokusen.go.jp/wadai/denjiha.html にあった情報から家電製品と関係するものを抜き出しました。
興味のある方は、上記URLを見てください。
*********** **************
消費生活相談データベース 電磁波 2004年10月18日
電磁波の身体への影響を心配しての相談が寄せられています。 相談が多い商品・施設は、「電子レンジ」「電磁調理器」「携帯電話機」などです。
[最近の事例]
・IHクッキングヒーターを取り付けたら頭痛、吐き気、関節痛、記憶障害等症状がひどくなり、医者にも行き診断されたが、メーカーが認めず不満。
・台所調理器が壊われ、新しい電磁調理器を設置。利用したら頭痛がひどく、元に戻した。
・IHクッキングヒーターを使うと決まって頭が痛くなる。安全性が心配。
([最近の事例]は、相談者の申し出内容をもとにまとめたものです。)
********* ************** ****
京都の電気屋「永田電器」のWEBにあったIH調理器に関するQ&A集にあった情報です。
作成; 2003−3−10
http://www1.odn.ne.jp/bellnagata/ih/q_a/q_a.html
******* 一部 引用 ***************
Q&A集
東芝IHクッキングヒーターから発生する磁界強度は通常の使用状態で、約0.1G(約8A/m:本体から2Ocm横、東芝実測)と微弱なものであり、国内外の諸機関の指針と比較しても十分に低い数値になっています。
|
郵政省電波審議委員会 |
0.95G 以下 |
************* ここまでが引用 ************
このことは、郵政省電波防護指針(現在は総務省)には合致しているが、ICNIRPの参考レベルの値は局所的には超えているということができます。
記:2009−11−29
有田電器情報(オール電化としてIHを販売、情報サービスなども行っている会社)のサイトhttp://aritadenki.com/jyouhou.htmlにあった情報です。
*************** 一部 抜粋して転記 *****************
今回は 電磁界(電磁波)について・・・
我々の周りにある電磁界は以下である。(カッコ内の数字は器具からの距離を表す)
☆ 地磁気 0.3〜0.5G
☆ IHクッキングヒーター (20cm) 0.1G
※以上の事でお判りのようにIHクッカーにおいても日本の基準の9分の1なのである。
しかし、世界で基準になりつつあるICNIRPの基準はなんと0.065です。
************** **********
日本の電波防護基準は、IH[調理器の動作周波数(22KHz等)の限度値は0.9ガウスなので、0.1ガウスという値は規定の9分の1である、
しかし、世界の基準値としてのICNIRPの値は0.065ガウスなので、超えている。 ということを明記しています。
アメリカの産業衛生に関する基準から、ペースメーカ着用者と電磁調理器からの電磁界に関して、考察を行いました。
ACG1Hの30kHz以下の低周波磁場の限度値TLVsに関する要旨:
ほとんどすべての労働者が,毎日繰り返し曝露しても健康に悪影響を及ぼさない低周波磁場の磁東密度の大きさを示したTLVsである。
1Hz.〜300Hzの周波数範囲で、職業的な暴露のTLvs(天井値)は次式で表される。
Btlv=60/f (mT) なおfは周波数である。
300Hz〜30kHzの周波数範囲の局所曝露と全身曝露の天井値は0.2mTである。
また300Hz以下では四肢の曝露のTLVsは上記の値の5倍となる。
天井値はたとえば60Hzでは1oT,
30kHzではO.2mTになる。
定常磁場と同様に心臓ぺ一スメーカを使用している労働者は, 6Hz以上の周波数ではTLVsの1/10, 6Hz以下では1.OmTを越える磁場に曝露されないようにするべきである。
**********************
このことから、職業的に電磁調理器からの磁界に曝露しているペースメーカ着用者に対しては、20マイクロテスラ(200ミリガウス)が最大(瞬間的にも超えてはならない値)ということになります。
このペースメーカ着用と電磁調理器への近接は、職業的な曝露も一般公衆の曝露も差異はないと考えられるので、一般の人にもこの数値は適用可能と考える。
電磁調理器は最近では30kHzを超える動作周波数のものがある。残念ながらACGIHの規定には30kHz以上の電磁界曝露でペースメーカ着用者への制限の規定はない。
アブストラクトに仮訳をつけた。 作成; 2003−6−29
論文名:Electric Blanket Use and Breast Cancer in the Nurses Health Study
電気毛布の使用と乳がん
研究者:Francine
Laden(1), Lucas M. Neas, Paige E. Tolbert, Michelle D. Holmes,
Susan E. Hankinson, Donna Spiegelman, Frank E. Speizer, and David J. Hunter,
(1) Channing Laboratory, Department of Medicine, Brigham and Women's
Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA.
掲載誌:American
Journal of Epidemiology Vol. 152, No.1 : 41-49 2000
Electric and magnetic fields (EMFs) have been hypothesized to increase the risk
of breast cancer, and electric blankets represent an important source of
exposure to EMFs.
電磁界が乳がんのリスクを増加させるという仮説があり、電気毛布はこの電磁界の発生源である。
The authors examined the
relation between electric blanket use and invasive breast cancer in the Nurses'
Health Study.
ナースの健康研究の一環として、電気毛布の使用と乳がんの関係を調査した。
On the biennial questionnaire in
1992, 87,497 women provided information on this exposure during three
consecutive time periods.
1992年に、二年に一度の質問表で、87497名から連続した3期間の間に曝露した情報を入手した。
In a prospective analysis with 301,775
person-years of follow-up through 1996 (954 cases), the relative risk for any
electric blanket use was not elevated (relative risk (RR) = 1.08, 95%
confidence interval (CI): 0.95, 1.24) after controlling for breast cancer risk
factors.
1996年までの、前向きの追跡調査で(対象は301,775人年の規模)、乳がんリスク要因を調整した後の電気毛布使用による乳がんのリスクの増加はなかった、相対危険度は1.08、95%信頼性区間は0.95−1.24であった。
There was a weak association
between breast cancer and electric blanket use at least 16 years before
diagnosis and long-term use in age-adjusted analyses but not in multivariate
models.
しかし、乳がんと診断される前に16年以上電気毛布を使用していた場合と、年齢を調整した長期間の電気毛布使用では、乳がんリスク増加に弱い関係がみられた。
In a retrospective analysis of
1,318,683 person-years of follow-up (2,426 cases), the multivariate relative
risk associated with use before disease follow-up began was null (RR = 1.05,
95% CI:0.95, 1.16).
1,318,683人年に対象規模を大きくし、後ろ向きの研究を行った、2,426の症例があり、乳がんと診断される前の電気毛布の使用の乳がんリスクの増加は見られなかった。相対危険度は1.05、96%信頼性区間は0.95−1.16であった。
Similar results were obtained in analyses stratified(層にする)
bymenopause (月経閉止)and restricted to estrogen receptor-positive breast cancers.
月経閉止とエストロゲンレセプター陽性反応を持つ人に限定した場合でも、乳がんとリスクに関しては同様な関係であった。
While 95% confidence intervals
for these estimates did not exclude small risks, overall, results did not
support an association between breast cancer risk and exposure to EMFs from
electric blankets.
今回の調査で、電気毛布の使用による電磁界曝露による乳がんのリスクとの関連は見られなかったが、95%信頼性区間を考えた場合、小さいリスクの存在は除外しない。
アブストラクトのみ入手 仮訳をつけた。 作成: 2003−4−12
掲載誌:EPIDEMIOLOGY 2001;12:613-617
論文名:Electric Blanket or Mattress Cover Use
and Breast Cancer Incidence in Women 50-79 Years of Age
女性乳がんと電気毛布やマットレスとの関係
研究者:Jane A. McElroy(1);
Polly A. Newcomb; Patrick L. Remington; Kathleen M. Egan; Linda Titus-Ernstoff;
Amy Trentham-Dietz; John M. Hampton; John A. Baron; Meir J. Stampfer; Walter C.
Willett
1:University of Wisconsin Comprehensive
Cancer Center, Madison, WI;
概要:
Previous research has demonstrated inconsistent associations between
electromagnetic radiation, especially from electric blanket use, and breast
cancer.
これまでの研究では、乳がんと電磁界、特に電気毛布の使用との関係は首尾一貫した結果が得られていない。
Breast cancer risk according to electric blanket or mattress cover use was
examined as part of a multicenter population-based case-control study.
電気毛布もしくはマットレスの使用とがんリスクとの関係の症例対照研究を行った。
Breast cancer patients 50-79 years of age (N = 1949) were identified from
statewide tumor registries in
1994年6月から1995年7月の間の50-79歳の乳がん患者を、マサチューセッツ州とその他の二州で、州がん登録から抽出した。
Women of similar age were randomly selected from population lists as controls.
対照群は住民登録からランダムに選択した。
Information regarding electric blanket and mattress cover use and breast cancer
risk factors was obtained through telephone interviews.
電気毛布やマットレスの使用に関する情報は、電話インタビューで入手した。
After adjustment for age, body mass index, and other breast cancer risk
factors, the risk of breast cancer was similar among ever-users (relative risk
= 0.93; 95% confidence interval = 0.82-1.06) and lower among current users than
among never-users (relative risk = 0.79; 95% confidence interval = 0.66-0.95).
年齢、肥満率(?)やその他の乳がんリスク要因を調整して解析した。結果は、「かつて使用した」群のリスクは0.93(0.82-1.06)、「かつて使用」群に比べて「現在使用」群の相対リスk巣は低く、0.79(0.66-1.06)であった。
There was no evidence of a dose-response relation with increasing number of
months that electric blankets had been used.
電気毛布を使用した期間の長さとの「量―反応」関係はなかった。
This study provides evidence against a positive association between electric
blanket or mattress cover use and breast cancer.
この研究は、電気毛布やマットレスの使用と乳がんのポジティブな関係に対する反証となる。
アブストラクトのみ入手、仮訳をつけた。作成: 2003−6−30
掲載誌:Am J Epidemiol 2002; 156:262-267.
論文名:Endometrial Cancer Incidence in Relation to Electric Blanket Use
電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係
研究者:Jane A.
McElroy(1), Polly A. Newcomb, Amy Trentham-Dietz, John M. Hampton,
Marty S. Kanarek and Patrick L. Remington
(1) University of Wisconsin Comprehensive Cancer Center, Madison, WI.
Endometrial cancer is associated with endogenous and exogenous estrogen excess.
子宮内膜腫瘍は内因性と外因性のエストロゲン過剰に関係している。
Some investigators have posited
that electromagnetic fields may influence cancer risk through estrogenic
hormonal mechanisms; however, there have been no studies reporting on electric
blanket exposure in relation to endometrial cancer.
研究者によれば、発情性ホルモンの機能により、電磁界曝露は発癌リスクに関連していると仮定している。
しかし、電気毛布の使用が子宮内膜腫瘍に関係しているという研究はない。
The authors examined this
possible association between endometrial cancer risk and electric blanket or
mattress cover use as part of a population-based, case-control study.
そこで、電気毛布・マットレスの使用が子宮内膜腫瘍に関係しているか、症例対照研究を行った。
This analysis included incident
endometrial cancer cases 40-79 years of age, interviewed during 1994 (n = 148;
response rate, 87%) and identified from the
癌登録から抜き出した40−79歳の子宮内膜腫瘍の発病症例に対して、1994年にインタビューを行った、症例数148名、応答率は87%。
Female
controls of similar age were randomly selected from population lists (n = 659;
response rate, 85%).
女性の対照群は住民票からランダムに選択した。659名、応諾率85%。
Information regarding electric blanket and mattress cover use and endometrial
cancer risk factors was obtained through structured telephone interviews
approximately 1 year after diagnosis.
電気毛布・マットレスの使用と子宮内膜腫瘍などに関する情報は、診断後1年で、電話によるインタビューで入手した
After adjustment for age, body mass index, and postmenopausal hormone use, the
risk of endometrial cancer was similar among ever users (odds ratio = 1.04, 95%
confidence interval: 0.70, 1.55) and among current users (odds ratio = 0.87,
95% confidence interval: 0.49, 1.54) as compared with never users.
年齢、肥満率、月経閉止後のホルモン使用の因子を調整し、電気毛布などを過去に使用した場合のオッズ比は1.04(95%信頼性0.70−1.55)、現在も使用している場合のオッズ比は0.87(96%信頼性0.49−1.54)で同じ程度であった。
Despite its small size and
potential misclassification of exposure, this study provides evidence against
an association between electric blanket or mattress cover use and endometrial
cancer.
症例数が少ないこと、曝露の誤分類も可能性もあるが、本研究は電気毛布などの使用と子宮内膜腫瘍の関係に反する確証となる。
注:これらから、電気毛布の使用による子宮ガンの増加はない、といえる。
記:2011−11−16
掲載誌:European Journal of Cancer Prevention:
June 2007 - Volume 16 - Issue 3 - pp 243-250
タイトル:Use of electric blankets and
association with prevalence(流行、はやり)endometrial(子宮内膜の) cancer
研究者:Abel EL, Hendrix SL, et al:
Departments of Obstetrics & Gynecology and Psychology, Wayne State
University, Detroit, Michigan, USA
概要
この研究の目的は、女性の子宮内膜の癌の流行と電気毛布の使用との関係を評価することにある。
女性の健康情報観察データベース(対象:93696名)に登録されている情報を利用して、子宮内膜のガンと関連する情報を得た。
電気毛布の使用は子宮内膜の癌の流行を、電気毛布を使用しない群に比べて、15%高めることに関連していた、オッズ比は1.15で95%信頼区間は1.03−1.27であった。
子宮内膜の癌に関連する変数を調整した後は、20年以上の電気毛布の使用者は子宮内膜の癌の流行を36%高めていた、オッズ比は1.36で95%信頼区間は1.16−1.59である。
子宮内膜のガンと診断される前の電気毛布の試用期間を定めることはできないが、20年以上の電気毛布の使用は女性の子宮内膜の癌を有意に高く流行させていることを見出した。
関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。
まとめ: 2001−6−5
以下の様な研究があります。
研究者:Susan Preston-Martin et al;
原著:Brain Tumor Risk in Children in Relation to Use of
Electric Blankets and Water Bed Heators
掲載雑誌:American Journal of Epidemiology. Vol. 143 No.11 1996
概要
1984-1991年間に19歳以下で脳腫瘍と診断された症例540とマッチさせた対照801を研究対象とした症例対照研究である。
母親が子供の妊娠時に電気毛布を使用した場合の脳腫瘍のリスクは OR=0.90 (CI:0.6-1.2)
母親が子供の妊娠時に電気温水ベッドを使用した場合の脳腫瘍のリスクは OR=0.90 (CI:0.6-1.3)
電気毛布を妊娠期間の何時使用したか等についても調査したが結果には変化は無かった
子供が電気毛布を使用していた場合の脳腫瘍のリスクは OR=1.0 (CI:0.6-1.7)
子供が電気温水別途を使用していた場合の脳腫瘍のリスクは OR=1.2 (CI:0.7-2.0)
(相対危険度ORが1.2倍となっているが、CIの下限が0.7と1以下であるので、結果は有意とはいえない。)
子供の性別、年齢、人種などで調査を行ったが、結果は変わらなかった。
このことから、結論としては電気毛布や電気温水ベッドから漏洩する50Hz/60Hzの低周波磁界が小児の脳腫瘍を増加させるとはいえない。
これらの電気毛布から漏洩する低周波磁界(4ミリガウスから22ミリガウス)は、送電線由来の住環境下に存在する低周波磁界(1ないし2ミリガウス程度)より強い磁界である。( )内の磁界は他の文献からの数字であり、この研究では直接機器からの磁界は測定していない。
特定の地域のデータに絞って見た時の特異点、
ロスアンジェルス地区で、母親が妊娠中に電気温水ベッドを使用していた時に、子供が脳腫瘍になるリスク OR=2.1 (CI: 1.0-4.4)で 有意に高い。
しかし他のシアトルとサンフランシスコ地区のデータを合算して計算してみると、OR=0.7 (CI:
0.4-1.0)であった。
以下は私のコメント:
子供が電気毛布などからの低周波磁界が脳の癌(脳腫瘍)を増発するかに関して胎児の時に母親が暴露していた時と、生まれてから子供が電気毛布等を使用した時の2つの条件で検討している。特定の地域のデータを見た時には特異点があるが、全体としては、低周波磁界の影響は見られない という結論となっている。
特定の地域の全住民を対象とした研究なので、症例の選択などにバイアスはない。
アブストラクトを入手。 仮訳をつけた。 作成; 2003−8−19
掲載誌;Epidemiology 2000 Jul;11(4):406-15
論文名:The use of electric bed heaters and the
risk of clinically recognized spontaneous abortion.
電気温熱ベッドの使用と臨床的に認定された自然流産のリスク
研究者:Lee GM, Neutra RR, Hristova L, Yost M,
Hiatt RA.
Environmental Health Investigations Branch, Department of Health Services,
Oakland, CA 94612, USA
概要
We conducted a prospective cohort study to evaluate the relation of spontaneous
abortion and electric bed heater use during the first trimester of pregnancy.
妊娠最初の3ヶ月間に電気温熱ベットを使用した場合と自然流産の関係を調査するために、前向きのコホート研究を行った。
Compared with non-users, rates of spontaneous abortion were lower for women
who used electric bed heaters.
非使用者に比べて、電気温熱ベットの使用者の自然流産の割合は低かった。
The adjusted odds ratio and 95% confidence interval (CI) for the two major
devices used, electric blankets (N = 524) and waterbeds (N = 796), were,
respectively, 0.8 (95% CI = 0.5-1.1) and 0.9 (95% CI = 0.7-1.2).
オッズ比と95%信頼区間は、電気毛布の使用に対しては0.8(CI:0.5−1.1)、電気温熱水ベットの使用では0.8(CO:0.7−1.1)であった。
An increase of risk with increasing intensity (setting-duration combination) of
use was not observed.
曝露強度に伴うリスクの増加は見られなかった。
Users of electric blankets at low settings for most of the night (N = 171) had
lower risks of spontaneous abortion than non-users (adjusted odds ratio = 0.5;
95% CI = 0.3-1.0).
電気毛布の設定を低くしてある場合(温度の設定を低くする、すなわち磁界などの発生量が少ない)は、非使用者に比べてオッズ比は0.5(CJ:0.3−1.0)と低かった。対象とした症例数は171名。
Twenty women who used electric blankets at a high setting for 1 hour or less
had an adjusted odds ratio of 3.0 (95% CI = 1.1-8.3), but we found no
spontaneous abortions among the few women (N = 13) who used a high setting for
2 or more hours.
設定を高くして、使用時間が1時間かそれ以下の20名を対象に計算を行うと、オッズ比は3.0(CI:1.1−8.3)と高かったが、設定が高く、使用時間が2時間もしくはそれ以上の13名を対象にした場合には、自然流産は見られなかった。
We found that exposure rankings of the magnetic field time-weighted average and
a rate of change metric did not correspond monotonically to the pattern of
spontaneous abortion risks and that electric blankets contribute less to
overnight time-weighted average magnetic fields than has been thought.
時間加重平均の磁界曝露は自然流産のリスクと単調な関係にはなく、電気毛布は夜間の時間加重磁界曝露平均値に対して、考えていたほどには、寄与率は高くなかった。
アブストラクトを入手 仮訳をつけた 作成: 2003−4−23
磁界への曝露が多いと流産のリスクが増す、という疫学研究。
掲載誌:EPIDEMIOLOGY 2002;13:21-31
論文名:A Nested Case-Control Study of Residential and
Personal Magnetic Field Measures and Miscarriages
住環境および個人の磁界への暴露と流産のリスクに関する症例対照研究
研究者:Geraldine M. Lee; Raymond R. Neutra; Lilia
Hristova; Michael Yost; Robert A. Hiatt
From the Environmental Health Investigations Branch California Department of
Health Services, Oakland, CA;
概要:
We conducted a nested case-control study (177 cases, 550 controls) to assess
the relation between retrospective magnetic field measures and clinical
miscarriage among members of the northern California Kaiser Permanente medical
care system.
北カリフォルニアのメデカルケアシステムの会員を対象として、後ろ向きの磁界暴露評価と流産の官益を調査した、症例は177、対照は550であった。
We also conducted a prospective substudy of 219 participants of the same parent
cohort to determine whether 12-week and 30-week exposure assessments were
similar.
さらに、この研究対象集団から、219名の協力者を得て、前向きの研究を行った。12週間と30週間の暴露評価結果でどうなるかを研究した。
We evaluated wire codes, area measures, and three personal meter metrics: (1)
the average difference between consecutive levels (a rate-of-change metric),
(2) the maximum level, and (3) the time-weighted average.
ワイヤコード、地域の暴露レベル、そして個人暴露に関しては変動の割合、最大値、時間に重み付けした平均を評価指標とした。
For wire codes and area measures we found little association.
ワイヤコードと地域の暴露レベルでは流産と磁界暴露との関連はなかった。
For the personal metrics (30 weeks after last menstrual period), we found positive
associations.
個人暴露(最後の月経から30週間後の暴露レベル)ではポジティブな関係があった。
Each exposure was divided into quartiles, with the lowest quartile as referent.
暴露強度を4分割し、最も低い暴露群を参照レベルとした。
Starting with the highest quartile, adjusted odds ratios and 95% confidence
intervals were 3.1 (95% CI = 1.6-6.0), 2.3 (95% CI = 1.2-4.4), and 1.5 (95% CI
= 0.8-3.1) for the rate-of-change metric; 2.3 (95% CI = 1.2-4.4), 1.9 (95% CI =
1.0-3.5), and 1.4 (95% CI = 0.7-2.8) for the maximum value; and 2.3 (95% CI =
1.2-4.4), 1.9 (95% CI = 1.0-3.5), and 1.4 (95% CI = 0.7-2.8)for the
time-weighted average.
それぞれのオッズ比は、高い暴露群から低いほうに向かってそれぞればくろの変動の激しさでは3.1 (CI:1.6-6.0), 2.3 (CI:1.2-4.4), 1.5 (CI: 0.8-3.1) 最大値では、2.3 (CI:1.2-4.4), 1.9 (CI:1.0-3.5), 1.4 (CI:0.7-2.8) 時間で重み付けした平均値では2.3 (CI:1.2-4.4), 1.9 (CI:1.0-3.5), 1.4 (CI: 0.7-2.8)であった。 量―反応関係にある。
The odds ratio conveyed by being above a 24-hour time-weighted average of 2
milligauss was 1.0 (95% CI = 0.5-2.1).
24時間の時間に重み付けした平均暴露で2ミリガウスを超えていると、オッズ比は1.0(CI:0.5-2.1)であった。
Exposure assessment measurements at 12 weeks were poorly correlated with those
taken at 30 weeks.
12週間の磁界暴露評価と、30週間の磁界暴露評価では相関がとれなかった。
Nonetheless, the prospective substudy results regarding miscarriage risk were
consistent with the nested study results.
しかしながら、この前向きのサブ研究で得られた流産リスクは、他の研究と同じ結果となっている。
作成: 2003−5−7
1) 電子レンジからのマイクロ波漏洩に関する法的な規制
電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩は筐体から5cmの所で最大1mW/cm2(電界強度で61V/m)に電波法・電気用品取締法で規制されている。 動作中に誤って扉を開けた場合でも動作停止になる瞬間でも最大5mW/cm2.
これはICNIRPの規定、日本の総務省の電波防護指針値 10 W/m2 =1 mW/cm2に合致する。
(5cmにおける局所曝露の規定値に、全身曝露の規定を適用した例といえる。過剰かもしれないが安全サイドに立っている。)
2) 実測値の例 −1
「平成7年度 製品事故未然・再発防止調査報告書(カラーテレビ等の家電製品から発生する電磁波に係る調査)」日本品質機構・発行 によれば 6モデルの電子レンジの調査を行い、電子レンジから3mの距離で測定を行い、2450MHz帯の漏洩は、115dBから125dBμV程度であり、正面方向が大きいことが報告されている。
これから単純計算で、1mの距離では135dBμVとなる。
3) 実測の例―2
平成13年度の石川高専の卒研報告、坂下泰裕ら「電子レンジにおける電磁波環境の測定」によれば10モデルの電子レンジの測定を行った。 距離は1m、正面が大きい傾向にあり、測定結果は120から135dBμVであった。
4) これらの実測値から、電子レンジから漏洩するマイクロ波電波の強さは、1mの地点で最大で135dBμV(=5V/m)程度であると、言える。 古いモデルでも最近のモデルでも漏洩のレベルは変わっていないといえる。
1m離れても5V/mの電界があるということは、電波防護指針やICNIRPのガイドラインに示される健康影響限度値には十分に低くなっているが、家庭内で2450MHzの無線LANなどを行えば、電波障害を起こすことになる。
また電子レンジに近接した場合は50V/mといった大きな電界強度になり、これだけ大きいと簡易的な低周波磁界測定器などでは、マイクロ波の影響で誤動作する可能性もでてくる。
アブストラクトのみ仮訳 作成:2003−6−14
論文名:Association between Chi1dhood Acute Lymphob1astic
Leukemia and Use of E1ectrica1 App1iances during Pregnancy and Chi1dhood
研究者:E.E. Hatch et al;
掲載誌;Epidemiology 1998;9:Z34-Z45
概要
As part of a comprehensive study of residential magnetic field exposure in nine
mid-western and mid-Atlantic states, we evaluated the use of appliances by 640
patients with acute lymphoblastic Leukemia, O-14 years of age, diagnosed
between 1989 and 1993, and 640 matched control children.
アメリカの9の州で行われている住環境下における磁界暴露の研究の一環として、使用している電気機器との関係を調査した。急性リンパ性小児白血病(ALL)の患者640名(1989年から1993年にかけて、0-14歳で白血病と紫診断されたケース)と640名の対照を対象として研究を行った。
Mothers were interviewed regarding use of electrical appliances during their
pregnancy with the subjects and the child's postnatal use.
子供の母親にインタビューし、妊娠期間の電気機器の使用状態、子供の電気機器の使用状態を調査した。
The risk of acute 1ymphoblastic leukemia was elevated in children whose mothers
reported use of an electric blanket or mattress pad during pregnancy [odds
ratio (OR) = 1.59; 95%confidence interval (CI) = 1.11-2.29] but was reduced for
use of sewing machines during pregnancy (OR = O.76; 95% CI = 0.59-0.98).
母親が妊娠中に電気毛布やマットレスを使用していると、ALLのリスクが増大する、オッズ比は1.59(95%CI:1.11−2.29)。しかしミシンの使用はリスクを下げている、オッズ比0.76(95%CI:0.59−0.98)。
The risk of acute lymphoblastic leukemia was Increased with children's use of
electric blankets or mattress pad [0R = 2.75; 95%CI = 1.52-4.98) and three
other electrical appliances (hair dryers, video machines in arcades, and video
games connected to a television), but the patterns of risk for duration in
years of use and frequency of use were inconsistent for most appliances used by
children.
子供が電気毛布やマットレスを使用した場合のALLのリスクは2.75倍(95%CI:1.52−4.98)であった。その他の電気機器(ヘアドライヤ、ゲームセンターでのビデオゲーム、家庭でのテレビジョンでのビデオゲーム)もリスクを増加、しかし、使用の頻度や使用年数との関係は明確ではなかった。
Risks rose with increasing number of hours per day children spent watching
television, but risks were similar regardless of the visual distance from the
television.
子供がテレビを見る時間が長いとリスクとなっている。テレビジョンの視距離は近くで見ても、離れてみてもリスクの程度は同じであった。
The inconsistency in the dose-response patterns for many appliances, reporting
and selection bias, and the lack of an effect for measured 60 Hertz magnetic
fields or wire codes in our companion study must be considered before ascribing
these associations to exposures from magnetic fields.
多くの機器使用に関する量―反応関係の不確かさ、選択バイアス、機器からの磁界の実測が為されていないことなどは、この研究にとって、今後の課題である。
興味のある方は原著を読んでください。
NIH News Release
NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH National
Cancer Institute
EMBARGOED FOR
RELEASE Monday, April 20, 1998 6:00 PM Eastern Time NCI Press Office (301) 496-6641 1998年4月20日 アメリカ・国立がン研究所 報道発表
Magnetic Fields Associated With Electrical Appliances Are Considered Unlikely(ありそうもない)To Increase the Risk of Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia
家電製品からの磁界は小児急性リンパ性白血病のリスクを増加するとはいえない。
Several investigators from the National Cancer Institute (NCI) released a
report in the May issue of Epidemiology*
concluding that it is unlikely that magnetic fields from household electrical
appliances increase a child's chance of developing acute lymphoblastic leukemia
(ALL).
5月号の疫学誌に、国立がン研究所の研究者は、家電製品からの磁界暴露による小児白血病(急性リンパ性白血病:ALL)のリスク増加は、ありそうもない、と結論付けた発表(注1)を行った。
ALL accounts for 70 percent to 80 percent of all childhood leukemias and
one-third of all childhood cancers in the
ALLは小児白血病の70−80%を占め、また、全小児がンの3分の1を占める。
Only a small percentage of cases of ALL have a known cause.
ALLの原因は、ほとんどわかっていない。
Beginning in 1979, some studies suggested that magnetic fields (EMFs) may
increase the risk for ALL while others have found no evidence for risk.
1979年以来、ある研究は磁界(電磁波)がALLのリスクを増加させると、また一方では磁界がリスクを増加させるという証拠はないとしてきた。
EMFs are produced by power lines, electrical wiring and household electrical
appliances.
電磁界は、送電線、配電線、家電製品から放射される。
Researchers from NCI in collaboration with the Children's Cancer Group (CCG), a
network of pediatric(小児科)oncologists(腫瘍学者) and other
researchers across the U.S., published an earlier report** in July 1997 that
showed little evidence that the EMF from high current power lines or from high
levels of magnetic fields measured in the home were associated with an
increased risk of ALL in children.
国立がン研究所の研究者は、全米の小児がン研究者および関連する研究者のネットワークである小児がン研究グループ(CCG)と共に、1997年7月に研究成果(注2)を発表した。それは、送電線からの電磁界や家庭で測定された高い磁界強度は小児白血病ALLのリスクを増加させるという確証はない、というものである。
The current study, also a collaboration between NCI and CCG, is the first large
study of childhood ALL and electrical appliances.
この研究は、国立がン研究所とCCGの協力で行われた、最初の、大規模な、家電製品と小児白血病ALLとの関係の調査である。
The researchers compared the exposure to household electrical appliances of 640
children diagnosed with ALL to the exposure of 640 matched controls・children of the
same age, race and place of residence without the disease. (The same cases and
controls were used in the two NCI/CCG studies).
640名のALLと診断された症例と、年齢・性・種・住居地域をマッチさせた640名の対照に対して、荷電製品の使用状況(曝露状況)を比較した。
The data are based on the mothers' responses to a detailed questionnaire about
their appliance use during pregnancy as well as their child's use.
母親へのインタビューにより、母親の家電機器の使用状況と子供の使用状況を、入手した。
TVs, electric blankets, microwaves, hair dryers, stereo systems, heating pads
and computers were some of the appliances included in the study.
テレビ、電気毛布、電子レンジ、ヘアドライヤ、ステレオ、パソコンなどが本研究の対象となった。
No measurements were taken of magnetic fields associated with the actual
appliances used.
実際の磁界漏洩などは行わなかった。
The authors were unable to draw a clear conclusion from the data.
研究者はこれらのデータから明確な結論を出すことはできなかった。
Although the data showed some association between appliance use and leukemia,
there was no consistent pattern of increasing risk with increasing exposures.
いくつかの機器使用は白血病との関連性があったが、使用(曝露)の増加とリスクの増加の一定した関連性がなかった。
The scientists speculate that the magnetic fields from electrical appliances
are unlikely to increase the risk of childhood ALL.
研究者は、家電製品からの磁界が小児白血病ALLのリスクを増加するとは思えない、と推測した。
The contribution of home appliances to a person's total EMF exposure is thought
to be small because most appliances are used for short periods of time and EMF
exposures are elevated only close to the appliance.
家電製品からの磁界が、個人の全磁界暴露に占める割合は小さいと考えられる、なぜならば電気機器の使用は短時間であり、機器に近接した場合にのみ大きな磁界を受けるからである。
It is more difficult to assess the contribution of appliances to EMF exposures
than that of power lines and building wiring.
送電線や配電線からの磁界暴露に比べて、家電製品からの磁界暴露の寄与率の評価は難しい。
This is because for each appliance, the magnetic field varies greatly with distance,
and frequently neither the distance of the person from the appliance nor how
often an appliance is on or off can be reconstructed accurately from
interviews.
磁界は機器との距離で大きく変わり、機器との距離だけではなく、頻度も異なる、電源をどのくらいオン・オフするかなど、インタビューによる情報から正確に評価することは困難である。
These preliminary findings are part of a more comprehensive study being
conducted by the CCG looking for possible causes of childhood ALL.
この予備的な成果は、小児白血病ALLの原因解明のためのCCGによって今後行われるであろう本格的な研究の一部となる。
In the larger study, many risk factors other than EMF are being evaluated in
more than 1,900 children diagnosed with ALL between 1989 and 1993.
1989年から1993年にかけてALLと診断された1900名の症例を対象とした大規模な研究では、電磁界以外のリスク要因も評価されている。
These include exposures of children to infectious(感染病) agents in the home or
neighborhood, exposures of parents to radiation or chemicals at work,
medications used by the mother during pregnancy, alcohol use, and lifestyle of
the parents. Results are expected in two years.
これらの要因として、家庭や近隣での感染病(伝染病)の要因、親の放射線や職業的な化学物質の影響、母親の妊娠中の医薬品の影響、アルコール飲料、両親のライフスタイルの影響などであり、研究は二年度にまとまる予定である。
For more information about cancer visit NCI's Website for patients, public and
the mass media at http://rex.nci.nih.gov or NCI's main website at
http://www.nci.nih.gov.
さらに詳細な情報は国立がン研究所のWEBを見てください。
***********
注1:
*The study is titled "Association Between Childhood Acute Lymphoblastic
Leukemia and Use of Electrical Appliances During Pregnancy and Childhood."
The authors are Elizabeth E. Hatch, Martha S. Linet, et al: Epidemiology,
May 1998.
注2:
**The study is titled "Residential Magnetic Field Exposures and Childhood
Acute Lymphoblastic Leukemia." The authors are Martha S. Linet, Elizabeth
E. Hatch et al: NEJM, July 3, 1997.
以下の研究が、上記13に関連して行われています。
掲載誌;Bio Electro Magneticsの論文誌 Vol 21、No.3 2000
研究者:W. T. Kaune et al:
タイトル:Children's Exposure to Magnetic Fields Produced by
U.S. Television Sets Used for Viewing Programs and Playing Video Games
テレビゲームとテレビの視聴に使用されているアメリカのテレビ受信機による子供の磁界曝露
概要
始まり:そもそもの研究の発端は、2つの疫学調査があった。
Londonの1991年の論文では「子供のTVを見ている時間と小児白血病の関係がある」という疫学調査、
Hatchの1997年の論文「TVゲーム機と関係」。
そこで、実際のTV受信機やTVゲームの状態での電磁波曝露を調査することになった。
方法:
そこでアメリカの家庭の協力を得て、電磁波の実態調査を行った。
VLFとELFの磁界を測定した。 電界は問題視されていないので割愛した。
結果:測定結果の平均値としては、
TVの見ている場合 ELF磁界 0.0091μT VLF磁界 0.0016μT
TVゲームの場合 ELF磁界 0.023μT VLF磁界 0,0038μT
TV視聴とTVゲームの時は、見る距離が異なるので、より近い距離で見るTVゲームの方が、大きく曝露している。
結論:
このことから、ELF磁界は その他の環境磁界の大きさを考えると、小児癌との関係を支持できない。
VLFは、周波数が高いので、誘導電流の大きさを考えると、今後の研究の課題となる。
関心のある方は、原著全文を読んでください。
財団法人
日本情報処理開発協会 のWEBにあった内容(概要)の、概要です。
http://www.jipdec.jp/chosa/kiban/elema.html
作成: 2003−7−17
********* 一部 引用 ************ *******
家電製品から発せられる電磁波測定調査(概要)
(略)
身の回りの電磁界の中でも関心の持たれている家電製品ならびに情報機器から発せられる低周波磁界の強さに関して、技術的背景の明確な測定データの収集整理が必要とされている。
そこでデータの収集を目的として財団法人家電製品協会に設置する「家電製品から発せられる電磁波(低周波磁界)測定調査委員会」において、関係各工業会をメンバーとして測定方法等について議論を行い、第三者測定機関による、電子レンジ、電磁調理器(IH調理器)、電気カーペット等27品目についての発生電磁界測定を実施することとした。
(略)
1.測定対象範囲
家電製品の全てについて測定することは困難であるため、一般に家庭で使用するものとして電子レンジ、電磁調理器(IH調理器)、電気冷蔵庫等を始めとする代表的な製品を選定した。また、IT技術の普及にともない情報機器が家庭内にも広く浸透していることから、家庭で使われる情報機器も測定対象とした。
2.測定結果の纏め
測定された家電製品および情報機器では、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを超えると推定される機器は概ね見られなかった。
ただし、一部の機器の近傍で局所的にガイドラインの参考レベルを超える磁界強度が測定される例があったが、国際電気標準会議(IEC)のIEC62233委員会原案に示されている測定位置での評価を適用すること、また、結合係数の考えを用いることにより、これらの機器もガイドラインを満たしていることが推定された。
(略)
******** **************
詳しくはこの情報処理開発協会もしくは、家電製品協会に問い合わせてください。
以下のサイト(家電製品協会)に公開されています。
詳細は以下のサイト見てください。
http://www.aeha.or.jp/02/l01.htm
平成19年度 家電製品から発せられる電磁波測定(10Hz〜400kHz)調査(概要)
・測定対象
家電製品の全てについて測定することは困難であるため、一般に家庭で使用するものとして、電磁調理器(IH調理器)、電気掃除機、家庭用テレビ、パソコン、照明器具等始めとする代表的な33製品86機器を選定した。
・測定方法
家電製品から発生する電磁界ばく露に関する測定方法については、国際規格IEC62233(人の曝露に関する家庭用及び類似用途の電気機器の電磁界の測定方法)に定められている。
本測定調査では、原則としてこのIEC62233の測定方法に従った。
・評価基準
低周波領域の電磁界の評価基準として、国際非電離放射防護委員会(以下「ICNIRP」という。)が平成10年(1998年)に示したガイドラインが広く利用されている。
本測定調査ではこのガイドラインを測定結果の検討のための指標とした。
・測定結果
本測定調査で選定され、測定された家電製品、デジタル家電、情報機器および照明器具では、IEC62233による方法に基づいた評価の結果、ICNIRPのガイドラインを超える機器は見られなかった。
作成:2005−6−23
IH調理器の普及は日本とフランスだけ・・・・といわれてきました。
しかし、以下のWEBに見るように、2005年の国際見本市の報告を見る、かなりの速度で普及しそうです。
電磁波の問題は、どうなるか???関心事です。
http://allabout.co.jp/house/kitchen/closeup/CU20050224A/index.htm にあった内容
一部引用します。 興味のある方は、このURLを参照してください。
***一部 引用 *********** ***************
キッチンガイド
mm cuisinale 2005 に見るキッチントレンド 最新キッチン機器動向
ヨーロッパの最新キッチン機器動向 2005
2005年1月にドイツ・ケルン国際家具見本市で併催されたimm cuisinale 2005では、キッチン家具メーカーとキッチン機器メーカーが14号館1階の会場をほぼ等分して出展し、最新キッチン展示会の名に恥じないにぎわいを見せました。
(略)
今年のキッチン機器で一番目についたのが、IHクッカーの大隆盛です。2年前のこの展示会ではほんの2社程度しか出展されていなかったのが、今年は全てのキッチン機器メーカーから出展されています。
*************** ***************
記:2010−5−1
「中国情報局」というWEBにあった内容
参照:http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0102&f=national_0102_002.shtml
*********** 一部を転載 ****************
電磁調理器:安全基準は「甘い」目安、しかも違反続出
2006/01/02(月) 16:48:01更新
エネルギー価格が高騰する中で、中国では電磁調理器(IH)が人気だ。
しかし、電磁波の放射による汚染を指摘する声もある。新華社などが伝えた。
新華社によると、2004年におけるIHの販売台数は1100万台。
関連部門は、5年以内に、市場規模が7000−8000万台に拡大すると予測している。
しかし、低周波の電磁波放射に関する安全基準は不備だ。
(略)
************** *********
従来、IH調理器は日本とフランスが普及している国として挙げられ、その他の国はさほどではないという情報でした。
この中国情報によれば、中国でかなり普及しているといえます。
関心のある方は、上記のサイトを覗いてください。
WHOの国際EMFプロジェクトから「電子レンジ」に関する公開見解が出ています。
************ ************
情報シート 2005年2月 電磁界と公衆衛生:「電子レンジ」
電子レンジは安全か?
電子レンジは、メーカーの指示に従って使用すれば安全であり、かつ様々な食物を加熱および調理することができて便利です。しかし、マイクロ波への曝露、熱傷、および食物の取扱いに関してはいくつかの予防策を講じる必要があります。
(略)
マイクロ波エネルギーは、人体によって吸収され、曝露した組織内で熱を発生させる可能性があります。例えば眼球のように血液の供給が少なく温度調節機能の弱い器官、あるいは睾丸のように温度に敏感な組織は、熱による損傷を受ける危険性が高いのです。しかし熱損傷が起きるのは非常に高い出力に長時間曝露された場合だけであり、その数値は電子レンジの周囲での測定値をはるかに高いレベルであります。
(略)
誤解−誤解を払拭するには、電子レンジで調理した食物が放射能を持つことはないということを認識することが重要です。さらに、電子レンジのスイッチを切った後はレンジの庫内にも食物の中にもマイクロ波エネルギーが残存することはありません。この点でマイクロ波はまさに光線のように作用します。
つまり明かり消した後、光は残らないのと同じです。
(略)
************ ************
詳細は、WHOのWEBで公開されている原文を読んでください。
この情報シートでは、電子レンジからのマイクロ波に関しては記述されていますが、電磁レンジを稼動するための電源部からの低周波磁界に関しては、まったく触れられていません。
作成:2005−8−15
「夕刊三重」2005年5月12日木躍日に以下のような記事が掲載されました。
********** 一部 引用して紹介 ************** *************
給食調理用のコンロ 小鍋専用にガス使う 松阪市 「電磁波が心配」の声で対応
昨年度に開園し、施設内を完全電化していた松阪市肥留町の三雲北幼児園と、小津町の三雲南幼児園で、電磁調理器(クッキングヒータ)の使用に一部制限を加え、ガスコンロの導入を考えていることが11日までに明らかになった。
市によると、小さい鍋を使用した際のみ鍋が接触していない部分から比較的高い電磁波が発生するとして、自治労県本郁から対応を求められたため。
市では現場の調理員と協議し、ガスコンロ導入を検討しているが、そうなると施設の大きな特徴だった完全電化はわずか1年で崩れることになりそうだ。
電磁調理器は多量のスープなどを作る際などに用いるずんどう鍋など大きな鍋に対心するタイプで、小さい鍋で調理した時のみ、鍋が当たっていない部分から電磁波が出ることが原因という。
*************** **************** **********
詳細は、この新聞記事を読んでください。
新聞記事だけではなんとも判断できませんが、新聞記事に掲載された写真から判断すると、かなり大型の鍋でも使用できる業務用の大型IH調理器を設置したようです。
この大型のIH調理器に、幼稚園なので、ミルクを温めるために、小型の鍋(市販されている鍋では14cmくらいの直径??)を使用したために、外部に20KHzと言った磁界が、それなり大きな量で、漏れたのかも知れません。
こうなると、IH調理器で、小型の鍋を使用することは問題なのかも知れません。
今回のこの新聞記事のケースで、どのような測定器で、どのような周波数の磁界が漏れたのか、そのときの使用した鍋の大きさは・・・・ など詳細なデータが欲ししものです。そうした詳細なデータがないと、正確な判断はできません。
日本電機工業会のWEBにあったIH調理器からの電磁波に関する見解です。
詳しくは以下のURLにアクセスしてください。
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/ih/ih-08.htm
|
(Q3) IHクッキングヒーターの電磁波レベルはどのくらいなの?
このように、IHクッキングヒーターの電磁波は、昔からご愛用いただいている一般の電気製品と同レベルです。 |
ここで、上記のWEBの表現に対して、疑問があります。
50Hzや60Hzといった電力周波数帯に関しては、異存はありません。
「20kHzと言ったIHの動作周波数帯域で、2マイクロテスラ以下であるから、従来の家電機器と同レベル と言い切ってよいのでしょうか?」
ICNIRPの参考レベル以下とは言えるにしても、ICNIRPの参考レベルは50Hzで100マイクロテスラ、20kHzでは6.25マイクロテスラということを勘案すると、
「このように、IHクッキングヒーターの電磁波は、昔からご愛用いただいている一般の電気製品と同レベルです。」と断言することには、疑問を感じます。
記:2006-4-1
ある報告書を読んでいました。 それは以下に示す磁界の測定器の開発に関するものでした。
掲載誌:第48回自動制御連合講演会 2005年11月25日,26日 JA長野県ビル
タイトル:人体曝露に関する磁界測定器の開発と関連規格
発表者:○中山 淳 渡辺英雄 峯村和孝 長沢広輝 宮島貞敬 (日置電機株式会社)
この報告書は磁界の測定器の開発の報告です、測定の一例としてIH炊飯器の実例を測定として掲載しています。
IH炊飯器から30cmの距離で測定を行っています。
>4.3 測定結果
>測定結果を下記に記す.炊飯器の下方(180°)にセンサを配置した時,
>レベルが最大となり73.5%となった.
>これは100%よりも小さいため,規格に適合する.
この測定器はICNIRPの曝露基準に対して何%に相当するかという値を示します。
報告書では100%を超えなかったから大丈夫という記述になっています。
でも、これは、一般家庭で使用されているIH炊飯器が大丈夫といえるのでしょうか?
この実例では100%を超えず、73.5%という数字ですが、これはたまたまあるモデルの1台を測定した結果です。
モデルによっても、100%を超えるIH炊飯器はないといえるのでしょうか? 確認が必要かも知れません。
関心のある方は、上記論文を入手して読んでください。
2005年11月 ヤフーのオークションで、変な出品物を見つけました。
「◆送料無料◆リンナイ IHクッキングヒーター RKT-30WIH-SV◆」 という売り物です。
オール電化を推進し、IH調理器の使用を推進している電力会社に対して、
オール電化となれば困るとので、IH調理器の場合の電磁波漏洩が問題であるとする論調でオール電化に対抗しているのがガスの関係者(社)です。
リンナイはガスの器具の製造会社です。
ガス屋がIH調理器を製造販売している? まさかとおもいました。
そこで、購入する気持ちはさらさらないのですが、出品者に質問をして見ました。 そして、以下にその回答が来ました。
あなたが質問した商品に関する情報です。
1. 質問への回答
この商品について、次の質問が送られました。
「このIH調理器はガスコンロで有名なリンナイの製品ですか? 写真ではブランド名がよく見えませんでした。」
この質問に対して、出品者から次の回答が送られました。
「リンナイの製品でございます。 製造元は「アールビーコントロール」 ですが、リンナイのブランドで発売されているモデルです。 よろしくお願い致します。」
さて、上記の情報は2005年11月の時点のものです。
その後も、継続してこの商品が売られているのでしょうか? たぶん、販売は縮小の方向ではないかと、想像しますが・・・・・ どうなのでしょうか!!!
IH調理器を電磁波が問題として採用せずに、ガスにした という事例です。
Yahooの掲示板に書き込まれたTsuabaさんの了解を得て、コメントをこのサイトに転載します。
作成: 2006-4-15
Yahoo! 掲示板
トップ> スポーツ、レジャー > 旅行 > 地域別 > 都道府県 > 大阪府 > 50代友達広場へ来て〜〜〜♪
台所 2006/ 4/14 11:21 No.5392 /
5392
投稿者:tsuaba
今日は台所のガスレンジ、換気扇の取替工事です。
24年間も使ってたから、もうボロボロです。
IHヒータにしようと思っていましたが、強力な電磁波が発生するというので、やはりガスにしました。
防犯のため、お隣との境の路地に出入出来ない扉を付ける工事もしてて、朝からバタバタですワ。
作成:2006−4−18
以下は、第32回日本トキシコロジー学会学術年会 2005年で報告された研究結果です。
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タイトル:中間周波磁界曝露装置の開発と微生物復帰突然変異試験による磁界の変異原性評価
研究者:中園聡, 池畑政輝, 西村泉, 重光司, 根岸正
その概要です
[背景]近年、様々な電気機器の発達により、中間周波数帯の電磁界の利用が増加しており健康影響に関する関心が高まりつつある。しかし、中間周波電磁界(300Hz〜10MHz)の生物影響については、ほとんど研究されていない。
[目的]in vitro試験が可能な中間周波磁界曝露装置を開発し、微生物復帰変異試験により、2kHz、20kHz、60kHzの中間周波磁界の変異原性について検討する。
[方法]in vitro試験用の中間周波磁界曝露装置を開発した。
この装置を用い、6種類の試験菌株(サルモネラ菌4菌株(TA1535、TA1537、TA98、TA100)および大腸菌2菌株(WP2 uvrA、WP2 uvrA/pKM))に対し、2kHzで910μT、20kHzでは、270μTおよび1.1mT、60kHzでは110μTの磁界を、それぞれ48時間曝露した。
[結果]t-検定で復帰変異コロニー数を評価したところ、いずれの菌株でも再現性のある有意な復帰変異コロニー数の変化は見られなかった。
また、各試験結果の平均値を用いたプール解析でも有意な差は見られなかったことから、本研究で検討した高磁束密度の中間周波磁界には、変異原性がないことが明らかとなった。
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関心のある方は、全文原著を入手して、読んでください。
この結果によれば、IH調理器の動作周波数(20kHz、オールメタル対応の場合は60kHz程度)の磁界に270μT(ICNIRPの一般公衆に対する暴露基準地 参考値である6.25μTの50倍)では、細胞実験では変異原性はなく、発がん性は否定されます。
作成:2006−5−10
1)E社の床暖房システムのカタログを入手した。
その中で、従来の床暖房に比較して低磁界である旨が記載されていた。
たしかに、使用されている発熱体の構造などから判断して、その部分では低電磁界になっていると思われる。
しかし、カタログに記載された図を(以下の図1を参照)引用して、少し意地悪なことを考えてみる。
図1
発熱パネルと発熱パネルを接続するコネクタの部分は2本の交流電流が流れる電線は、ばらばらになっている。この部分からは、磁界の漏洩が大きくなるおそれがある。
2)単線に電流が流れているとした場合の磁界の発生は
電磁気学の教科書にあるように、磁界の強さHと磁束密度Bは
H=I/2πr
(A/m) I:電流(A) r:距離(m)
μ=4π×10-7として
B=2I×10-7/r (テスラ)=0.2I/r (μT)=2I/r (mG)となる。
3)E社の発熱パネルに流れる電流から試算した磁界密度
あるパネル「1709」はAC100V用で最大の消費電力は320Wと規定されている。
流れる流は単純計算で3.2Aとなる。
供給電源からパネルへ接続される2本の電線が、ばらばらに離れているとすれば、これらの電線から5cmの距離での磁界(磁束密度)は
B=0.2×3.2/0.05=12.80μT となる。かなり大きな磁界となる。
おなじく、10cmの距離では半分になり、6.40μTとなる。
この「1709」が複数枚使用して、縦続接続し、ある部屋に設置したとすれば、コントローラというかもっとも電源に近いパネルの入力端には、かなりの電流が流れる。
5枚のパネルを部屋に敷き詰めたとすれば、電流は16Aとなる。
この16Aが流れている電線からの磁界漏洩はさらに大きくなる。
実際は、2本のPとNの電線はそれなりに近接しているので、発生磁界はお互いに打ち消しあうことになり、5cm位の距離では、さほど大きな磁界にはならないと思われる。 でも確認が必要である。
記:計算式と計算の誤りがあり、訂正した。2006−6−12
4)8Aの交流電源が流れている並行電線の極近傍の磁界強度の測定の例
下図(図2)にその状態を示す。
AC100Vの交流電源に800Wの電気ストーブが接続されている。
電流計の挿入はないので、厳密に8Aの電流が流れているかは定かではない。
図の右側の測定器はEMDEXライトである(3軸、センサのサイズは直径7mm程度、先端の中央部にセンサがある)。
左側の測定器はトリフィールドメータである(3軸、センサのサイズは不明、センサは指針の根元に近い部分にあるとされる、このトリフィールドメータは問題があって、推奨できる測定器ではないが、この場合は使用できると判断)。
EMDEXのセンサ部と電線の距離は5mm程度、そして527mGを指示している。
トリフィールドメータの場合は、電線とセンサの距離がおおよそ5cm程度になっているので、50mG程度の指示値となっている。
図2
このように、通常の家庭にある電線(平行ビニール電線)の場合でも、電気ストーブなど消費電力が大きく、800W程度であれば、電線に8Aもの電流が流れ、平行電線なので、お互いに発生磁界は打ち消しあってくれるが、それでも、電線に図2に示すように近接し、小さいセンササイズを持つ磁界測定器で測定を行えば、かなり大きい磁界が観測される。
5)人体への曝露評価
床暖房システムの場合、意地悪試験としては、できるだけ小さいセンサをもつ磁界測定器で、コントローラの周囲、コントローラからヒータへの接続電線の部分、ヒータパネルとヒータパネルの接続電線の部分を、測定してみればよい。予想以上に大きい磁界が検出されるかも知れない。
最近発行された家電製品(冷蔵庫や電子レンジなどのいわゆるシロモノ家電)からの低周波磁界の測定法として、IEC62233がある。
この場合は、局部的な磁界、不均一な磁界分布を持つ場の測定は小さいループセンサではなく、ループ面積100cm2(直径約11cm)のセンサで、不均一な場を平均して測定することになっている。
これは、ICNIRPの電磁界曝露規定は、全身が均一な電磁界に曝露した場合の限度値として「参照レベル」が規定されていることからも、局部的に大きい磁界を検出するのではなく、ある程度の広さを持った場の平均で評価することが、適切であるとの判断に基づく。
したがって、電磁波を気にするが故に、磁界を実測するときに、小さいループセンサを持つ磁界測定器を使用した場合、かなり大きい値の磁界が指示されるかも知れないが、そうした場合は測定器の指示値だけで、一喜一憂しないことが望ましい。
作成;2006−6−6
掲載誌:電気学会論文誌A 125巻5号 2005年
タイトル:誘導加熱調理器近傍の加熱周波数磁界の測定と人体誘導電流推定
研究者:鈴木畝久、多氣昌生
概要:まとめの部分から
家庭用の誘導加熱調理器による磁界の人体曝露に関する評価を行った。
人体が、誘導加熱調理器に50mmまで近づいた状態では、入射磁束密度が局所的にICNIRP防護指針の参考レベルを超える場合があった。
ICNIRP防護指針では、磁束密度で表される参考レベルを超える場合は、本来の制限である基本制限を満たすことを確認する必要がある。
本研究では、誘導電流密度を計算して基本制限と比較し、表3に示すように誘導電流密度が基本制限より十分に小さいことを示した。すなわち、測定対象とした誘導加熱調理器からの磁界は防護指針を満たしている。<図表などは割愛>
私が読んだ範囲で、この研究は
1)IH調理器として20KHz帯域で動作するものと、オールメタル対応のために60KHz帯域で動作するモデルを選択。
出力は2KW。(3kWのものは2kWでの結果から推定が可能としている)
2)鍋の大きさは13cmおよび15cm (特記はないが、コイルの中心に鍋の中心を合わせていると推定)
3)人体としては腹の部分が調理器の外殻に5cmの近距離で、直立していると想定。
として磁界を実測(局所的な最大の磁界は10μTと16μT、センサのサイズは直径25mmの3軸)し、その結果に基づいて人体の誘導電流を計算したものです。
この研究によれば、IH調理器の発生磁界はICNIRPの参考レベルを局所的に超えるが、誘導電流を計算すればICNIRPの基本制限に合致している という結果です。
関心のあるかたは、この論文の全文原文を入手し、読んで下さい。
IH調理器の使用法で磁界の漏洩は大きくなる?
条件1.鍋を使用中に持ち上げた場合
調理中に鍋を持ち上げた場合、IH調理器からの磁界発生は停止します。
その停止までの時間はどの程度でしょうか?持ち上げた瞬間に磁界の発生が止まるのでしょうか?
以下はその一例です。とあるIH調理器の取り扱い説明書に記載されている部分です。
鍋をはずすと約1分後に通電が止まり、磁界の発生がなくなります、と。
鍋を手に持って持ち上げると、1分間は磁界が発生し続け、その間はそれなりの磁界を調理器の近傍にいる人は浴びることになります。 さて、どの位の量になるのでしょうか?確認してみる価値はあります。
条件2.鍋を揺り動かして使用する場合、
以下は同じ取り扱い説明書にあった例です。
炒め物をするときに、鍋を前後に揺り動かします。揺り動かす範囲はどの程度でしょうか?
あまり激しく揺り動かせば、「鍋がない」と検出し、通電は止まります。
鍋がないと判定しない程度に揺り動かすと、鍋は磁界発生コイルの中心に置くだけの場合と異なり、鍋がずれたときには磁界の人体暴露が大きくなると予想されます。
さて、こうした使用法の場合の磁界曝露はどの程度になるのでしょうか?
確認してみる価値はあります。
最近のIH調理器からの電磁波に関心が高まっていることからでしょうか、とある会社が専用のエプロンを販売していました。
http://dennjiha.maXXX.XXX/ にあった内容です。
>IH安心エプロン
>IHクッキングヒーター(IH調理器)専用電磁波防護エプロンです。
>IHクッキングヒーター(IH調理器)やIH炊飯器から発生する20kHz〜60kHzの低周波電磁波(磁界)を、・・・・で99〜99.9%カットします。
このエプロンの電磁波防護素材としての性能は30KHzといった磁界を99%カットしてくれるようです。
このWEBでは実際のIH調理器の前にエプロンを置いてその電磁波遮断効果も実測しています。
詳細の実測データ(IH調理器の前に人体ダミーを置いて、電磁界の測定を行ったデータ)を拝見すると、
IH調理器からの距離10cmで、人体のへその部分に相当する箇所では、エプロンなしで12.8マイクロテスラが、もっとも高価で遮断効果のあるエプロンでは、6.7マイクロテスラとなり、48%減となっています。30cmの距離では 4.7マイクロテスラが2.9マイクロテスラと、41%の減となっています。
素材としての99%という宣伝と、実際の使用条件では良くて40-50%という低減率の間に大きな乖離があります。
40%カットでも効果があると思う人は購入しても良いでしょう。
冒頭の宣伝にある99%カットを信じている人には冷や水です。注意が必要です。
どうも安全とは言い切れないようです。
以下は経産省のWEBにあったガスに関連する死亡事故の例です。
***************** ****************
平成18年7月14日 経済産業省
パロマ工業(株)製瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故の再発防止について
パロマ工業(株)製の半密閉式瞬間湯沸器のうち4機種について、これまでに排気ファンの作動不良により一酸化炭素中毒事故が発生していました。経済産業省としては、パロマ工業(株)に対し、上記4機種に類似の3機種を含めた7機種の点検を行うことを指示しました。また、同様の指示を都市ガス事業者及びLPガス事業者に対しても行っています。当該7機種を使用する消費者に対して、点検が終了するまでの間は、排気ファンが確実に作動していることを確認して使用するよう注意喚起します。
パロマ工業(株)が昭和55年4月から平成元年7月までに製造した半密閉式ガス瞬間湯沸器4機種(PH−81F、PH−101F、PH−102F及びPH−131F)につき、昭和60年〜平成13年までの間に排気ファンの作動不良による一酸化炭素中毒事故が16件発生し、合計14名が死亡しました。更に、平成17年11月末に至り、新たに1件の死亡事故が発生しました。
****************** **************
関心のある方は、経産省のWEBや関連のマスコミの報道をチェックしてください。
2006年6月のEMC−Jで発表された論文です。
研究者:太良尾浩生ら
タイトル:電磁調理器からの中間周波磁界による成人及び小児モデル内の誘導電流解析
概要:
電磁調理器から発生する中間周波磁界によって、それを使用するヒトの体内に誘導される電流を調査するために、人体数値モデルを用いてモデル内誘導電流の数値解析を行った。
解析には、電磁調理器周辺の磁界測定結果から得た磁気モーメントを組み込んだ。
また、人体モデルは日本人における男女の成人と小児の合計4モデを使用し、モデルの体形や大きさの違いによる体内誘導電流への影響を検討した。
この結果、男女の体形や固有組織の違いによる体内誘導電流分布への大きな影響はなかつた。
しかし,成人モデルと小児モデルでは、磁界源と人体モデルとの相対的な位置関係が異なるため、各組織における誘導電流が大きく異なることが分かった。
特に、神経系組織における誘導電流は、磁界源が近い小児モデルの場合が成人モデルの場合よりも2.4-7倍大きくなることが分かった。
********** 概 要 終 わ り ********
この論文を読むと、小児モデルの場合の最大の誘導電流は20mA/m2と計算されている。
この値は、この論文によれば「小児の誘電率が成人のそれよりも大きい可能性があることが報告されている。
したがって小児の場合、この20mA/m2という本報告の数値よりも大きくなる可能性がある。
今後も継続した検討が必要。」ということになっている。
ちなみに、ICNIRPの電磁界曝露ガイドラインによる制限値は20KHzの磁界に関しては40mA/m2である。
この結果は、ICNIRPの基本制限に対して「50%もしくはそれを超えるかもしれない」 という報告です。
詳細は、関心のある方は、原著・原文を入手して読んでください。
作成:2006-10-29
ガウス通信81号 2006年10月10日発行には、IH調理器からの電磁波に関する記事が掲載されています。
関心のある方は、詳細は、当該の冊子を入手して読んでください。
その記事の概要です。
記事の見出し: 業務用電磁調理器の計測、家庭用よりは低かったが、オール電化が推し進められる病院、学校の調理室
*東京近郊の病院の調理室にある業務用IH調理器からの電磁波を実測した。
*調理器の出力は3KWのものと5kWのもの
*使用した測定器は4090型
*5kWのIH調理器からの磁界 距離10cmで19.8mG 30cmで5.2mG
*3kWのIH調理器からの磁界 距離10cmで8.2mG 30cmで2.0mG
*これらの結果は家庭用IH調理器より低い
*ICNIRPのガイドラインの62.5mGは、距離10cmまで近接しても越えなかった。
さて、この情報で、大きな誤りがある。
IH調理器からの磁界漏洩は、50Hz・60Hzなどの商用周波数の磁界の漏洩と、20KHzといったIHの動作周波数の磁界の漏洩がある。
50Hzの磁界にICNIRPの参照値は1000mGであり、20KHzの磁界の参照値は62.5mGである。
磁界測定器4090型の測定周波数範囲は30Hzから900Hzである。
したがって、上記測定の19.8mG云々は、50Hz・60Hzの磁界を測定しているだけである。 その50Hzの磁界の測定値を20KHzの磁界の参照値と比較することは正しくない。
IH調理器からの磁界で把握すべき電磁波は20KHzなどの磁界の量である。
この肝心の磁界を測定していないのは、電磁波の測定・評価としては不十分であり、「距離10cmまで近接してもICNIRP参照値を超えなかった」というこのガウス通信の結論は正しくない。
作成:2006−12−1
この報告書(報告書に発行日時は記載されていないが、計測日と本日までの間に発行されたと推定)によれば、以下のデータとなっている。
業務用IH機器を対象に、周波数別の磁束密度を精密に計測した。
■計測日:2006年10月3日(火)
■アンテナ設置の高さ:0.83m
■IH加熱部中心からアンテナまでの距離:32cm
■使用したなべの大きさ:なべ大(底面の直径30cm)、なべ小(底面の直径14cm)
ICNIRPのガイドラインでは、0.8kHz〜150kHzの周波数帯域の規制値は磁束密度で6.25μT(マイクロテスラ)である。
図にあるように1軸のセンサ(本来は3軸であるべき)で調理器の外殻に密着して測定されている。
なべ1個 (大:30cm) 火力設定:最大レベル10 29.41kHzの磁界は 1.01μT(10mGと等価)
なべ1個 (中:14cm) 火力設定:最大レベル10 24.79kHzの磁界は17.6μT (176mGと等価)
測定状況
関心のある方は、詳細は、市民科学研究室の報告書を入手して読んでください。
BEMSJのコメント:
このような測定を行うのであれば、3軸で測定を行うか、1軸ループアンテナの場合は、X・Y・Z軸方向で測定を繰り返して、その合成値を得るべきです。
写真で示す方向の軸に磁界が最大に漏れているとは限りません。
もしかして最大値の測定をもらしているかも知れず、3軸で測定を行えば、もっと厳しい値が出るかもしれません。
EMCJのちょっと古い発表にあった内容です。
IH調理器からの磁界による誘導電流が、ICNIRPの規定を超える可能性がある ということでちょっと重要な研究です。以下に示す概要しか入手できていませんが、原文(全文)を入手する必要があります。 作成: 2007−3−26
********** ***********
掲載誌:信学技報, Vol. 105, No. 454, EMCJ2005-115, pp. 7-10,
2005年12月
タイトル:IH調理器近傍におかれた人体の磁界曝露評価に関する検討
研究者:伊藤邦彦・上村佳嗣・山田芳文(宇都宮大)
概要:
本研究では,IH調理器などから生じる磁界における,人体磁界曝露評価に関する検討をSPFD法を用いて行った。日本人成人女性モデル,アメリカ人成人男性モデルの2種類の解剖学的人体モデルを用いて,モデルの違いによる最大誘導電流密度の比較を行った.
また誘導電流密度の面積1cm2での平均化を行い,ICNIRPのガイドラインとの比較を行った.
その結果,人体モデルによって最大誘導電流密度に大きな差異が生じること,ポータブル型IH調理器を用いた場合,鍋の種類や人体組織によってはICNIRPのガイドラインを超える電流が流れる可能性があることを確認した.
さらに人体モデルを波源の上下で分割したことによる計算負荷の低減について検討を行った.その結果,人体モデル分割によって計算結果の差異がほとんど生じることなく,計算負荷の低減につながる結果が得られた.
******** ***************
作成: 2008−1−11
掲載誌:電子情報通信学会 信学技報 EMCJ-2007 - 6 (2007- 04)
タイトル:オールメタル対応型電磁調理器から発生する磁界測定(その2 )
研究者:芳賀昭 ら(東北学院大学工学部)
あらまし
3種類の最新のIH調理器から発生する漏洩磁界分布が測定され、旧型の前回報告と比較した。
最新の励磁周波数が20kHzと90kHz(オールメタル対応型)のIH調理器の漏洩磁界分布の特徴が比較され,その違いについて3次元磁界解析により検討した。
まとめられた測定結果は、ICNIRP の公衆防護針値と比較され、最新のIH調理器が発生する漏洩磁界のレベルの把握と、IH調理器に暴露された人体の体内誘導電流の検討に有用であると考えられる。
まとめ
励磁周波数がSUS鍋用では20kHz、オールメタル対応では90kHzに高周波化した最新の2種類のIH調理器と,他のメーカーのSUS鍋用の20kHzの励磁周波数をもつIH調理器から発生する磁界を測定した結果、以下のことがわかった。
(1)2種類の機種とも、AL製の小鍋を載せた場合はSUS製の小鍋を載せた場合に比べて漏洩磁界が小さい。
この結果は、数値解析の結果と傾向が一致しており、鍋がALの場合はSUS製に比べて、磁気抵抗が大きくなるため、鍋を通過する磁束量が少なくなった結果、漏洩磁界が小さくなったと考えられる。鍋がALの場合、熱効率が大きく下がることが確認できたが、熱効率と漏洩磁界の関係性は確認でできていない。
(2)SUS製の鍋を載せた場合、機種B・機種Cは機種Aに比べ漏洩磁界の範囲が広く、機種間に差が認められた。
(3)AL製鍋同士で比較すると、機種Bの方が漏洩磁界の範囲が広く、機種間に差が認められた。
(4)前回の報告と今回の測定結果を比較した結果、機種A・機種Bとも、今回のオールメタルル(新型90kHz)は、旧型60kHzに比べて漏洩磁界は、機種Aでは小さくなり、機種Bでは大きくなった。
SUS製の小鍋の場合(20kHz)の漏洩磁界の今回の測定結果を前回と比較すると、機種Aでは顕著な差が認められず、機種Bでは前回よりやや大きくなる傾向が認められた。
(5)今回の近磁界プローブにより測定した結果では、IH調理器から300mmの距離における漏洩磁界強度(IEC62233に準拠)はいずれの機種もICNIRPの公衆暴露レベルを下回っていた。
関心のある方は、原著・全文を読んでください。
記:2010−11−17
Federal Office of Public Health (FOPH)(公衆衛生に関するスイス連邦事務局 とでも訳す?)が発行したInduction hobs(IH調理器)に関する報告書・見解にあった実測結果です。
この文書の発行年は当該のページには記載されていません。 2010年11月のログです。
参照URL:http://www.bag.admin.ch/themen/strahlung/00053/00673/03156/index.html?lang=en
以下の図は、適正な鍋を調理器の中心に置いた場合と、不適切な鍋を調理器の中心からずらして置いた場合の、磁界曝露を距離を変えて測定した例です。
不適切な場合は、25cm以内の距離ではICNIRP(1998年 全身平均曝露に関する規定)の一般公衆に対する限度値6.25μTを超えることがわかり、距離が1cmと近接した場合は、6倍の曝露となることが示されている。

Figure 4: Stray
fields were measured at a distance between 1 and 30 cm with appropriate,
centered pans and inappropriate, off-centre pans.
関心のある方は、上記の報告書原文をダウンロードして読んでください。
記:2010−11−18
以下の報告書を入手しました。
タイトル:B-Field Exposure From Induction Cooking Appliances
研究者:Clementine Viellard, Albert Romann, Urs Lott, and
Niels Kuster
発行:Zurich, July 2006 (revised July 2007)
スイスでもIH調理器が用いられているので、この調理器からの電磁波に関する調査が行われ、74ページの報告書になっています。
様々な条件で調理器の近傍の磁界強度を測定しています。
結果は
・EN50366に規定する測定法(距離30cm、鍋は中心に合わせて置く)によって測定すれば、ICNIRP(1998年)の限度値(一般公衆に対する価:6.25μT)を超えない。
・しかし、最悪の条件(鍋を中心からずらして置いたり、鍋のサイズや底面の状況が変化したり、30cmより近距離で測定)では、6.25μTを大きく超える場合がある。
関心のある方は、上記の報告書を入手して読んでください。
以下に最悪の条件でのデータの一例を示します。
グラフが鮮明ではありませんが、 距離30cmでは6.25μT以下、10cm、5cm、1cmでは大きく超えていることが判ります。

記:2009−7−17
http://next-up.org/Newsoftheworld/CompactFluorLamp.php にあった内容
********** 一部 引用 **********
Low-energy bulbs: a not-so-bright idea
1st Record : radiation level 192,3 V/m:
"Great"!!

*************** *******
電球型蛍光灯から最大で192.3V/mの電界を検出しています。
測定器は何か?
測定器の型式などはサイトには記載されていません。
このサイトにある他の写真からArnouxというブランド名が見えました。
そこで、この1−2時間かけて、測定器関係のサイトをサーフィンし、探してみました。
フランスの測定器会社のサイトで、Arnouxブランドの電磁界測定器として。CA-43という型名の電界測定器であることを見つけました。
このCA-43は、測定可能周波数範囲が100kHzから2.5GHzの広帯域電界測定器のようです。周波数分析などは不可能なもののようです。
100kHz以上の高周波電界測定器とうことから、192V/mという指示とが出ているので
もし電球型蛍光灯から100kHzから1MHzの間の周波数の電界放射があると仮定すると
ICNIRPの一般公衆に対する100kHzから1MHzの電界限度値は87V/mであるので、越えてしまいます。
(ICNIRPの規定は全身平均曝露なので、192V/mの局所だけではなく、全身に相当する空間分布を測定して、平均を出す必要があります。)
さて、それでは、電球型蛍光灯のインバータ周波数は、幾らなのでしょうか?
ネットでちょっと検索しただけでは、周波数は判りませんでした。
多分、100kHz以下なのではないかと、想像します。
どなたか、電球関係・照明関係の会社の方がおられれば、周波数を教えてください。
電球型蛍光灯のインバータ周波数が100kHz以下であるとすれば、このフランスの環境庁の測定と報告は、恥ずかしいレベルのものとなります。
192V/mという大きな値が出たのであれば、測定器の性能などを勘案して、正しく測定がなされているかを、周波数分析の可能な測定器で、再度、確認を行うのが、一般的な測定手順です。
この種の広帯域電界測定器は、測定保証周波数範囲外の電磁波も拾って、誤動作することが良くあるからです。
同じような情報が他にもあります。
暮らしの中の電磁波測定 (電磁波問題市民研究会著) 緑風出版 では、
>インバータ式蛍光灯 高周波 測定結果
>===============
>直 230−270V/m (270V/m=19366μW/cm2)
>30cm 48.0−70.0V/m (70V/m=1299μW/cm2)
>===============
この測定にも疑義があります。
暮らしの中の電磁波測定の本の中に、使用した測定器の型名が記載されています。
高周波電界測定 NARDA社 EMR-300 と
このEMR-300の仕様は、手元のカタログによれは、使用するプローブによって異なりますが、低い周波数まで測定できるものを選択していると想像して、100kHzから3GHzです。
ダイオードを使用した検波方式で、広帯域電界測定器で、周波数分析はできないものです。
ArnouxのCA43と類似の機能です。
電磁波問題市民研究会が測定したインバータ蛍光灯の周波数は幾らでしょうか?
本の中には、周波数に関する記述はありません。
私も専門外で、インバータ蛍光灯のインバータ周波数がどの程度か判りません。
もしかして、100kHzは越えていないのではないかと思います。
もし、100kHzを越えていないとなると、100kHz以上の周波数を測定する測定器で、230〜270V/m という想定結果は信頼できない値となります。
フランスの測定と同じで、正しく測定を行っていない ということになりかねません。
追記: 2009−7−25
インバータ式蛍光灯のインバータ周波数はいくらか? 探ってみました。
ある情報源では、インバータ周波数は40kHzと明記してありました。
パナソニックや東芝の照明器具関係のサイトを見ました、インバータ周波数は明記されていませんが、低電磁波型インバータ蛍光灯照明器具の概要を示す頁では、電源線への伝導雑音の測定データが開示されていました。この開示データから、インバータ周波数は、40−50kHzの間、70kHz前後と読むことができました。
したがって、インバータ蛍光灯のインバータ周波数は100kHz を越えない と言えそうです。上記のフランス環境省のサイト、電磁波問題市民研の測定結果を述べた本の内容は、明らかに不正確であり、誤りといえます。
ただ、残念なのは、それではこれらのインバータ周波数の電界測定で、正しいデータはどの位か? そうしたデータは見つかっていないことです。
作成:2009−12−11
インバータ蛍光灯照明器具の電磁界、特にインバータ周波数帯域の電界はどの程度かに着目して簡単な測定を行った。
測定器で、EMDEXは手持ちのものを使用し、FD2は日本の代理店である東陽テクニカ社から借用した。
$1.測定器
コンビノーーバ社製Field Detector2(FD2) (日本における販売代理店:東陽テクニカ)
測定周波数:2kHz−400kHz
電界:1軸センサー 最大値:1000V/m
磁界:3軸センサー 最大値:10μT
写真に示すように、LEDによる段階的な表示を行うもので、おおよそのレベルは測定可能であるが、細かい桁数字までは読み取れない。
センサーサイズは明示されていないが、測定器の大きさから推定して、数cm(1-2cm程度かも)程度である。
よって機器の近傍の局所的な不均一な電磁界の検出には好適なものである。

測定器 FD2 外観 FD2 表示部(取扱説明書から抜粋)
参考に、同時に低周波磁界も測定した。
Enertech社製 EMDEX-lite
測定周波数:40Hz−1000Hz
測定限界:700mG
センサー:3軸
センサーサイズは公表されていないが、情報によれば直径7mm程度と小さく、機器の近傍の局所的な不均一な磁界の検出には好適なもの。
$2.測定場所 測定条件
・BEMSJの自宅の居間、畳の部屋に30cm程度の高さの木製の座卓を置き、その上に供試機器を乗せた。
・電源電圧は100Vであるが、特に電圧値は確認していない。
・機器の周囲4面と上面 約1m以内には金属などはない、測定を行ったBEMSDJ以外の人はいない。
・電源ON後、3分程度の時間経過後に測定を開始した。特別に予熱時間が考慮しなかった。
・FD2の電界測定はグランドレファレンス機能があるが、グランドはとれないので、グランドレファレンス機能は利用していない。
$3.被測定物
1)家庭用蛍光灯スタンド コンパクト蛍光灯用 Y社製 定格:AC100V 27W 型名:明記なし 1年くらい前に購入
2)同上 S社製 定格:AC100V 17W 型名:KS-1524K 15年程度以前の購入品 インバータ点灯スタンドであるが、蛍光ランプは従来タイプ15W
$4.測定結果
1)Y社製コンパクト蛍光灯スタンド
*EMDEX Liteによる低周波磁界の測定
スタンドンの台座付近の測定
前縁に測定器を密着 左右に動かして最大値を検出 中央よりやや左よりで最大 356mG、
最大点より左に3cm移動 136mG
最大点より右に2cm移動 221mG
最大点において、前縁から距離を取る 2cm離す 99mG 、5cm離す 57mG、10cm離す
14mG、 15cm離す 5mG
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定器を密着して最大値を検出、中央よりやや左側で最大700mGを超えた。
この最大点からの距離減衰特性は、ランプ部を真上に設定し、最大点の箇所から上方に距離をとって磁界を測定した。
距離1cm 230mG、 距離2cm 160mG、 距離3cm 95mG、 距離5cm 40mG
ランプ部からの低周波磁界漏洩は、距離0cmでサーチしても、1mG程度
<BEMSJ注:スタンドの台座の左部分にチョークコイルでもあって、60Hz低周波磁界を漏らしているのかも知れない。>
*FD2によるインバータ周波数磁界の測定
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、10μTを越えた。最大値の箇所から5cm距離をとると2μT
ランプ部 距離0cmでサーチする、最大で1μT程度
*FD2によるインバータ周波数電界の測定
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、最大で600V/m。、最大値を得た箇所で5cm距離を取ると30V/m
ランプ部 距離0cm 1000V/m以上、 距離5cm 300V/m、距離10cm 150V/m、 距離15cm 100V/m
Y社製スタンド EMDEXで前面で最大値

Y社製スタンドEMDEXで台座の上部で最大値
Y社製スタンド 台座の上部をFD2で測定
2)S社製インバータ点灯蛍光灯スタンド
*EMDEX Liteによる低周波磁界の測定
スタンドンの台座付近の測定
前縁に測定器を密着 4面周囲で最大値をサーチ 右側側面やや後方で最大11mG
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、左側で最大140mG、この地点から5cm機器から離れて7mG
ランプ部 サーチするが、どこでも概ね1.3mG程度
*FD2によるインバータ周波数磁界の測定
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、右側で10μTを越えた。 最大値の箇所から5cm距離をとると4μT 10cmの距離で1μT
ランプ部 距離0cmでサーチする、最大で2μT程度
*FD2によるインバータ周波数電界の測定
スタンドの台座の上面(スイッチなどのある曲面部)付近の測定
測定きを密着して最大値をサーチ、最大で400V/m、 最大値を得た箇所で5cm距離を取ると80V/m
ランプ部 距離0cm 1000V/mを越えた、 距離5cm 150V/m 、距離10cm 100V/m、 距離15cm 50V/m

S社製スタンド 台座の左側面 EMDEXで最大値
3) 2台の卓上スタンドを同時に点灯した場合 1列に配列
台座部分からの輻射の合成
Y社製とS製の卓上スタンドを1列に並べて、台座の部分の中間地点に測定器を置いて、2台のスタンドをON・Offして電磁界の強度を測定した。
|
S社製 |
Y社製 |
EMDEX |
FD2 電界 |
FD2 磁界 |
|
Off |
Off |
1.2mG |
0.4V/m |
6nT |
|
On |
Off |
1.2mG |
30V/m |
150nT |
|
Off |
On |
6.8mG |
30V.m |
150nT |
|
On |
On |
6.8mG |
40V/m |
200nT |
ランプ部からの輻射の合成
Y社製とS製の卓上スタンドを1列に並べて、ランプとランプの中間点から下方に約10cmの箇所に、測定器FD2を置いて、2台のスタンドをON・Offして電磁界の強度を測定した。
|
S社製 |
Y社製 |
FD2 電界 |
FD2 磁界 |
|
Off |
Off |
0.4V/m |
4nT |
|
On |
Off |
50V/m |
80nT |
|
Off |
On |
100V.m |
100nT |
|
On |
On |
100V/m |
100nT |
|
S社製 |
Y社製 |
FD2 電界 |
FD2 磁界 |
|
Off |
Off |
6V/m |
4nT |
|
On |
Off |
60V/m |
80nT |
|
Off |
On |
100-150V.m |
150nT |
|
On |
On |
100-150V/m |
150-200nT |
スタンドを対向配列 間にFD2
$5.考察とまとめ
1)ICNIRPガイドライン
ICNIRPの1998年電磁界ガイドラインによれば、一般公衆の曝露限度(参照レベル)は以下である。
50Hz 磁界 100μT(1000mG)
3kHz〜150kHz 磁界 6.25μT 電界 87V/m
ただし、これらの参照レベルは全身均等曝露という条件である。
今般の測定は局所的な測定であり、測定結果をそのままICNIRP限度値と比較することはできない。
今般の測定を、幅広い範囲で空間分布を測定し、その平均値を得ることができた段階で、ICNIRP限度値と比較することになる。
しかし、この報告では、簡易的に、過剰なサイドへの評価ということで、局所的な電磁界強度値をそのままICNIRP限度値と比較を行う。
2)低周波磁界(50-60Hz)
Y社製、S社製スタンド共に、インバータ点灯方式であるが、多分、AC50-60Hz入力部にチョークコイル(ラインフィルタ)でもあるのであろう、50-60Hz磁界が検出され、筐体に密着して最大点の探れば、かなり大きい、局所的な磁界が観測された。
距離を数cm離せば減衰するので、大きな問題ではないと考えるが、卓上スタンドの場合、机上にスタンドを置き、頭部をスタンドに近づけて、居眠りするケースなどを考慮すると、Y社製のスタンドの低周波磁界の漏洩は決して小さいとは言いがたい。
3)インバータ周波数の磁界
Y社製:台座の部分から 10μTをオーバー、(5cm離れて2μT)、 ランプ部 1μT
S社製:台座の部分から 10μTをオーバー、(5cm離れて4μT)、 ランプ部:2μT
S社製・Y社製とも台座の部分で密着して測定した場合、共に測定限度値の10μTを超えた。ICNIRPの限度値を超えた。
距離減衰があるので、大きな問題ではないと考えるが、卓上スタンドの場合、机上にスタンドを置き、頭部をスタンドに近づけて、居眠りするケースなどを考慮すると、これらの卓上スタンドの台座付近から局所的に漏洩するインバータ周波数磁界の漏洩は決して小さいとは言いがたい。
蛍光灯のランプ電流はさほど大きいわけではないので、検出された磁界は、ランプに密着して測定しても、さほど大きい値ではなかった。
4)インバータ周波数の電界 今回の測定の主眼であったテーマ
インバータ回路があると思われる箇所(台座など)からの漏洩電界は
Y社製:距離0cm 600V/m 距離5cm 30V/m (モールドキャビで筐体が小さいので、漏洩電界が大きい?)
S社製:距離0cm 400V/m 距離5cm 80V/m
インバータ出力部の駆動電圧は2社ともに多分、同じレベルと推定できる。
出力部と筐体外部までの距離の違いや筐体のサイズの違いなどで、200V/mから600V/mとレベルが異なる、距離5cmになれば、ほぼ同じレベルになっている。
密着時はICNIRPの値を超えるが、距離減衰、空間平均をとれば、問題ないレベルと思われる。
ランプ部からのインバータ周波数電界
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距離 0cm |
5cm |
10cm |
15cm |
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Y社製(二つ折り) |
1000V/m以上 |
300V/m |
150V/m |
100V/m |
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S社製(直管) |
1000V/m以上 |
150V/m |
100V/m |
50V/m |
10cm程度の距離でもICNIRP値を2社ともに超える。
グランドレファレンス機能が生かせる測定場所での再測定が肝要かも知れない。
センサーサイズ10cmといった汎用の電磁界測定器で測定した場合でも、距離10cmでは100V/m程度の電界の値が観測されるかも知れない。
フランスで「インバータ蛍光灯から異常な電界192V/m」と騒がれたことがあったが、局所で測定した値が大きい、ICNIRPを超える ということはどうやら事実といえる。
5) EMDEXの測定単位はmG,、FD2の磁界測定単位はμTである。この報告書では単位の換算・統一は行っていない。
6)卓上スタンド2台を近接して配列した場合に、2つの放射源からの電磁界が加算されるかを調べた。
・台座部分から漏洩する低周波磁界、インバータ周波数電磁界は極めて局所的であるので、それらが単純に加算されることはない。 総和は若干大きくなる程度である。
・ランプ部から漏洩するインバータ周波数電磁界も、単純に加算されることはなく、若干総和値が増加する程度である。
記;2012−5−21
平成23年度電力設備電磁界情報調査提供事業(情報調査事業)調査報告書
平成24年2月
株式会社 野村総合研究所
経産省の委託によるという報告書に記述されている以下の報告書に、気になる記述がある。
電磁界曝露の健康リスク評価に関する欧州ネットワーク(EFHRAN: European Health Risk
Assessment Network on Electromagnetic Fields Exposure)の「欧州連合における曝露水準についての報告書
第2部:超低周波電磁界」(2011年6月)からの抜粋
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B 人々が接する屋外・屋内環境の典型的なELF曝露(Typical
ELF exposures in the ambient outdoor and indoor environment of the population)
省エネ電球が生み出す電界の調査では、17種のうち9種が87V/mを超え、最大は216V/mとばらつきがあり、省エネ電球が最初からICNIRP勧告を遵守しているとはいえない。
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詳細は記述されていませんが、最後の「ICNIRP勧告を遵守しているとはいえない。」は重大な意味を持っています。
記:2009−11−18
以下のちょっと疑問のある研究があります。
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掲載:財団法人エム・オー・エー健康科学センター 研究報告 研究報告集 第3巻(平成6年度)
タイトル:生活環境因子と花粉症
研究者:宮田幹夫、難波龍人、堀内浩史、中山智人、阿部充志、樋口裕彦 (北里大学医学部眼科学教室 )
概要
アレルギー疾患の著しい増加の原因として生活環境を考え、抗スギ花粉血清投与モルモットにスギ花粉を点眼して起きてくる実験的花粉症に対する環境汚染物質の関与を明らかにするために研究を行った。
その結果、飲料水中のトリハロメタンでは0.1ppm、大気中パラジクロロベンゼンでは3.2ppbで増悪作用が認められ、他微量な人工着色料タートラジン、アマランス、食品保存料BHA、タバコの煙でも増悪作用が認められた。
その他テレビジョン画面前にモルモットを置くと非常に症状が悪化した。
画面から放射される電磁波が原因となっていると推測して電磁波曝露を行ったところ、著明な増悪作用が認められた。
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関心のある方は、上記の論文(全文)を入手して読んでください。
BEMSJの関心は、上記の概要の最後の2行です。
テレビ受信機からの画面から放出される電磁波で花粉症が象悪するという点です。
報告書(全文)を読むと、厳格な実験の図は記載されていないので、不詳ですが、テレビ受信機2台の間にモルモットを飼育して、花粉症への影響を見た模様。
モルモットは病理学の実験動物としてよく用いられており、ジフテリアの病原体はモルモットを用いた研究によって解明された。
実験動物の主役はマウスやラットなど、より小型の齧歯類に取って代わられたものの、その生理学的な特性によってアレルギーに関する実験などには欠くことのできない動物種として存在している。
モルモットが特に実験動物として優れている点として、ヒトと同様にL-グロノラクトンオキシダーゼと呼ばれるブドウ糖をビタミンCに変換する酵素を持っていないため、ビタミンCを体内で生成できないこと、薬物に対する感度が高いことが挙げられる。
昔、ある獣医大学関係者から「ラットは、長い間人工飼育され、種としての保存のみに力点が置かれ、動物実験用としてのみ飼育されてきている。
したがって、眼の機能は退化しており、眼の機能に関する動物実験としては適さない」ということを聞いています。
モルモットの眼はどうか? これは聞いていないので判りません。
1970年頃に電子レンジからのマイクロ波漏洩による白内障発症のリスクに関する多くの研究が行われていますが、これらの研究では、「眼の構造がヒトの眼に近い」という理由で家ウサギ利用されています。
化粧品などの安全性を確認するために行われる動物実験の場合、眼への影響を検証する場合は、家ウサギを用いているようです。
したがって、上記の北里大学の研究は、モルモットで行われていますが、モルモットの眼の機能が大丈夫かの確認と、家ウサギで再度、きちんとした実験を行わないと、なんともいえない といえます。
「超音波などの問題も残されており、今後、電磁波発生装置を作成し、同様に曝露して、検討を加えたい。」と1994年のこの北里大学報告は述べている。
鼠の種では、人間の耳には聞こえない著音波を聞くことができるとされます。
テレビ受信機からは15.75kHzの振動(音)が発生する可能性があり、モルモットはこれを嫌ってストレス反応を起こしている可能性もあります。
それから15年以上経過しているが、北里大学の研究による「電磁波発生装置による研究」は行われているのであろうか? これまでの検索では見つかっていない。
記:2011−10−7
2011年10月5日の夜、犬山市のホテルに一泊しました。
ホテルの部屋に置いてあった空気洗浄機の発生磁界を、持ち合わせた測定器で測定してみました。
対象とした機器: 空気清浄器 三洋電機製 モデル:ABC―R33(S)
モード:静穏に設定
正面から約15cmの距離で、上下左右に測定器を動かして測定しても トリフィールドメータ(トリメ)でもEMDEXライトでも ほぼ同じで17mG程度。
正面に密着すると、EMDEXライトの最大測定可能磁界の700mGを超える磁界を漏洩している。
モード:急速に設定
正面から約15cmの距離で、上下左右に測定器を動かして測定しても トリフィールドメータ(トリメ)でもEMDEXライトでも ほぼ同じで24mG―29mG程度。