「フォーメンテラレディ」
サボテンや松のその果てに
漆喰で固めた家々が淋しげな海岸線を囲むように立つ
かぐわしいセージや珍奇な薬草類の育つこの地を私は彷徨い歩く
強い日差しの崩れかけた石ころ道を下って
陽光の中 錆つき埃まみれの立てかけられた車輪
スペイン蜥蜴が這う煙草色の土壁
ドラゴン無花果の葉陰 ここで私は涼む
蟻の群に囲まれ人について思いに耽りながら
陽が沈むまでは 古びた弦をゆるめていよう
陽の高いうちは あくせくはしたくない
フォーメンテラレディ 貴女の歌を聴かせてくれ
フォーメンテラレディ 愛しい人
ランプの火が旅人達のかき鳴らす古いギターを照らす
インディアンドラムにあわせ踊る焚香の子達
オデッセウスはこの地で邪悪なキルケに惑わされ
彼女の色香もその残された呪文とともにいまだ消え残る
陽が沈むまでは 時の魔手から逃れられよう
星の輝くうちは 解き放たれ自由だ
フォーメンテラレディ 貴女の踊りを見せてくれ
フォーメンテラレディ 邪悪な人To Top
「セイラーズテール(船乗りの話)」
「レターズ(手紙)」
羽軸に銀のナイフを使い
女が削り出した毒のペン
恋しい人の妻に宛ててこう書いた
「あなたの夫の宿した種が私の中で育っています」
まるで癩者の顔のように
それは優美な手紙を汚らわしいものに変えた
妻は喉に石が詰まったように息苦しく
目は涙で盲い闇雲に一日走り回った
氷の釘に突き刺され
エメラルドの炎に晒されて
雪の様な魂を持った妻は
きっぱりとした手つきで書き始める
「私はいたって平静です
男どもに仕える人生なんてもう沢山です
あなたに捧げた私の人生もお終いです
朽ちるべきこの肉体とお別れを致します」
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「レディーズオブザロード(ツアー先の女)」
聖なる水のように可憐な
花の精の娘が言った
「私は校内新聞の記者です
教えて欲しいんですけど」
勿論僕は教えてやったさ
二本指立てたリーヴァイス娘が言った
「ピース!」
僕は立ち止まってキスしてやった
「私は婦権主義者よ」
微笑んでジッパー下ろしてやった
乱れ飛び込み中国娘
黒髪と黒の靴下止めで言った
「楽しませて 降参しないで
貴方のフェンダーを感じているのが好きなの」
君らもみんな分かっちゃいるけど言っておく
ツアー先の女らは若い頃盗み喰いした林檎みたい
君らもみんな知ってるだろうが
ツアー先の女らはケツは軽いけどウソは通じない
吸いすぎ石コロシスコの朦朧娘
僕のあげた肉を全部平らげた
今度は君を食べてもいいかなって言ってやった
この風味が堪らないんだ
「マロングラッセのような口当たり
魚の骨のように喉に刺さるレディ
さあ ツアーに出発だ」
君らもみんな分かっちゃいるけど止められない
ツアー先の女らは若い頃盗み喰いした林檎みたい
君らもみんな知ってるだろうが
ツアー先の女らはケツは軽いけどウソは通じない
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「プレリュード:ソングオブザガルズ(前奏曲:カモメの歌)」
「アイランズ (島々)」
海に囲まれた大地と小川と木々
私の島から砂を洗い流す波
夕焼けは闇に溶けていく
畑地や林の空き地はひたすら雨を待っている
一粒ごとの愛憎の雨粒は
風化しくたびれたこの壁を浸食していく
時流を退け島への風を受け止めてきた
この私の壁を
カモメ達が滑空し旋回する
すさんだ花崗岩の登り道
私の島中に悼ましそうに響くその鳴き声
淡く湿った夜明けの花嫁のヴェールが
陽の光の中に溶けていく
愛憎の網が張られ−猫は追い鼠は逃げ
もつれ合った茨が輪をなすばかり
フクロウが私の意志を見抜いているというのに
菫色の空よ
私の島に届け 私に届け
風を受け潮目が変わる所
永遠に続く安らぎ
島々は手を携えあう
天の大海の下で
暗い港の突堤は
私の島から懸命に伸びる指のよう
この浜辺にちりばめられる真珠やひさご−
船乗りの言葉を掴みこまんばかり
愛憎は皆に等しく
全てが島の円環に閉ざされている
大地と小川と木々は海に還っていく
波は私の島から砂を洗い去る
私から
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