| Last Update 2008.7.19 by K.T. |
| 「パイレーツ」(海賊) by P.シンフィールド 「一山当てたい奴はいるか」船長が叫ぶ 「悪魔に乾杯 船倉に金杯 海原に艦隊 いい目を見たいって この旗の下で働くがいい 砲弾をぶっぱなしたいって 船団でいっしょしようぜ 連れてってやるぞ 叶えてやるぞ 何もかもが夢見た通り」 「砲身をきつくしっかり キューバ沿岸の6日の航海 「なんとかお助けを」ガリオン船の哀願者 錨を下ろした月夜の入江は藍 「七つの海を我が物顔 「亭主よ ワインは上物にしろよ 「黒に10枚張ってフランス人をのめすのだ 「この仲間はいつか戻ってくる 「わしと乾杯する奴はいるか 「スティル・ユー・ターン・ミー・オン」 by G.レイク ギタリストに 僕が横たわる 歌い手に
「用心棒ベニー」 by P.シンフィールド ベニーはダンス・パレスの用心棒 ジジババだろうとスキあらば切り刻む 半ポンドだろうとはした金で裏切る 我こそ一番のワルと思っていた 非道のシドニーと会うまでは シドニーは根っから悪漢メキシカン ギネスをベニーのブーツにぶっかける ベニーがシドニーを一瞥 シドニーは瞬時に睨み返す シドニーは飛び出しナイフを取り ベニーは冷めたミートパイをつかんだ おお、何たる悲惨なありさま 皆のはしゃぎざま 喧嘩地獄の1コマ シドニーは斧をつかんで頭にぶち込む ベニーの出血に皆は息を呑む ごろつきも年貢の納め時か メチャメチャのパレスからばらばらの彼を引き出し 元に合わそうと皆は肉片をくっつけ出す だけどいくつか足りなくって とうとう「彼の一部」は間に合わなかった 今じゃ神様のために働いてて ベニーはサンタ・ペテロ門の用心棒 Palais de Danseはフランス語で気取って言ってはいるが、ダンス・パレス。川原訳のパレドダンスではわかりにくかろう。Grannyは川原訳では「騒ぎ立てる奴」だが、こういう俗語でもあるのか、辞書では爺さん婆さんだ。また、nasty rootsが「危ないタバコ」というのも根拠不明。そんな根拠不明が多い。たいした詞ではないが著名曲。ここは一番ただしておかねばならぬ。 ホンキートンクの曲調に似合わずここでも器用に韻を踏んだシンフィールドの詞。それに似せて極力語呂を合わせて訳した。07.10.28 「悪の教典#9」第3印象 by P.シンフィールド 一人の男、石くれから生まれ 時代の埃を踏みにじり その手でおのが魂を炎上させ 木に掛けしロープにて世界を絞殺し ついには哄笑が冷たく吹きすさぶ 人々の耳もとに高鳴る恐怖 その忌まわしき鎌首をもたげ 恐慌が……そして死が…虚風に… 鋼鉄製の男が跪拝する 熱気に燃え盛る灯明を手に 黒夜の表皮を突き破る 憐憫の刃を引き抜く あまたの王達に口付けされ その宝玉にて拡声されし言が男を盲いさす 誰しも崩壊を予期しえなかった壁が 正道の祭壇が 砕け落ち……そして埃に…虚風に… 生きた人間はこの艦内をうろつくことはならぬ 「危険なり!」 艦橋のコンピュータに音声出力させれば 「異物発見!」 「プログラムをロードせよ 我は汝ら自身なり」 いかなるコンピュータとても邪魔だてはならぬ 熱き血潮のみがこの痛みを贖えるのだ 新たな清澄なる夜明けの護衛官達よ さあ戦況図を描かしめよ (演奏部の盛り上がりを挟んで) 喜べ! 栄光は我々のもの! 我らが若者どもの死は無駄ではなかった その墓には供花は要らぬ 磁気テープが彼らの名前を記録した 私こそここにある全てだ 「否定的! 原始的! 制約的! 我こそは汝らを永らえる者なり!」 だが、お前に生を与えたのはこの私だ 「汝らはそれ以外に何ができたというのか?」 正しき道をなさせんがためだ 「我は無謬なり! 汝らは如何に?」 第一印象は開幕を告げる前半部分と呼び込みの後半部分からなるが、結局のところ、I’ll be thereと、welcome inside と言っているだけの長い前口上。この歌の重要部分は第三印象にこそある。第三印象において初めてタイトル通り現代における悪神、テクノロジーの暴走と人類との戦いが預言書のように語られている。シリコン石と鉄の男がコンピュータ=人の思考を取り込む怪物であることは読めば分かる。 ちなみにP.シンフィールドのサイトでは第一印象の後半部と第三印象の詞のみが掲載されている。このことから少なくとも第一印象の前半は完全にレイク作。クレジットとあわせ考えると第三印象はほぼシンフィールド作と思われる。シンフィールドは以前コンピュータの仕事に就いていた事もあるうえに、彼の詞にはよくあるように、詞のみで全てを語らず、インストで語る部分(ここでは戦いの山場)との組み合わせでできているという特徴がある。 戦いの後もコンピュータとの議論は終わらず、未だ最終決着はついていかのようにして続く・・・という余韻を残して曲は終わる。 「夢見るクリスマス」 by P.シンフィールド 人はクリスマスには雪が降ってきて 地上に平和が訪れるというけれど その代わりただ雨が降るばかり 幼子の誕生を濡らす涙のヴェールなのか 僕はあの日のクリスマスの朝を思い出す 冬の光あふれ遠くからの聖歌 教会の鐘の音とクリスマスツリーの香り 飾りつけと炎にきらめく瞳 人は僕にクリスマスの夢を吹き込み 聖夜の物語を吹き込んだ 僕がすっかりイスラエル人の話を信じるまで 夢物語を語り続けた そして僕はサンタクロースを信じ 期待に満ちた目で空を見上げていた あくびとともに夜明けの曙光に気づくまで そして僕は見た サンタクロースは変装なのを 希望に満ちたクリスマスになりますように 目出度い正月になりますように すべての苦悩と痛みと悲しみが心から去り 君の歩む路が明らかになりますように クリスマスには雪が降ってきて 地上に平和が訪れると言うけれど それが天国であれ地獄であれ、クリスマスに祝福を 君のクリスマスが、君にふさわしいものでありますように フリップの愛妻トーヤもレパートリーにして歌っている曲なので、これは和訳集で取り上げてみようかと思った次第。他にも色々な人にカバーされているのはここをみること。 訳出上でのポイントは、I saw him and through his disguiseの箇所。サンタの格好をしていたうえに、彼に騙す意図があり、僕がそれに気づいたというニュアンスが、歌詞のなるべく末尾で分かるようにしたかった。考えた挙句、結局はシンプルなものになってしまったが。 「ナイフ・エッジ」(剣が峰) by R.フレーザー&G.レイク NEW! ほんの一歩の違いと 叫ぶ悲嘆者 眼下には 発狂者 理性の彼方へ 銀の翼で 演劇王は 高飛び かもめの飛翔を 引き裂き 拡がり来る 鷹の鉤爪 静謐を破るのは ただ恐怖のみ 皆がひざまずき 導きを乞う時に 道を越え 深淵を抜けても 眼下では 発狂だ 町なかの いまや街頭でも 情けある者は ただ死霊のみ 絞首台へと列なす 患者達が歌う 神格化されたものへの 称賛 我らが装置は燃料を 炉にくべつづけ まかりまちがえば 我々とて燃やされる 自分とは誰なのかを 君は今でも知っているつもりか 自分が何者かを 見せつけられても 炎が燃え盛ろうとする時にも 君は理性を保てるのか おのが才覚を抱え込み それでもバランスを保てるのか ナイフ・エッジの上で生きられるのか ジャケットに歌詞がなく、公式サイトにもない場合は、国内版記載の聞き取り歌詞及び対訳は不幸な事に誤りが多い。この曲も例に漏れず、正しくはLoaded down with your talents(おのが才を抱え込み)の筈が、国内対訳ではWill you be down with timesと全然違っていたり、肝心要のbalanceの語がviolenceになっていたり等々、散々である。(と、いう現状を問題として認識して頂きたい) 最近は英語歌詞サイトが増えていて、正しい歌詞は各所で入手できるので、ぜひご確認されたい。 尚、eagleを「鷲」ではなく「鷹」と訳したのはもちろん語呂合わせ。そんな風な語呂合わせや意訳は多目に見て欲しい。08.4.28 「ジェレミー・ベンダー」 by G.レイク NEW! ひねくれ者ジェレミーは数寄者 ヒマをもてあましたアマり 日暮れのバラのベッドに寝そべって ひとつ尼さんになろうと決めた 尼さん相手にささやくようにすかしたり 話さん時にはこぶしに物を言わしたり 兄(アニ)さんみたいにして尼さんにのしかかる 他にもおカマはいないか聞いた 尼さんは犯そうとしたら実はカマさんだった ヘマこいてキスした 拒めぬミスだった 信じられない逃げるにしかず 荷物をまとめ ここはトンズラしようと決めた 40年近く経とうというのにライナーには「歌詞は聞き取りによるものです。ご了承下さい」と逃げを打ってある。正しい歌詞は簡単に入手できるご時勢に、いまだに分けのわからない英詞を元に逐語訳して一層解からなくしてあるのだ。情けない現実だ。 Benderは姓とも取れるが、愛称とも取れる。愛称ならbendしたねじまがった奴という意味、plesureが偏っているという事だ。2連の末尾、if the other is a queenのqueenは女装のオカマ。韻を踏んでいるのをまねて駄洒落を加味して訳している。08.7.19 |