小説日本通史 時の旅人 一の巻 黄昏の女王 卑弥呼

著者:邦光史郎。祥伝社。

94年刊行。
昔から謎とされ、現在も謎のままである邪馬台国。 その所在地からして謎であり、奴(な)の国と邪馬台国の非連続性など 多くの矛盾が指摘されるこの時代。 つまり女王の死から大和朝廷成立あたり。 それを新説によって説明してくれるとともに 楽しませてくれるエンターテイメントです。 またこの時代の日本が、お隣の韓半島といかに密接に関わりあっていたかを 小説という手法で無理なく受け入れさせてくれます。
前半を卑弥呼の時代、後半を蘇我氏の台頭でまとめた構成で、 特に後半、蘇我氏と物部氏の戦いを豪族同士の対決として、 また国神と韓神の宗教戦争として描いてはいるが、 その裏にあるのは百済対新羅という対立構図だったのではないか。 そういう含みも持たせ、様々な観点から楽しませてくれている。 さらには終りのほうで、厩戸王子、後の聖徳太子をちらっと 登場させているあたり続刊への繋ぎの配慮もバッチリである。 こうなると続きが読みたくなるのは当然の心理ですものね。 がんばって古本屋探すぞ〜(笑)。

作品一覧へ

著者一覧へ