ブラックライト

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:公手成幸。上・下巻。扶桑社ミステリー。

原題「BLACK LIGHT」(96)、98年訳出。
「ボブ・リー・スワガー」シリーズ四部作の中の三番目にあたる作品 (刊行順序では二番目らしいが)ということで、かなり有名なシリーズらしく、 少なくともこの本を私に紹介してくれた人にはそれは面白い作品だったらしい。 しかし、トム・クランシーとはかなり趣が違うので、そこは好みの別れるところだろう。
前半を読んでいて感じた印象では、アガサ・クリスティの作品に似ているかな(謎)、と。 理解するのが難解なわりに本編とはかかわりの無い修飾が続いたかと思うと、 それまでとはまったく脈略のないところでいきなり謎解きが行われ話が急展開する、 と言えばわかりやすいだろうか(~_~;。
それに前半は単なるミステリーと変わらない(だって「扶桑社ミステリー」だもの(^^;) ストーリーの展開だからよけいにつまらなかった。 後半まで読んで、やっと戦闘シーンが出てきてからが急に面白くなり( < 結局それかい(^_^;)、 昨夜は寝る時間を削ってまで読んでいて、気付いたら読み終わっていた次第。
主人公のボブという人物は元スナイパーということで、 狙撃に関する描写はそれは細かいものがあり、その辺がマニアには受けるのだろう。 それと、あえてトム・クランシーを設定重視タイプとすれば、 こちらは人物重視タイプ、といえばわかりやすいだろうか。 軍事サスペンス(だからミステリーだってば(^^;)を期待して読むと最初はがっかりするけれど、 小説的にはなかなか面白い作品でした。 一応、シリーズ四作全部を読んでから、あらためて全体的な 評価をしようと思います。(02.1.29)

作品一覧へ

著者一覧へ


悪徳の都

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:公手成幸。上・下巻。扶桑社ミステリー。

原題「Hot Springs」(00)。01年訳出。
ボブ・リー・スワガー・シリーズ第4弾(番外編をいれると第5弾)にあたる作品。 ハンターの発表順だと、「極大射程」、(「ダーティホワイトボーイズ」、) 「ブラックライト」、「狩りのとき」、「悪徳の都」ということで最後になるが、 時代的には一番古く、ボブ・リーの父親、アール・スワガーの物語になっている。 「ブラックライト」で慣れたおかげか、今度の作品では、 わかりにくさはあまり感じられませんでした。 というか、これは私が悪かった(謎)。
前回「ブラックライト」の感想に、状況の説明がまわりくどくわかりにくい、 のようなことを書いてしまったが、シリーズ中2作目(または3作目)を いきなり読んでしまったわけで。 このシリーズの読者ならば知っていて当然なんだけど、 初めて読む人には中途半端に意味不明な描写の回想シーンとか、 初めて出てくる登場人物なのに超有名人のように描かれていて わけがわからなかったり、という部分がいっぱいあって、 それが納得いかずに不快に思ってしまったんですね。
だからこれは建前は一作一作完結している、といっても 内容を本当に楽しむためには、きちんと頭から読まないといけなかった、ということで。 おそらくはペーパバックのカバーには続編とかシリーズ最新刊とか 書いてあるんでしょうけれど、なにせ古本屋本のさらにおさがりだから、 カバーなどついてない(T_T)。 ただでもらったんだからそこまで贅沢は言えない(~_~;。 ということで早く自力で「極大射程」を入手しなくちゃ(汗)。(02.02.15)

作品一覧へ

著者一覧へ


極大射程

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:佐藤和彦。上・下巻。新潮文庫。

原題「Point of Impact」(93)。99年訳出。
やっと読めました、念願のシリーズ第1弾。シリーズ中、これだけが別出版社という こともあり、とにかく探すのに難渋しました。というか、よく見つかったと思う(--;。
発表順では一番であるが時代的には3番目(番外含む)にあたる、と思われる作品。 ブラックライトよりも先に読まれるべきなのに、訳出は後になってしまった、という 日本の出版関係者の失策の罪は大きいと思うが、すんでしまったことを今さら、 しかも古本を読みながら(^^;ぶつぶつ言うのはどうかと思うのでやめとこうか。
なるほどね、読めば読むほどに、好きになっていきます、ハンターの作風って。 最初は戸惑った、あの独特の表現も慣れてくると心地よい、 というかそもそも読む順番を間違えていたから痛かったわけで、作家に罪は無いのでして。
なんでしょうね、ハードボイルドとも違った感じで、ミステリー?、 確かにストーリーの展開は予断を許さないところもあり、結構楽しませてくれました。 本作品の大どんでん返しも最高に決まってたと思う。 だって、上巻の3分の2くらいまでを何日もかけてだらだら読んでいたのに、 何故か今日一日で一気に上巻の残りと下巻を読み終えてしまったくらいに。 それよりも好きなのは、登場人物たちのプロ意識の描写。 仕事ってのは、どんなものにせよ、それなりに緊張感を持ってするもんなんだよね。
さあ、頑張って残り2作品も読むぞ〜、そのうち(^^;。 とりあえず、職場の私の机の下には両作品とも確保されているので、 あとは私が本を読む時間を確保できれば・・・。(02.04.19)

作品一覧へ

著者一覧へ


ダーティホワイトボーイズ

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:公手成幸。扶桑社ミステリー。

原題「DIRTY WHITE BOYS」(94)。97年訳出。
これでやっと話がつながりました。 「ブラックライト」のあの思わせぶりな状況説明というか言い回しの 原点がこの作品中に盛りだくさんに含まれていました。 やっぱりこれらの作品は、
「極大・・」→「ダーティ・・」→「ブラック・・」→「狩り・・」→「悪徳・・」
の順で読まれるべきですね(つまりオリジナルの刊行順どおりってこと)。 これはあくまでわかりやすさを重視した場合の私の主観ですけどね。 物語の背景の年代順ならば、
「悪徳・・」→「狩り・・」→「極大・・」→「ダーティ・・」→「ブラック・・」
になるけれど、この順に読んだのでは、 回想シーンとかが意味不明に感じると思われるので あまりオススメできません。まあ、少なくとも、
「ブラック・・」→「悪徳・・」→「極大・・」→「ダーティ・・」(→「狩り・・」これから読む)
よりは、はるかにマシでしょうけどね(自爆)。ちなみに、訳出順では、
「ダーティ・・」→「ブラック・・」→「極大・・」→「狩り・・」→「悪徳・・」
となっており、ほとんどの人は普通ならこの順に読んでいることでしょう。 でもこれだと、「ブラック・・」を読んでかなり?と思い、 「極大・・」を読んだときに「痛っ」と思ったことでしょうね(~_~;。 もしこれからこのシリーズを読んでみようと思っている方は ぜひ順番に気をつけることをご忠告いたします。 ちなみにタイトルの「ダーティホワイトボーイズ」、意味は「ごろつき白人野郎たち」。 何気に物騒なタイトルだこと・・・。(02.05.02)

作品一覧へ

著者一覧へ


狩りのとき

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:公手成幸。上・下巻。扶桑社ミステリー。

原題「TIME TO HUNT」(98)。99年訳出。
ボブ・リー・スワガー・サガ第五部です。 本当は四部作なんだけれど、番外編とはいえ「ダーティ・・」を抜きにしては 面白さが半減してしまうと思われるので、あえて五部作として扱います。 はっきりいって、この作品は5作品9冊すべてを読んで初めて その構想の偉大さを理解できるというもので、 個々の作品の面白さよりも、そのつながりこそが醍醐味のひとつのような 気がします。そういうわけからも、読む順番は大変に重要なポイントと なりますので、しつこいようですけど、 これから読もうという方はくれぐれもお気をつけください。
そうは言っても、個々の作品中の狙撃シーンの描写もすばらしいものがあり、 これだけ迫力のある戦闘シーンを描ける人はそう多くはないのでは。 アガサ・クリスティーばりの謎解きの設定も、全体を通してみれば、 それほど無理の無い設定になっている、というか、いやもうこれは 最初から完全に私の誤解でして、 読む順番を間違えた私がすべて悪かった(^^;。
全体を通しての感想ですが、これは間違いなく傑作だと断言できます。 好き嫌いはあるでしょうが、私は文句無く好きになりましたね。 まだ職場のダンボールの中にハンター作品があったような気がしますし、 今後、ハンターの名前を本屋でみかけたら、 思わず手にとって見るに違いないだろう。(02.05.07)

作品一覧へ

著者一覧へ


最も危険な場所

著者:スティーヴン・ハンター。 訳:公手成幸。上・下巻。扶桑社ミステリー。

原題「PALE HORSE COMING」(01)。02年訳出。
ボブ・リー・スワガー・シリーズ五部作の第六弾(汗)が出てしまいました。 まあ、主人公は父親のアールなので、別と言えなくもないが、 それをいうと「悪徳・・・」もそうだから、じゃあ四部作だろ、というつっこみが ありそうで(-.-;、でも、子供のボブ・リーが登場するから、と言えば、 本作も出ているだろう(x_x)、と堂々巡りしそうなので、もうこの話題は終了! ちなみに、アール主人公の次の作品が既に予定されているらしい(笑)。
時代は朝鮮戦争真っ只中のミシシッピ州が舞台。 この頃の米国南部って、今からは想像もできないくらい黒人蔑視が残っていて
(というより北部からは考えられない、というのが正しいか。 それに今だって下手すると南部の田舎の方にいけば、黒人を人間と思っていない人が うじゃうじゃいそうだもんな、あの国は(~_~;)
登場人物同士の会話がとってもキワドイぞ。 まあ、そうでないと今回の物語が成立しないので仕方ないんだけれど、 それにしても怖い世界だなあ。 ところで、ちび黒サンボ程度が差別用語だと発禁になってしまうこの国で、 どうしてこの本の訳出が許されたのかさっぱりわからん(^o^;。

作品一覧へ

著者一覧へ