小説 土光臨調 中曽根政権への道

著者:牧太郎。角川文庫。

82年刊行、85年文庫化。
国民の間に根づいた臨調像は、実像と大きくかけはなれている。 国民の意識の中で、臨調は正義であり、 土光敏夫は「新たな天皇」である。 すべてが臨調の名の下で行われ、国民はこれに疑問を 差しはさまない。心は「大政翼賛」―――
「土光臨調」の実像は必ずしも正確に伝えられていない。 「事実報道」は、正確ではあるが断片的で「全体の真実」を伝えるには限界がある、と、 新聞記者が「事実報道」を放棄して、あえてフィクションというかたちをとった、 第二臨調を舞台に政・財界虚々実々の実名小説です。 登場人物に言わせている台詞がまた良い。
「社会党選出の議員ほど、どうにもならない存在はない。 企業に入って、トップ争いをする力量がないから、労働組合というわき道を通って、 出世の糸口をさがす。だから最初から二流の人物なのかもしれない。 保守勢力の人間は、国会議員になってからなにかをやろうとするが、 社会党議員は、議員の座が終着駅。 目的を達して、議員特権にしがみついているだけ」(笑)

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