著者:石原慎太郎。文春文庫。作品一覧へ
01年刊行、03年文庫化。
「政治家は心の中に国家を持て」、西村真悟、石原伸晃、金美齢、志方俊之、 福田和也、日下公人、孫正義、白井智子、松原泰道、五木寛之、中曽根康弘ら十一人の論客と、 政治、経済から教育、宗教まで二十一世紀の日本がいま進むべき道を真摯に語り合う対談集です。 法華経やら他力本願の部分は読んでいて頭がウニになった(笑)けど、 全体的に面白かったし、ためになった。なかでも特に気に入った部分を以下に抜粋。「日本人はアメリカの占領政策に国家機能を解体されたあと、下意識まで 解体されてしまった。これに尽きるんです。 日本人が陥っているある種の他力本願の深淵がそこにあって、 その体質は無責任というよりは非責任です。 無責任というのは、責任のあることが想定あるいは認識されていて、 それをするかしないかという責任論だけれども、 いまの日本では頭からそれが放棄されている。」〜「誰が国民を守るのか」(金美齢・志方俊之)から〜
また、以下は初めて聞いた話。
「石原莞爾は、「最終戦争論」というのを考えたんです。 それ自体は彼が考えた弁証法なんですけど、戦争は持久戦争と決定戦争が交互に起こって、 それぞれ進歩によって進んでいく。ナポレオンが強力な戦力で決定戦争を可能にした後に、 結局、イェルン・ホルストなどが持久戦の戦術を持ち込む。それを打ち破るために またドイツがモルトケをやってというような繰り返しをしていくうちに、最終的に持久戦争と 決定戦争がアウフベーヘンされる瞬間が来る。 そうなった時にはもう戦争はできなくなり、最終戦争がその時にこそ起こる、というのが石原の理論です。 これは、当時としてはかなり先進的なんですl。 その戦争理論と併せて、法華経の教義から割り出した、楽土の到来の年数計算を一生懸命やっているんですよ。 ちょっとオカルティックなんですけど、併せて計算すると、 だいたい二〇二〇年ぐらいにアメリカと日本が戦争をして、日本が勝つという結論になった。 石原だって満州を建国してから五十年か六十年は戦争をしない つもりだったんですよ。国力を増強して、満州をユーラシアのアメリカにしようとしてたんですよ。 エスニックにとらわれない、日本人、ロシア人、中国人、朝鮮人等々、 すべての民族がいる国を作って、それで発展させる。 すると、日本と満州の関係はイギリスとアメリカみたいな莞爾になってくる。 つまり、アメリカが独立戦争をしかけたように、満州が日本に独立戦争をしかけて、満州は独立するだろう。 しかし、それは結局、日本にとってもいいことなんです。日本語圏でしかも合衆国ができる。 そうするとアジアの歴史は変わるという発想なんですよ。」〜「都政という恋愛小説」(福田和也)から〜