戦勝国イギリスへ 日本の言い分

著者:マークス寿子。中公文庫。

96年刊行。00年文庫化。
95年夏、英国全土に反日の嵐が吹き荒れた・・・ という。対日戦勝五十周年記念式典(VJデイ式典)と いわれるそれを私たちのほとんどが知らないのではないか。 ようするに英国マスメディアによる反日キャンペーンだったらしいが、 それを現地で体験して、感じたこと、訴えたいことを そのまま本にしたのが本書である、らしい。
71年の昭和天皇の戦後初の訪欧にあたっても、 89年の昭和天皇の大葬にあたっても、 日本のメディアは、このような英国の反日キャンペーンを ほとんど日本に伝えていない、らしい。
ようするに戦後の日本は、教育でも報道でも、 戦争に関するものはすべてフタをして見ないふりをしてきて、 一部の偏った歪んだ情報ばかり流されてきた。 この本は、そういう間違った歴史観に染まってしまった 日本人への提言であり警鐘である、と思う。一部抜粋して紹介・・・
日本の立場、日本人の苦しみについて知らないのは英国人だけではない、 多くの日本人、とくに若い世代は外国人とまったく同じく無知だ ということであった。
「侵略者」という烙印を押されたのも同然に、ただ謝ればいいと 思ったのはわれわれ日本人ではなかったか。
かろうじて核兵器が話題になるときだけ、 「われわれは世界で唯一の犠牲者である」と、奇妙に胸を張って言って、 日本は軍備を捨てた、平和憲法をもっていると唱えれば、 それで世界中の国々が日本にならって核兵器を廃棄し、 軍備を縮小すると思っているかのようだ。 「世界に平和を!」というスローガンは美しいが、米ソの冷戦が終わっても、 世界中で地域戦争は拡がっており、核兵器を開発したいと願う国々の 数はけっして減らない。

作品一覧へ

著者一覧へ