SAS戦闘員

著者:アンディ・マクナブ。訳:伏見威蕃。上・下巻。ハヤカワ文庫。

原題「IMMEDIATE ACTION」(95)。 97年訳出、00年文庫化。
SAS、スペシャル・エア・サーヴィス。 私の知るかぎりおそらくは世界で最も優れている特殊部隊だろう。 そのSASの軍曹まで務め上げた著者による 体験を描き出したノンフィクションが本書である。
本書はSASの任務をあまりにも克明に描いているため、 その出版を巡ってイギリス国防省から訴えられて発禁になる手前までいっている。 最後は両者の歩み寄りにより、原稿に修正を加えるという条件のもとに 訴えを取り下げることで妥協が行われ目出度く出版に漕ぎ着けたわけだが、 本書を読んでみて、幸いなことにその修正が内容の面白さを 損なうようなことはなかったと推測される。
SAS隊員の日常は、華々しい戦闘シーンなど存在せず、 ひたすら訓練が繰り返し行われるのみである。 ただしその訓練は決して単調なものではなく、常に新しいものが研究され改良が加えられて、 必要なときに確実に役に立つように考慮されているのである。 そういう組織としての優れた面を理解でき、 一方でそれを行うのはやはり人間であるがための不完全さ、人間臭さも 同時に盛り込まれており、さらに嬉しいことにはジョークも しっかり入っているから面白い(02.2.6)。

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