著者:片倉ともこ。岩波新書。作品一覧へ
91年発行。
今後中東関連の書物を読むのに参考になるだろうと思って入手した本であるが、 想像以上に価値があったように思う。 著者は大学時代、米国に留学。そこでムスリム(イスラム教徒)たちに出会い、 エジプトに留学しなおしたという経歴の持ち主。 よってムスリムたちに密着して暮らした経験から出てくるエピソードなど、 実に興味深い内容の読み物であった。 いろいろ知識を得たなかで、もっとも重要と思えたのは 「価値観」の相違と言えようか。 キリスト教をもとに発展した近代西欧社会、 イスラム教のムスリム社会、 そのどちらでもない日本社会。 これらの対比のくだりなど見事なものだった。 私の人生観と比較して共感を覚えるところも少しあったが、 逆に絶対に相容れないところもかなりあり、 私は絶対に信仰することのない宗教だけども、 その価値観は勉強になったな。
とにかくこれで、 今までよく知らないで勝手に持っていた偏見が少しは減って、 これから目にする中東の情報を考えることが出来ようか。