お役所の掟 ぶっとび「霞が関」事情
編者:厚生省検疫課長 宮本政於。講談社。
93年刊行。
お役所の暴露話を読むと、いつもなら必ず腹立たしさを覚えたものだが、
この本はちょっと勝手が違いました。
こういう感じ方は著者や出版社の想定と違うかもしれないけれどね(苦笑)。
この国は表向きは三権分立をうたいながら実質は官僚絶対主義の実態や、
国会言葉の解説など読んでいると、もちろん腹が立ちますが、
その中で働く人たちの情けない事情を知るにつれて、怒るを通り越して
何時の間にやら同情してしまいたくなるんでして。
ここでちょっと説明すると、著者は米国帰りの厚生省中途採用なんです。
向うで十分にビジネスの常識(米国式)を身につけてきたわけで、
そういう人がお役所に勤めたとき感じた違和感というものをありのままに
表現したのがこの本というわけで。
自由参加といいながら実質は強制参加の課内旅行とか忘年会、
サービス残業に付き合い残業、
仕事のためより実は連帯意識を深めるための休日出勤にお泊り、
たった二週間の休暇をとるのに気が狂いそうになるくらいのすったもんだ、
伝家の宝刀「前例がない」の前にはどんな説得力のある意見も全て無視されてしまう。
「日本株式会社」のタブーにこれでもか、と挑戦しています。
著者はこれらに真っ向から立ち向かったため、実際にひどい目にあっており、
その体験談を書いているわけですが、
逆に言えばそうならないためには、これほどまでに屈辱的な生き方をしなければ
ならないのか、という読み方もできるわけで。
さらにはこれらはお役所に限らず、程度の違いはあるとしても
日本の大手企業全般にも当て嵌まる事柄でしょう。
そして彼らは自分たちが屈辱的な人生を送っていることをある程度感づいているので、
だから民間や下請けに高飛車な態度をとるわけなんですね、きっと(嘲笑)。
だからよけいに同情したくなるわけで・・・(--)。
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