武富士 サラ金の帝王
著者:溝口敦。講談社+α文庫。
83年「サラ金商人」刊行、04年改題・追加・加筆・再編集・文庫化
融資残高1兆6千7百億円(武富士・04年当時)、いくら業界トップとはいえ、
サラ金ごときに貸せる金額だとはとても信じられない。
業界2位のアコムが1兆6千5百億円、
4位アイフル1兆4千百億円、
5位のプロミスでも貸付金残高は1兆3千7百億円というから呆れるね、まったく
(順位と残高は04年当時のもの、3位は不明)。
この本の姿勢は基本的にはサラ金批判なんだけど、突き詰めていくと銀行批判にも繋がっている。
仮に銀行がサラ金へ貸し付ける金利が(銀行の主張どおり)7%だとしても、
たとえば10億円を貸すときに「自発的に」当座に5億を預金させる。
当座は利子がつかないから、実質金利14%となるわけで、
まったく悪徳サラ金業者の上前をはねるようなことをする銀行は悪の総元締めではないか。
ところでサラ金の自由返済方式というのはプロミスが74年に始めたんだとか。
それまでは元利を計画的に返済させる方式だったものを、
自由返済は、元金は金にゆとりのあるときでいい、月々利子だけ納めればいいというもので、
便利なようでいて、意志の弱い人だと元金がいつまでも減らない。
結局、長期借り入れになり利子をよけいにとられていくだけで、客にとっては損な方式なんだよね。
まったく上手いこと考えるもんだね。それに見事に嵌ってしまう客も客なんだが。
だったら銀行が客に直接安い金利で貸せばよさそうなもんだが、
取り立てのような汚れ仕事≠ゥらは逃げたがるのが銀行の体質で、
だから住宅ローンにして、土地、建物を担保にとったうえ、保証会社を一枚かませ、
あげくに借り手に生命保険をかける三重縛りで、ようやく安心している状態で、
消費者金融などはアコギな稼ぎをサラ金の名と責任でやらせ、
その上前をはねたほうが楽というのが本音なんだろう。
利息制限法と出資法の差分、いわゆるグレーゾーンの問題は06年の今でも
政治で揉めているわけだが、議員の誰と誰が出資法の引き下げに反対しているか
顔をよ〜く憶えておいてやろう。
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