定刻発車
日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?
著者:三戸祐子。新潮文庫。
01年刊行、05年文庫化
一列車あたりの遅れはJR東日本の数字(99年度)で、
新幹線が平均0・3分、在来線で平均1・0分。
新幹線の95パーセントと、在来線の87パーセントが定刻に発着する(遅延1分未満)。
ヨーロッパにも同種の数字はあり、
イギリスの鉄道誌『Railway Gazette International』に
掲載された数字(92年)によると、イギリス、フランス、イタリアでも、
だいたい90パーセント前後の定時運転率があがっている。
これだけ見ると、なんだ、大して違わないじゃないか、と思うところだが、
実は統計上の大きな違いがある。
日本の統計では、1分以上遅れた列車はすべて「遅れ」として数えるのに対し、
外国の統計では、10分や15分の遅れは、なんと「遅れ」とは見なさない。
たとえばフランスのTGVでは「91・4パーセント」の定時運転率を掲げているが、
これは実は14分以上遅れなかった列車の割合で、
仮に13分送れた列車があったとしても、それは統計上「定時運転」になるというのだ。
世界を広くみれば、たとえばニューヨークのグランドセントラル駅では、
次の列車の到着時刻を「何時何分」ではなく「Will be」と表示するらしい。
発展途上国にいたっては、列車が1時間遅れで着けば、大変によいほう。
3時間、5時間、日付が変わる場合もあるわけで、
「今日は珍しく時刻通りに発車したな」と思ったら、
それは前日の同じ時刻に発車するはずの列車だったという、
よくジョーク、というかアネクドートに使われるネタのようなことも実際に起こっている。
ではなぜ日本人だけが定刻発車≠ノこだわるのか、その謎を追うと、
江戸の参勤交代や時の鐘が「正確なダイヤ」に深く関わってくるらしい・・・。
その辺の関連付けはちょっとどうかと思うけど、全般的にはとても参考になる一冊です。
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