海の友情 米国海軍と海上自衛隊

著者:阿川尚之。中公新書。

01年刊行。
東郷平八郎や山本五十六といった帝国海軍の英雄たちについてはよく知られているが、 戦後海上自衛隊を創設して訓練にはげみ、戦うことなく名を知られぬまま去った 指揮官たち、たとえば内田一臣とか中村悌次といった人々は、 戦前の大将たちに負けず劣らず国のために尽くした英雄だと著者は言う。 その彼らや、そして米海軍の中からも、海上自衛隊の生みの親の一人である アーレイ・バークや、ジェームズ・アワーといった今日の海自の恩人たちについて 書かれた本です。
戦後、多くの人は、戦争を否定する意思を固く持ち続けさえすれば、 戦争に巻きこまれないと信じているかのごとくである。 それは信心さえすれば病気にならないと信じる、新興宗教の信者に似てさえいる。 う〜ん、しごく名言だ(笑)。
朝鮮戦争のとき、極秘裏に旧海軍掃海部隊が出動した話は有名であるが、 なんと1200人の旧海軍軍人がのべ46隻もの掃海艇に乗り組んでいた、 という具体的な数字は初めてみた。驚いた。
まったくの余談だが、アーミテージが接待で料亭に連れていかれたとき、 仲居さんたちが彼の厚い胸板を見て驚き、触らせろと騒いだらしい。 通訳がそれを説明すると、彼はこう言った「こういう要請を受けたのは初めてだが、 日米関係は何事もレシプロカル、つまり双務的でなければならない。 本要請も、双方向ありなら受けましょう」(爆)。 こういうジョーク好きですね(^^)/。
湾岸戦争当時の掃海艇派遣のとき、護衛艦を白く塗れだの、 大砲をしばって使えなくしろだの、わけのわからない指示が 官邸から防衛庁に届いたという(呆)。 土井たか子社会党党首のような教条的平和主義者だけでなく、 政府内部にも反対論を唱える者がいたんだとか(-_-;。 それ以前にそもそも掃海艇の20ミリ機銃を「大砲」というのか(-_-;。
海上自衛隊が世界最高の掃海技術を有するというのは、 半分本当で半分嘘なのだそうだ(謎)。 というのはベテラン隊員たちの技倆は、疑いなく世界一なのだが、 意外なことに海上自衛隊掃海部隊の装備は 湾岸戦争で掃海作業に参加した九ヶ国海軍のなかで サウジアラビアの次におんぼろだった。 そのおんぼろ艦艇や装備を修理しながら、作戦中、実に315件の 故障・不具合を処理し、100パーセントの稼働率を維持したというから、 ほとんど神業である。 日本海軍、もとい、海上自衛隊の最精鋭は実は掃海部隊だったんですね。

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