最前線ルポ 戦争の裏側 イスラームはなぜ戦いをやめないのか

著者:村田信一。講談社文庫。

「敵」 の前線から見た戦争の真実とは何か!
この言葉のとおり、一般的な日本人の「常識」からすると 敵側の人たちの中へ入り込んで取材をしてきたルポである。
アルジェリア、レバノン、ボスニア、ソマリア、チェチェン、 ザイール、ルワンダといった、紛争や感染症の蔓延る真っ只中での 取材活動は感心を通り越して、飽きれてしまうほど無茶に思えてしまうが、 実際に様々な情報を得て見事に切りぬけているから凄い。
日本に居ては、というか、日本のTVや新聞のニュースを ありがたがって観ているだけでは絶対に知ることの出来ない世界だな。 ただ、これらの情報に接する場合、最初から正しいか間違っているか、を 決めてかかろうと身構えずに、
ああ、そういう考え方があるのか、とか
なるほど、当事者たちはそう思っているのか、
というようなふうに受け取ってみてはどうだろう。 まず自分は、実際に現場を見てきたでない。 TVで喋っている人たちだって自分で見たわけではない。 現地へ取材に行った人たちにしたって、 それほど多くを対象にしたわけでもない。 つまり、誰もが大したことを知っているわけでもなく、 でも放送する以上はかっこつけちゃっているのがTVである。
だから、本来はいいかげんなもの、と思った方がいいのだ。 確かなことを知ろうと思ったら、ただTV眺めてりゃ 与えられる情報だけじゃ不充分なのである。 自分で動いて初めて見えてくるものなのだ。 だから、ほっといても向うから入って来るような情報は かえって疑って然るべきかもしれない。 特に日本のニュースの場合、無知から来る誤情報ならまだ救われる。 メディアが、政府あたりか外国の機関の意向に従って、 捻じ曲げた報道をしたりするかもしれないから。
横道それちゃったけれど、そんなわけで(^^、貴重なご意見なのである。 とくにザイールのくだりは面白い。 厚生省ってやっぱりいらない、と思った。
「これから取材に行かなきゃならないから情報をくれ」
という人に対して、
「私は責任を持てません。だから行かないでください」
と繰返すだけでは、なんのための機関なのか。 どうしてダメなのか、どの程度アブナイのか、といった説明が何もない。 つまり、漠然と危険だと感じているだけで何も裏付けを していないみたいだな。 こんな奴ら、税金で食わせてやる価値はないな。
ちなみに著者の経歴だが、 海上自衛隊を3年で満期除隊、海外を5年ほど放浪し、 フォトジャーナリストとなる。 しかもその間にムスリム(イスラム教徒)になった。 だそうだ。

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