ゼニの人間学
著者:青木雄二。ハルキ文庫。
95年刊行、98年文庫化
マンガ『ナニワ金融道』の著者が、自身の体験から身につけた感性で
ゼニ≠ノ支配されたこの社会の裏のカラクリを描いたエッセイ。
今の仕事を始めるまではあまり興味の無かった金融業界、
まだ当分はくされ縁が切れなさそうなので、表側から見てとれる範囲だけじゃなく、
一応は裏側も知っておかねばなるまいから何かの足しになるかな、と冗談半分に手にした本だったのが、
存外に納得させられる部分が少なくなかったのに驚かされました。
商売をしない人間には当座預金取引なんて縁がないから、
手形を使ったイタズラなんてそもそも考えもつかない。
仕事とはいってもあくまでシステム屋なので実務にどっぷり浸かっているわけでなく、
どうしても融資する側からの観点でしか理解が及ばなかった私にとって、
借り手側の心裏を描いたこの作品は非常に新鮮に思えたね。
さらに月給が12万とか15万しかないビン、もとい低所得者のムネの内なんて知らないから、
なんであんな詐欺行為同然のサラき、もとい消費者金融にいとも簡単に手をつけてしまうのか、
まだ傷の浅いうちに引き返せば間に合うものをずるずると破滅への道へ進んでいってしまうのか、
そういう輩が多いことが非常に不思議だったんだけれども、
この本を読んでみて、ちょっとだけ分かったような気がした。
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