二人の天魔王 「信長」の真実
著者:明石散人。講談社文庫。
92年刊行、95年文庫化。
「小松さん」と呼ばれる謎の人物との対談形式で進行されていく、
まったく新しい信長の見方(もう10年前のことだけど(^^;)についての本。
「真実」かどうかは意見の別れることろだけれど、
なかなか面白いポイントを幾つも提供してくれたことは評価に値すると思う。
信長の人気は実は太平洋戦争以降に始まった、これは一見どうでもいいことのように
聞こえるけれど真実だとしたら実は大変なことなんですね。
今我々の大多数が描いている信長像の根拠が、実は戦後に書かれた小説や
TVの時代劇の創作なんだとしたら、空恐ろしいものがあります。
そういう切り口で始まって、さまざまな一次史料をもとに「新説」をつぎつぎと
披露してくれるわけなんですが、信長嫡統否定説、桶狭間謀略説、
果ては戦国武将の格付けランキング、1位家康、2位秀吉、3位がなんと光秀で、
4・5が信玄・謙信、6でやっと信長、7位に元就なんだと。
まともな信長ファンが読んだら激怒すること間違いなしです(笑)。
私も信長ファンですけれど「まとも」じゃないんで(~_~;、結構楽しませてもらいました。
同じ歴史の史料を参考にして、こうまで異なる解釈ができるのかと驚かされた、
というか、これはこれで一見正しいように聞こえるんですね。
歴史の専門家なら反論出来ることなのかもしれないけれど、
素人が読むと、そうだったのか、と素直に感心させられてしまうほど説得力に富む内容でした。
ちなみに「天魔王」というと一般には信長のことを指しますが、
「二人」のもう一人は足利幕府第六代将軍義教のことだということです。
今までまったく知りませんでしたが、著者に言わせるとなんでも
信長の「前例」のような人物だそうで。なんか興味出てきたぞ。
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