私説・日本合戦譚

著者:松本清張。文春文庫。

初出 松本清張全集第二十六巻月報(1973)。77年文庫化。
今から27年くらい前に氏の歴史観、価値観によって描かれた、 日本国内の代表的な戦役の解説、である。 今ならばまた新しい資料や視点があるのは判っているが、 当時としてはここまでだった。 いや、又は当時でもこれはおかしい、そうじゃない、という 意見はあった。そういう雰囲気が伝わってきて面白い、と思う。
歴史というもの、時が経てば経つほどに新しい発見を重ねられて、 より正しい認識が得られる、という単純なものではない。 後世の価値観で過去を振り返ってみて、意味があったかを 論じるのは無意味なもの。 当時の人が何を考えていたのか、 何を大事と思って行動したのか、この辺を考慮しないで 結果論で判断した歴史など、くその役にも立たないだろう。 そういう意味で四半世紀昔の一作家の考え方、一読の価値あり、と思う。
ちなみに扱った戦役は、「長篠合戦」、「姉川の戦」、「山崎の戦」、 「川中島の戦」、「厳島の戦」、「九州征伐」、「島原の役」、 「関ヶ原の戦」、「西南戦争」の9合戦です。

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