風の如く 水の如く

著者:安部龍太郎。集英社文庫。

96年刊行、99年文庫化。
関ヶ原合戦の論功行賞にただでさえ苦悩する家康の前に、 大名から寄せられたのは膨大な数の訴状であった。 それらのほとんどは取るに足らない誹謗・中傷の類だったが、 その中に、あの黒田如水が天下を狙って策謀をめぐらしていた、 との訴えが含まれていたことから物語が始まります。
ことの真偽について調査する、どこまでも生真面目な本多正純を前に、 そんなもん知ったことかと人を食った態度の竹中重門の頭イイ奴ら対決。 一方で、酒飲みで女好きな性質の後藤又兵衛の描かれようがまた豪快で、 読んでいて微笑ましさすら覚える人物描写がなんとも楽しい。 話の歴史的な意義はともかくとして、小説としては面白いと思いますわ。 この小説、いくつかテーマがあって、父と子の対比もそのひとつ。 家康と秀忠、秀康、本多正信と正純、黒田如水と長政、(ちょっとひねって)又兵衛、 細川幽斎と忠興、竹中半兵衛と重門など守備範囲が広範囲に渡っているので、 歴史ファンのはしくれならば、どこかには引っかかりそう(笑)。
また、神への信仰も(話の)ポイントで、最後に長政に裏切られた重門が 「まさか、貴殿が・・・」(ユダであったとは)。は、なかなかの笑いどころでした、って そういう小説じゃないはずなんだけど、ま、いいか(~_~;。

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