幻の百万石

著者:南條範夫。青樹社文庫。

96年刊行、だけど収録作品の執筆は30年くらい前。戦国時代小説短編集。

「最後に笑う禿鼠」
禿鼠、ご存知の方も多いと思いますがこれは信長が秀吉につけたあだ名です。 それが最後に笑う、とは、信長抹殺の陰謀を企んだのが実は・・・、というお話。 これはけっこう笑えます。
「光秀と二人の友」
光秀が籤を引くところから 順慶裏切りまでのショートストーリー。いまいちつまんない。
「一瞬の気怯れ」
織田家重臣中もっともマイナーな武将(笑)、丹羽長秀のお話。 結構いいところをついているかもしれない。トラウマってけっこう怖い。
「姫君御姉妹」
言わずと知れた淀殿三姉妹の女の争い。 テーマとしてはいいけれど、書き方がつまらないので・・・。
「逆心の証拠」
政宗の例の鶺鴒の目の話です。 やっぱり政宗は悪役が似合う、と思うのは政宗ギライの私だけかな(~_~;。
「太閤の養子」
結城秀康、本来ならば二代将軍になっていても おかしくなかった人物なのですが、意外とこれが核心ついてるかもしれませんね。
ところでおもしろいのは著者の小牧の役に対する考え方 (本編とはあまり関係ないことですが)。 長久手という局地戦で家康が戦果をあげたかもしれないけれど、 小牧という大局で考えれば秀吉の戦略的勝利であった、という解釈。 戦国時代の逸話、挿話というものは、そのほとんどが 徳川時代に家康有利に脚色されている、と考えるべきなので、 これは説得力がありますね。
「幻の百万石」
これも秀康の物語。 こういう男色の話って、この時代としては当たり前だったとはいえ、 読んでいてあまり気持ちのいいものでないです(--;。
「悲願二百六十年」
家康の頼みを受け、直臣から陪臣にされてしまった成瀬正成の子孫の苦悩を描く。 ところで成瀬正成って誰(~_~;。 犬山城がとってもタイムリー(笑、わかる方。限定1名さま(^_^;)。

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