抜け荷百万石

著者:南原幹雄、新潮社。

90年刊行。
抜け荷、ようするにこれは密貿易のこと。 江戸時代の日本は、海外貿易を幕府の管理下においており、 毎年の取引の上限額を決めて行われていて、 だから、それを超える取引は厳しく取り締まられて、 もし見つかれば当然、重刑に処せられることになっていた。
幕府が海外貿易を独占したがるのは、その利益が莫大であるからで、 それに目をつけて、国を挙げて抜け荷を行ったのが薩摩であり、 かの(笑)調所笑左衛門だったんですが、これは幕府のお咎めを受けて、 調所は切腹、藩は懲罰金をこうむってしまい、さしもの薩摩も手を引いた、 と一応は考えられていた、ばかりのころの小説です。
物語は、長崎奉行稲葉遠江守が切腹することから始まります。 これは、長崎会所の貿易赤字が減らないどころか増え続けることに 責任をとってのことなんですけれど (こういう潔いところは現代のお役人にも見習って欲しいですね(~_~;)、 これが公儀を動かして、貿易赤字の原因を探りに動き出す。 すると、真っ先に目に付いたのが懲りない薩摩の抜け荷、なのはお約束ですが、 その密貿易仲間がなんと・・・。

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