田沼意次

著者:村上元三。上・中・下巻。毎日新聞社。

85年刊行。
九代将軍家重が西丸様時代に小姓として奉公にあがってから めきめきと頭角を現し、十代家治のときにその栄華を極めた主殿頭意次。 その政治手腕は優れたるものがあり、切れすぎるゆえに敵をも多く作ってしまった。 越中守定信は仕方なしとしても御三家、御三卿をことごとく敵に回したのは致命的だった、 と言えようか。
その政敵たちの手によって結局は握りつぶされてしまったものの、 彼が手掛けた政策は日本の将来を見据えていた、と思われるものが多かった。 農業面においては、小は印旛沼の開拓事業から大は蝦夷地開拓企画まで、 商業面では各種専売制導入、株仲間の結成、長崎貿易の拡大など、 ある意味で先を見すぎた政策だったかもしれない。 この物語では平賀源内を登場させ、彼の晩年の不幸をして、 意次に「生まれるのが早すぎた人」と評させているのですが、 ひょっとしたらこれは著者の皮肉なのかも。
ところで、苦手だった徳川幕府時代もこの本のおかげでだんだんと学習できました。 今だったら徳川将軍家十五人の名前くらいそらで簡単に言えるようになりましたよ(爆)。

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