おのれ筑前、我敗れたり

著者:南條範夫、文春文庫。

98年刊行、02年文庫化。
平成五年から十年まで、主として「オール讀物」に発表された時代小説による短編集。 以下、タイトル。

「蝮の道三」 斎藤山城守道三
 ま、有名な方ですので今さらコメントするのも何かと(^^;。

「京狂いの果て」 大内左京大夫義隆
 陶晴賢、お父ちゃんは忠臣だったのにねえ。育て方が悪かったんでしょうか(苦笑)。

「影薄れゆく一益殿」 滝川左近将監一益
 「運命の激変」による被害者のお話です。

「奸悪無限の武将」 宇喜多和泉守直家
 日本三大梟雄のひとりです(あとの二人とは斎藤山城と松永弾正)。 それにしても―――資性奸悪、虚偽第一の人、表裏虚妄、背徳無限、 畜生にも等しき悪将なり―――って、ちょっと酷過ぎやしません?

「殿は領民の敵」 竜造寺山城守隆信
 島津から首を引き取った家臣に、上の台詞とともにその首を打ち棄てられた悲惨な人。

「関白に頭を下げなかった男」 吉川治部少輔元春
 有名な話ですね(笑)。実は単なる動物嫌い、サル嫌いだったとか?(~_~;

「おのれ筑前、我敗れたり」 丹羽五郎左衛門長秀
 この方、戦国武将でなくてサラリーマンだったなら大出世できてたかも。

「薩摩の土性骨」 島津兵庫頭義弘
 こちらも有名なので(以下略)

「さらさら越え」 佐々陸奥守成政
 こうして読むと、あんまり大したことなかったのかね、この人。 私はちょっと好きだったんだけど。 ところで未だに、「佐々家累代の墓」の謎が解けてません。誰か、知っている人いません?

「徳川軍を二度破った智将」 真田安房守昌幸
 この人が大坂の陣まで生きていたら、確実に歴史は変わっていたでしょう。 そしたら今ごろ日本の首都は大阪都で、標準語が関西弁だったりして(~_~;。

「名誉の敗戦」 石田治部小輔三成
 この人って徳川時代に徹底的に悪者、小心者に貶められてきたために、 低く評価されがちですが、実際はそうでなかった、という説が最近の風潮です。 にしても、
三成は一世の傑物なり、一身を以て天下の大局に立ち、能く秀吉の為に用いられて 而してよく秀吉を用い、機略快捷、智術霊妙、家康の胆を奪う。 荀くも超世の才あらずんば、いずくんぞここに至ることを得んや。
は、ちと褒め過ぎちゃう?(~_~;

「口惜しや忰の愚昧」 加藤左馬助嘉明
 ちょっとマイナーな武将ですが松山の今日の繁栄は間違いなくこの人のおかげです。

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