流星――お市の方

著者:永井路子。上・下巻。文春文庫。

79年刊行、82年文庫化。
話を面白くするためだろうか、どうも浅井側に有利に書かれ過ぎの感がある、 というか信長の情勢が全般的に厳しく書かれ過ぎなんだと思うが、 それは置けばまあよく出来た小説でしょう。 織田側、浅井側双方の史料を比較して信長が当時置かれた状況など きちんと分析しており、また自説の時代考証は新鮮で 中には「ええっ?」というものもあるが(~_~;これはこれで良い。 さらには『信長公記』など引用したついでに、その信憑性などさりげなく 評価するなどはなかなか出来ることではない(これは誉めてるのか(~_~;)。 また作品中に出てくる、信長が一時「上総守」を自称した話は、 他の本でも目にしたことがあるので おそらく本当にあったことなのだろう。笑ってしまう話だが。 まあもっとも「守」でも「介」でも僭称には変わりないので、 どっちでもいいような気もしますが、 勝手に名乗ったわりに後できちんと改めるあたり 昔の人は律義というかなんというか(笑)。

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